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18禁ゲームの波紋(3)

2006/06/25 13:19
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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(前回の話はこちら

(娘)「『Fate/stay night』のゲームがPS2で出るって。予約したいんだけど」
えっ、いつ出るの? 年末? まだ、予約できないでしょ。
(娘)「いや、PlayStation.comやアニメイトのサイトでは、もう受け付けてるから」
娘は今、『Fate/stay night』のTVアニメに夢中。ローカル局で放送されていたが、チバテレビでは6月18日に最終話を迎えた(京都放送では6月25日が最終)。オタク(娘含む)の間では、結構、話題となっていたらしい(ちなみに、主題歌『きらめく涙は星に』は超オススメ。オリコンチャート10位内に入ったこともある)。
現在、『Fate/stay night』はWindows版のビジュアルノベルソフトが販売されているが、成人向け表現があるということで、18歳以上が対象となっている。
PS2で発売されるからには、TVアニメ同様、過度な性的表現はあり得ない。しかし、暴力的なシーンはありそうだ。なにぶん、まだ制作段階なので、どのレーティングで発売されるのかは分からない。審査が終了していないゲームは、「CERO審査予定レーティング」と表示される。もちろん、「Z」指定となった場合は、たとえ予約していようがいまいが、18未満の人には販売しないという方針だ。
(娘)「せっかくおもしろそうなゲームなのに、「Z指定」になってほしくないよ。それに、そういうくくりになると、かえって引いちゃう人もいるじゃん。もっと、たくさんの人に楽しんでもらいたいから」
娘はそう言うが、何故、今頃になって「CERO Z」などという区分ができたのだろう。

おっとその前に、CESAとかCEROとか、紛らわしい名称なので意味を調べておく。
CESAは「社団法人コンピュータエンターテインメント協会」のことで、ゲーム業界の団体である。
CEROは「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」のこと。さらなる公正を期すため、特定の会社や団体などに依存することのないよう、2002年6月に発足した。第2回で紹介した啓蒙マンガ(PDF)のセリフに出てきた「審査に特化した独立組織」のことである。

そのCEROのサイトを見てみよう。
2006年1月31日 レーティング制度の主旨と改定について(PDF)

まず、改定前のレーティング制度の主旨について、何と書かれているか。

表現の自由を最大限に尊重し、且つゲームソフトの内容・表現を社会の倫理水準に照らして適正に維持することを目的として、2002年10月より実施しております。
この制度においては、審査の基準となるCERO倫理規定などにより青少年の健全な成長に悪影響を与えるような表現・内容は禁止表現として規定し、市場に提供しないことを前提としております。

ここに載っている、「表現の自由」と「青少年の健全な成長」がレーティング制度の主要な目的と言える。

改定理由については、次のように記されている。

一方、ゲーム市場も変化を続けており、ユーザー層の拡がり、技術の進歩に伴い、よりリアルな表現の作品が開発されるようになって参りました。そこで、この度、従来のレーティング区分に加えて、『青少年に対して販売したり頒布したりしないことを前提とする』レーティング区分を新設することといたしました。

ゲーム市場のユーザーは、今や子供だけではなく、かなり年配の方にまで拡がってきている。子供には見せたくないような場面を、もっと自由に楽しみたいというニーズも出てくるだろう。また、ハードやソフト面での改良による画質向上に伴い、映像の表現力も大幅にアップしてきている。同じゲームストーリーのリメイクでさえ、よりリアルな残虐シーンが展開されることがあるかもしれない。そこで、青少年に販売を規制するという、明確な「18歳以上のみ対象」である「」区分を新設した。「A」「B」「C」「D」については、「『Z』を除くこの4区分については、あくまでも消費者側に対する情報提供が目的」とされており、両者の違いは明らかである。18歳以上対象を「E」ではなく「Z」としたのは、消費者への分かりやすさをねらったものなのだろう。

先程、娘から飛び出した発言について振り返りたい。
ゲーマーである娘としては、内容によって年齢制限がかかるのはやむを得ないと承知しているものの、「Z指定」によって、そのゲームを頭から否定し、避けて通る人が出てくるということが我慢ならないのだ。
しかし、そう思わせてしまうほど、「18禁」という言葉には魔力がある。「CERO Z 18歳以上のみ対象」と書かれていても、過去の制度である「X指定」や日本ビデオ倫理協会の「成人指定」とどこがどう違うのかを知らなければ、そのマークの価値は半減してしまうだろう。

今回の改定で、レーティングの審査基準も見直されているが、「禁止表現は、これを家庭用ゲームソフトに用いてはならない」 という前提は覆ってはいない。「禁止表現」は、「CERO倫理規定」の最終ページに「別表3」として、まとめられている。対象となる表現項目のうち、「性表現系」では、成人向け表現が全面的に禁止されていることがお分かり頂けるだろう。「18歳以上のみ対象」だからと言って、過剰に反応してしまう必要はない。
一くくりに「18禁」と言っても、メディアによって対象となる表現は様々なのだ。そこのところを、もっと世間に周知徹底させることが肝要であると思う。

2006年2月23日改訂版 CERO倫理規定(PDF)

次回につづく)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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