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CNET Japan ブログ

市場の失敗とセーフティ・ネット

2008/09/18 03:34
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プロフィール

千ヶ崎 隆司

「君に」と言いながら、実際のところは自分の脳内をデフラグするために始めたようなブログです。 少しでも読んでいただいた方の役に立つような情報を書けたらと思っています。 ちなみにタイトルの由来はYMOの名曲から。 更新頻度を上げるために四苦八苦しております。申し訳ありません。 基本的に「エライ」人の間違いを考えることがテーマになっています。 ご意見等がありましたらtwitterアカウント「@tchiga_cnetj」まで。記事のソース等も貼り付けて行く予定です。
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今週初めのリーマン・ブラザーズの破綻は、世界中に不安をばらまき、アメリカのみならず欧州や日本の株式市場にも大きな打撃を与えています。

そんな中、民主党が「リーマン問題は放っておけないから、話し合い解散を」なんて、経済的危機に便乗しようとしか思えない申し入れをしていて、ついつい笑ってしまいました。いや、ここぞと言うときに政党内の足並みをそろえられないくせに何を言っているのかと。そもそも自民党内じゃ総理になれないから民主党作ったんではないのかと。ねじれ国会?二院制の正常な機能の一つを、自身の野心のために利用しているからねじれているだけではないのかと。などなど。与党以上に信用成らない野党というのも面白いもので。

また、話がずれました。スイマセン。

閑話休題

リーマン・ブラザーズの破綻にどうして公的資金が導入されないのか?という話が良くありますが、それって、みんなが大好き「自己責任」であるからではないかと。金融商品で損をしたら、損害を被るのは投資家自身であるのは原則です。誰が見ても危ないサブプライム・ローンの債権を証券化して他の金融商品と混ぜて実態をつかみにくくし、格付けを不透明にしてばらまいた結果、バブルがはじけて大あわてな訳であって、それらの責任は証券会社・金融機関が背負うべきものです。

特に、現在のアメリカは「大きな市場・小さな政府」の状態にあり、市場がうまく機能していれば自ずと良い方向に向かう、という希望的観測(もしくはアダム・スミスの神の見えざる手への期待?)に基づいた市場万能主義的な風潮であり、それを利用して大もうけをしてきたわけです。

なんといいますか、私の第一印象は「レモン市場」そのものじゃないか、と思いました。

ならば、危ないと言われていたのに、なぜ止まらなかったかと言えば、短期的な投資の観測を重視し、長期的な観測を怠ったとも取れますが、それ以上に資本主義社会の大原則として「人間は自分がもうけるためには嘘をつく」というのが根本にあるでしょう。嘘をつかなければ、「契約」を結ぶ必要はないし、格付け会社による指標も必要ありませんから。

特に今回は証券化して、実態をつかみにくくしていた事もあり、売り手と買い手の間で債権の信用度に対する情報が十分に共有されていたかどうかも疑わしく、「情報の非対称性」が発生していた可能性があります。そうすればおのずと「(経済学上の)モラル・ハザード」が起き、それは市場がうまく機能しない「市場の失敗」と言う状態に陥ります。

ならば、市場をこのような状態にしたのは、当の本人たちであり、自ずと責任は当の本人に向けられるべきです。

公的資金の導入は、破綻による経済的悪影響が国民生活に大きく関わる時にされるもので、国民全体の利益が損なわれることを防ぐ目的で行われるべきです。

しかし、市場で行動する上で、公的資金投入のような「本来あってはならないもの」を期待値に含めて行動しているというのならば、すでに市場はまともに機能していないといえるし、市場に参入するべきではないでしょう。

そこら辺をどう考えているのか不思議でならないのは、日本の金融機関ですけど。公的資金を投入されて、それに甘えて企業努力を忘れているとしか思えません。黒字になったら、お金は返しましょうよ、税金なんだし。手数料で儲けるのは、本来の業務ではないでしょ?

