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CNET Japan ブログ

クレイジーな思考回路を持つ

2004/06/11 04:47
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前回のエントリに対してZopeジャンキー日記の桜井さんより素敵なトラックバックをいただきました。

リスクテイカー・変革者を評価する文化 / もっとクレイジーに

さすが、自分で何かをやり遂げようと行動を起こしている人のコメントは冴えてる。

そして学生の側も、一流企業によろこんで入るのではなく、一流企業を蹴ってでも、自分のやりたい道に突き進むようなビジョンがなければいけない。ソニーやホンダ、アップルやマイクロソフトに入りたいと願うのではなく、そういう会社を自分で作りたいと思うくらいの若者が、もっともっと必要だ。

ひとことで言えば、日本に足りないのは「クレイジーさ」じゃないかな。やっぱり、トム・ピーターズが必要だ。

これ、これ。ビジネスでも学問でも芸術でも、なにか突き抜けたものがないと新しいパラダイムは作っていけない。法律は守るものだと思いこんでいたり、数学は絶対に正しいと思いこんでいたり、音楽は平均律だと思いこんでいたり、こういう連中には新しい地平は切り開けない。「思い込み」とは心の平穏と調和を求めた結果であり、いわばある種の自己防衛本能みたいなモノだからだ。

「クレイジーさ」の源流は、潜在意識下の無秩序な領域にその多くを委ねる。トール・ノーレットランダーシュが著作「ユーザーイリュージョン―意識という幻想」で指摘したように、非合理的な霊感は、帯域幅の狭い意識下の理性の精神よりもはるかに強力な情報処理能力を有している。裏返しに言えば、頭が良くて合理的な判断能力が高く、ジレンマを理詰めで解決してしまえる人ほど、実は、長期的に効いてくるようなクリティカルな意志決定は避けてしまっているということだ。

また、カール・アルブレヒトの著作「なぜ、賢い人が集まると愚かな組織ができるのか」には、以下のような記述がある。

発明家チェスター・カールソンから見慣れぬ奇妙な機械のアイデアを紹介された際、IBMのお歴々は「どうぞお帰りを」と軽くあしらった。不格好で複雑で、およそ価値があるとは思えない。商用化など問題外だろう。何社ものビッグネームが、この発明、つまり後の「ゼロックス・マシン」にやはり素っ気ない態度を示した。ハーバード・ビジネス・スクールの面々などは、「馬鹿らしい」と言い放ったと伝えられている。

大手のリーディング企業が破壊的イノベーションに向かないことは、ありとあらゆるケーススタディが証明している。そのことを知識としては知っているにもかかわらず、多くの日本人は気付かないフリをしている。誰だって理性的に考えれば、冒険をしたくない理由ならいくらでも挙げられる。ベンチャー企業がいいとか、大企業が悪いとか、そういう入れ物の話をしているのではない。その中で自分は何をやっていますか、ということだ。ベンチャー企業に勤めている人が全員、勇敢さが求められるようなスリリングな仕事をしているわけではない。同様に、大企業にいるからといってスリリングな仕事がないわけではない。(個人的にはベンチャー企業に入る前に大企業に勤務した経験が、あらゆる意味でプラスになったと思っている)

ただ、大企業に勤めている人に特有の話題として「うちの会社は競合Aに比べたらまだ革新的だ」とか「うちの会社は競合Bと比べたら従業員にやさしい」とかいうやや微妙な自慢話がある。しかしこれは率直に言って主語が「うちの会社」である限りは、あぁ、誰かあなた以外の人が頑張ってくれてるんですね、という風にしか聞こえない。ここはひとつ、「私はこんなことをやっているんだ」でいこう。

ところで、このBlogの読者の方から「時々厳しいコメントがつきますが、よく耐えられますね」と言われることがある。厳しいコメント、筋違いなコメント、大いに結構。現実社会で突き抜けたことをやっている、或いはやろうとしている人というのは、反論や誹謗中傷などには日常的に晒されているものだ。毎日が戦闘モードだから、鍛えられているというか、摩耗して不感症になっている。どのみち真のマジョリティーは、ネット上からは見えないオフラインの世界にしか存在しない。勝負は、敵の少なさではなく、味方の多さで決まる。現実社会での仲間たちが私の勇気を担保してくれる。

もし八方美人スタイルで穏便にうまく運んでいるとしたら、むしろ自分のやっていることの革新性を疑った方がよい。少なくとも私は日々そうやって振り返ることで自分の状態を見極めている。確信犯的に正気を失えるのは人間の美徳である、というのが今回のエントリの通奏低音である。人生は短い。一週間のうち80%ぐらいはテンションの高い状態を維持したいものだ。

とはいえ今週は本当にクレイジーだった。3夜で8時間ぐらいしか睡眠がとれていないのでそろそろ仮眠を取ることにする。

ユーザーイリュージョン―意識という幻想
ユーザーイリュージョン―意識という幻想

なぜ、賢い人が集まると愚かな組織ができるのか
なぜ、賢い人が集まると愚かな組織ができるのか

♪ Cake / The Distance

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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