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OracleのSun買収を支持します

2009/04/22 02:00
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OracleがSunを買収するとの発表がありましたが、ネット上ではあまり好意的な意見がなかったので、一言コメントしたくなりました。(ディスクロージャ。。。というわけでもありませんが筆者は新卒で入社した会社がOracleだったこともあり、適当に割り引いてみてください)

というのも、昔からシリコンバレーの「おしどり夫婦」と呼ばれるぐらい、互いが互いの成長を支え合ってきたOracleとSunのコンビなのだから、この二人がくっつくのは実にいい結末だと思っているのです。

時代がメインフレームからミニコン、UNIXへと向かい、ダウンサイジングが進んだ1980-1990年代、SunとOracleはともにUNIX世代の盟主として君臨していました。ところが2000年代以降、さらにUNIXからPCサーバへとダウンサイジングが進むにつれ、両者は典型的なイノベーションのジレンマに陥っていました。たまたま直接的なダメージが大きかったのはUNIXプラットフォームそのものから収益を上げていたSunのほうでしたが、本質的には両者ともに同じマーケットに属しており、市場全体が縮小している以上、M&Aによってしか成長を描けなくなり、たまたま現時点で時価の高いほうが買う側になるのは仕方がないことだと思います。

シリコンバレーのアイコン的存在だったSunが独立性を失うことは悲しいことのようにも思えますが、逆に言うと失うのは「独立性」だけです。仮にIBMが買収していたらSunというブランドと製品がいずれ抹殺させられていたであろうことを考えると、こういう形でオーナーシップが変わるだけでパトロネージを得られるのであれば、Sunにとって悪くない選択でしょう。

とうとうOracleもハードウェアに手を出すのか?という意見がありましたが、実はOracleは1996年のシン・クライアント構想に始まり、折に触れてはHPやSunなどと提携してハードウェア一体型のデータベース・アプライアンスやストレージ製品を出してきてたわけで(ことごとく失敗してややトラウマ気味でしたが)、これが最初でも最後でもないでしょう。

その背景にあるラリー・エリソンの考え方は割とストレートで一貫しており、オープンシステム(死語?)がコストダウンと引き替えにもたらした複雑性(組み合わせや相性)の問題をあの手この手で減らそうということです。メインフレーム時代のような中央集権への回帰か?と批判をされることもありますが、私はこの考えを支持しています。PCの世界でも、Windowsベースのベンダーが百花繚乱した時代が続いたあと、技術の成熟とともにアップルのMacが復権しつつあるのは偶然ではありません。

SunはハードウェアとOSは持っていたけれどデータベースやERPパッケージでは商売しておらず、OracleはデータベースやERPパッケージを主力事業としているけれどもハードウェアやOSではこけており、両者は完全な補完関係にあります。従って、市場が縮退する中、これらを改めて垂直統合しようというアプローチには合理性があります。まぁ、実際にうまく統合できるのか?という最大の課題が残されるわけではあります。ユーザから見れば組み合わせの選択肢が減ることになりますが、100年前にはアメリカに200社あった自動車会社がいまや事実上3社だけになった(それさえ来月までの命かも知れませんが)ことを、もう誰も文句は言ってませんよね?

個人的に気がかりなのは、オープンソース界隈では評判のよくないOracleが、自身のメインビジネスにとっての直接的な脅威であるMySQLをどうするのかということです。MySQLの原作者であるMonty Widenius自身が書いてあるように、事実上プロジェクトをリードしている人々はすでにSunを去っています。個人的には、そういったリーダーたちがMySQLやInnobaseをMBOして自立性を取り返す方向に向かうのではないかと思っています。それは希望的観測に過ぎないかも知れませんが、OracleがMySQLやInnobaseを所有している状況が健全でないことだけは確かです。

さて、今回の件については以上のような見方をしているわけですが、Oracleが続けてきた怒濤のM&A攻勢もここにきていよいよ峠を越えた感があります。これまではリーズナブルな買収がほとんどでしたが、より長期的にみればUNIX市場全体が縮小していることには変わりなく、しかもその底が見えません。この先、より保守的なハイエンドに行くにしても先進的なローエンドに行くにしても波乱が待っていることでしょう。

それにしても、書いてて気づいたのですが、テクノロジー業界の話なのにファイナンシャルっぽい切り口しか出てきませんでした。そのことが個人的には何よりも悲しかったりします。

Addison Road / All That Matters

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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