さて、郵政民営化が行われてそろそろ1年ですが、現状では目に見えるような失敗はありませんが、そもそも民営化するべきだったのか?未だに疑問で仕方がありません。

初代社長が元々は民営化反対であったのに、就任するやいなや「利益を最大化する」という発言に対してマスコミなどは「180度意見が変えるとは何ごとか!」といった全く的外れ(笑)な意見をしていて、「あぁ、マスゴミだ」と痛感させられました。企業が利益を最大化するのは当然のことであり、それに向けて行動するのが経営者、社長、取締役の当然の義務です。民営化以前に反対していたのは、金融関係者ならば当然のことで、ゆうちょの持つ莫大な資産が市場に放出されたとき、市場の均衡が崩れるであろう事は容易に判断がつきます。そういった、当たり前のことを理解もしないで、その時々の発言の是非に終始しているからマスゴミと呼ばれることに気づいてほしいものです。

それでも日本の郵便は優秀です。必ずと言っていいほど届くし、ストライキとかで止まることもないですし。

話を元に戻します。たびたびすみません。

郵政、特に郵便事業は国の事業であったわけですが、そもそも国が事業を行うもの(国・自治体がサービスを提供するもの)は採算が取れないものであっても、国民の生活になくてはならないものであるため、採算を度外視して行われるものです。それの良い例(日本では)が郵便事業であったわけで、民営化する際に問題となったのが山間部などの過疎地帯など、全国均一の料金では難しい場所が存在してしまう事でした。

そこで、よく有識者が言葉にしていたのが「セーフティ・ネットで対応すればいいじゃない」です。この場合のセーフティ・ネットは一部の人々が不利益を被らないようにするためのものですが、この対応は果たして正しかったのか?正しいのでしょうか?私には疑問に思えてならないのです。

そもそもセーフティ・ネットは市場が機能不全を起こしてしまわないように導入されるべきものではないでしょうか。ならば、セーフティ・ネットを前提として作られた(開かれた)市場はすでに失敗しているともいえるのではないでしょうか。そのような市場は新規参入が容易でしょうか。これは民営化の代償ではないのか、そう思えてなりません。国会審議で運輸会社社長(社名を失念してしまいました)の「均一料金でできるわけがない」と言う発言が、まさにそれを物語っていたといえます。

民営化に突き進んでいたあの当時は、官僚の不正など官営事業に対する不満が吹き荒れている時期でもあり、流れとしてはそうならざるを得なかったとも思います。ゆうちょ・かんぽに関しては「ため込むな!」というような意見でいっぱいでしたが、一気に放出される恐怖を考慮に入れなかった、そんなこと思いつきもせず感情論だけで語っていたマスゴミ・ワイドショーの有識者(?本当に有識か疑わしい)に責任があると思いますが。

現在に至るまで、完全な市場なんて言うものは存在していないわけで、完全な市場は目指すべきものではあっても、市場の力のみではそれが不可能であることは歴史が雄弁に語っているのも事実です。

だからこそ、独禁法やら商法やらの法律が必要で、また政府による市場への介入も必要になってくるわけですが、政府が市場の舵を握ってしまうのは、またおかしな状態(管理社会・社会主義体制下の状態)になってしまいます。

資本主義社会においては、やはり市場に参加する企業が各々の行動によって、市場の均衡を保つべきであり、それらの手助けを行うが、それは必要最低限に抑えるのが国・行政のあり方であるのだと思います。

政府は市場に対して自浄作用を促す存在として必要不可欠ではありますが、市場自体が自浄作用を持っているのがあるべき姿でしょう。自浄作用のない、持たない市場・業界は政府によって統制されるべきなのかもしれませんが。(それの回答の一つが各種の法律でもあるのですが)

市場において、好き勝手に設けているような企業は、信用を失い自滅していくのは当然の理です。それらの責任は当の企業が負うべきであり、当然の結果であり、政府による支援やセーフティ・ネットを期待値に入れてはならないと思います。

それにしても、グローバル化などと言っておきながら、国内問題ばかりに終始し、人の揚げ足取りに躍起になっているようなクオリティペーパーにクオリティがあるのかが疑問でなりません。
みんなに興味がないから?バカな、需要に応え需要を拡大させるのが、あなたたちの仕事では?(笑)

注)これはあくまでも「経済学っぽいもの」なので、あまり深くつっこまないでいただけると幸いです。 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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