恐ろしく、これでもか、というくらい更新を怠っていました。申し訳ありません。草稿はかなりたまってはいるのですが、なんともうまくいかないもので、自分の文才のなさに愕然としつつ、未だアカウントを残しておいていただけている事に感謝しつつ、読んで下さる方々にもできうる限りの感謝をしつつ、これからは心を入れ替えて精進したいと思いますので、何卒よろしくお願いします。
さて、そんなわけで(?)昨日放送されたNHKスペシャル 日本新生 第3回「激論 “増税” 税から考える 日本のかたち」に出席してきました。何となく意見を送ったところ、運良く目にとまったらしく声を掛けていただいて、晴れて出演!という事になったのですが、まぁ、その、単に恥をさらしただけでした。関係者の皆さんご迷惑をおかけして申し訳ありません。視聴者の方にもお見苦しいものを見せてすみません。
まぁ、それは置いておいて、番組の内容に関して少し私見を述べさせてもらおうかと思います。
番組は1部、2部の分かれた2時間半の構成で、1部は消費税増税に関して、2部は税金の使われ方についてでした。
今回は税という判りづらい内容のためVTRが多く、また有識者の討論(というか解説)に終始してしまい、時間の関係上一般参加者の討論が出来なかったのですが、討論してみたかった、というのが率直な感想です。
何故かと言えば、全く具体的な話が出てこない。なおかつ自分の理論を正当化するためにデメリットを言わない、隠そうとする、話をそらす、そんなのが有識者、教授、大臣などと言えるのでしょうか?
国家戦略大臣 古川元久氏に関して言えば全くビジョンが見えませんでした。言いたい事は判る、じゃあどうするの?のどうするのかという部分が全くの白紙で、他の出演者に問われても曖昧なまま。
竹中平蔵氏においては日本の法人税は高い、しかし取りっぱぐれがかなりあると暗に脱税を臭わせつつ、法人税を減らせば良いとは言うものの、企業の社会保険料に関してはスルー。これらを合わせれば、支出としては必ずしも企業負担が他国に関して高いわけではないのです。
また、2部の使われ方では地方と中央省庁との温度差、地方の町で行われている住民が税の使い方決めるという取り組みが紹介され、地方分権、中央集中、世界的潮流、国民一人一人が責任を持つ、などが話し合われていました。
なんと言いますか、おかしくないかと。そんな事を思わずにはいられませんでした。
消費税、所得税で「年代から収入」へ徴収形態を変えると言いますが、現状の日本においては未だ年功序列が一般的で、高齢になるほど高給になる傾向にあります。しかし、それ以前の問題に企業が適正な給与を支払っているか?が全く抜けています。これが諸外国との大きな違いです。
金銭的な問題以上に毎日遅くまで給料の支払われないサービス残業をしていては子供を育てられません。なおかつ共働きでは誰が子供の面倒を見るのか?そんな時間が何処にあるのか?しかも給料は子供を育てるには給与が足りません。
こんな状態で少子化が解消できるでしょうか?明らかに無理です。まず問われるべきは企業の体質です。
下請けなど、もう初めから金額がおかしい。さらには納期がおかしい。でも断ると仕事が回ってこないので持ち出ししてまでそれを受けざるを得ない。そんなダンピングが行われていればどうしようもありません。
まず、社会の体制、特に企業の体質を変えていかなければ何も変わりません。
しかし、そこは華麗にスルー。非正規雇用も使い方さえ間違えなければ、雇用の流動性により知識や技術を持った人が様々な起用をわたる事で知識・技術の共有が行われ、市場全体の質が上がります。しかし実際には突貫工事要員・デスマーチ要員、福利厚生の削減対策にしか使われていません。完全に負の影響が出ています。
公共事業に関しては土木・建設関連が今では一番クリーンになってしまっています。両方がお互いに適正価格でないと落札できないからです。問題はIT関連です。明らかにおかしい価格で落札、そして不具合。当然の流れです。
そして、これだけ議論をしても、紹介された各国が導入しているVAT(付加価値税)にはノータッチ!一律消費税などよりも付加価値税を導入した方が消費に与える影響は少なく、税収が減る事はありません。なぜなら金持ちは金があれば良いものを買うのです。
次に税の使われ方ですが、なんというか、けんかばかりしてもしょうがないではないか、と。縄張り争いばかりでは何も良い事はないではないかと思うのです。
たぶん、そこにはそれぞれのプライドがあるのでしょう。上か下かというようなそんなくだらない序列を付けたいのでしょう。
国も都道府県も市町村も単なる単位系に過ぎない事を忘れています。それぞれの大きさでしか対応できない事があり、それぞれが協力して行えば、縦割り行政もくそもないのではないでしょうか。そもそもそれのエキスパートなんだからちゃんと仕事してくれ!というのが正直なところです。それがお前の仕事ではないのか、と。
企業に話を戻せば、企業は明らかにCSR(企業の社会的責任)を勘違いしている節があります。外国の困っている人たちを助けるのは良い事です。しかし、ならば社員を安い給料でこき使っても良い、という話にはなりません。
金を稼ぐという事は、稼いだ分だけ責任が生じるのです。それを忘れてはいけません。ちゃんと適切な給料を払えばワーキングプアになる事もないのです。まずそこを改善しなくては税収は改善されないでしょう。
簡単に言えば金をくれ!という事になってしまうのですが、金がなくては何も買えません。「若者の〜離れ」というフレーズがありますが、離れる以前に興味があっても買えないし維持できないのです。
金を稼ぐ事は別に悪い事ではありません、しかし稼いだなりの責任は負わなくてはいけない。コレを日本の企業は忘れているとしか言いようがありません。
まず、日本の社会構造を変えていく。それが税に関しても社会保障に関しても必要な事だと思います。
人は決して独りではいきられないし、誰かに生かされているのです。仕事をさせてやっている、仕事をしてやっている、そんな敵ばかり自ら作るような社会では確実にこの先はありません。
たぶん私たちの世代では間に合う事はないでしょうが、こんな腐敗したシステムをこれからの世代に残していって良いのでしょうか?先代から受けた恩は次代に返してくべきです。
以上が私の感じた事ですが、最後に、番組に関して。
正直参加してみるまでこの番組の存在を全く知りませんでした。なぜなら内にはテレビがない!ラジオ(ネットラジオ)で十分な生活でした。そこでどういう番組なのかを、ネットで調べてみるとプロ市民の番組だとか、あまり良い印象がありませんでした。
とはいえ、実際に前段階の座談会から参加してみて、本当に普通の何か言いたいという人たちが集められているという感じでした。何か言いたいという姿勢が、画面を通じてみるとプロ市民に見えてしまうのかもしれません。
ならば、文句があるのなら、ネットで批判しているだけでなく自分で参加してみてはどうでしょうか。こんな、私みたいなクソ野郎でも参加できたのですから。
批判する、拒絶するだけでは何も生まれません。ならばあえて敵陣に乗り込むくらいしてみてはいかがかと思います。
私自身そんな高尚な考えもなく、ただ面白ければいいや、という感じで生きているので、他の方ならもっと良い意見も出せるのではないでしょうか。
そんな感じで私のNHKスペシャル体験記でした。正直全国区で恥をさらしただけでしたが、このような機会があればまた参加してみたいものです。