最近ちょっと自分のプロジェクトにどっぷり浸かっていたためご報告がずいぶんと遅れてしまいましたが、応援しているプロジェクトがあるのでそれをご紹介。
Danさんとこでも紹介されてましたが、「Sumibi」というWebベースのカナ漢字変換ツールのことです。
たとえば長文作成モードに飛んで「koizumijunnitirou ha moutakutou wo taosite ginnyuushijin ni reberuappu sita ! 」っていう感じで、自然に日本語を入力するときのように色々とローマ字を入力してみればわかりますが(スペースキーを叩くのがAjaxのトリガーになってますのでコピペだけでは駄目です)、この変換精度には目から鱗が落ちまくります。
Emacsに組み込めたり、Web APIもあったり。しかも、エンジンはGaucheで書かれています。かっちょいー。主作者のKiyokaさん、AjaxfulなUI担当の加藤さん、グッジョブです。
私の奥さんの高校時代の友人が、いま南米をバイクで縦断していて、その模様をブログに書いているのですが、彼女にSumibiのことを教えてあげてから(こちらのコメント欄を参照)というものの、それまではローマ字で書かれていたブログがその日を境に完璧な日本語になりました。しかも、かなりナチュラルな話し言葉で。ここまで実用的に使えてるというのがすごい。
そして、Kiyokaさんのブログの創作心理カテゴリにある一連のポストに、自らオープンソースプロジェクトを立ち上げた動機について書かれているのですが、これにとても共感しました。
食うためのコード書きの仕事は仕事としてこなしながら、余暇で自分のためのコードを書く。ルネサンス期の画家が肖像画の受託を生業としたように。ミュージシャンの多くがライブハウスやレコードショップの店員として働くように。これまたポール・グラハムが書いてましたが、「その人がハッカーかどうかを見分ける簡単なインタビュー方法がある。仕事から帰ってきて、あるいは週末に、趣味でどんなコードを書いているか?と聞いてみればいいのだ。趣味でコードを書いてないやつはハッカーじゃないからだ。」(一部うろ覚え)というのは本当にその通りだと思います。本当に心から好きでやってることじゃないと、偉大なものって創れないよねと。ハッカーがオープンソースに群がるのは、そういうことなんだから。
これは、仕事として好きなコード書きがやれている、公と私を分ける必要がないラッキーな自分にとっても大切な考え方です。最近、プロジェクトに優秀なデザイナーが加入したのですが、彼はRails wikiのAvailable For Hireで見つけて、コミュニティでの活躍を見てから一本釣りしました。彼はバーモント州に住んでいるのでシリコンバレーとでは時差が3時間ありますが、嗜好性が合ってればそんなのは問題になりません。
というわけで、そんな在野のハッカーを応援しようと、インフォテリアとして、Sumibiプロジェクトに対してサーバマシンを寄付させていただきました。微力も微力ですけどね。
さて、世のギークなみなさん、10年ぶりにギークが世の中をリードする時代が戻ってきました。この火を消さないように、一緒に盛り上げていきたいですね。Web2.0がバズワードだの何だの悪口を言う前に、日本から何社かでもオリジナルな作品をこういうところの土俵に載せてからだよね。
♪ Clazziquai Project / Fill This Night (いま最もイケてる韓国系アーティスト。アルバムに捨て曲ナシ)