お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

ブライトコーブ、ジェレミー・アレイアCEOインタビュー

2010/06/23 15:58
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

志村一隆

文系、理系に通じ、またビジネス、アカデミックでの経験豊富な新進気鋭アナリストが、国内、海外のテレビや新聞、雑誌、映画などのメディア、コンテンツの最新事情をわかりやすく解説します。
ブログ管理

最近のエントリー

人形町から溜池山王へ行くには、水天宮前から大手町で乗り換えるのか、永田町まで行くのか。都営浅草線に乗るのか。ちょっと迷います。昔は、赤坂しか駅が無かったので千代田線1本で迷いなしだったのですが。。

映像の世界もちょっとややこしくなっています。

1990年代までは「テレビはテレビ局が作って放送しています。以上!」で終わりでした。いまや、iPad、モバイル放送、ユーストリーム、ウィジェット・・・映像の送り手と受け手をつなぐ経路がたくさんあるのです。こんな状態を「Fragment=バラバラ」と言います。

そんなバラバラな状態から最適な経路を見つけ出して配信する業務にビジネスチャンスを見出しているベンチャー企業がいます。

日本のスキルアップジャパン、アメリカのブライトコーブ(Brightcove)ウーヤラ(Ooyala)などです。アメリカの2社は日本でもビジネス展開しています。ニューヨークタイムズや高校野球をiPhoneやiPadで見れるのは、彼らオンライン配信プラットフォーム企業が裏でいろいろな作業をしているからです。

CDNとオンライン・ビデオ・プラットフォーム「iPadでたけど・・・ウチの映像を見せるにはどうしたらいいの」「2時間の映画をインターネット用ファイルに変換するのに2時間かかるけど・・」「デジタル変換した元ファイルはどう保管すればいいのか」といった心配の解決をビジネスにしています。

 Flash(アドビ(Adobe:PDFなどを開発した会社)が開発しユーチューブなどが利用している映像ファイルの規格)で作られた映像は、iPadでは見られません。HTML5という映像をブラウザ上で簡単に見られるインターネット上新しい規格を採用しているからです。Flashはアドビが作ったデファクト・スタンダードですが、HTML5はオープンな標準化される規格です。

iPadにコンテンツを配信したい企業向けにHTML5の映像配信サービスを新たに発表したブライトコーブのジェレミー・アレイア(Jeremy Allaire)CEOに話を聞きました。

■ 端末、ファイル規格がたくさんあると、トランスコーディング(ファイルを端末で見られるものに変換すること)が映像配信のキーポイントになると思います。クラウド・トランコーディングは自社技術ですか?

アレイア そうですね。1年半くらいかけて開発しました。クラウドトランスコーディングは、クラウド上のどこかでコーディングが行われていると考えてください。

■ ユーストリーム(Ustream)が人気だったり、映像配信もライブ中継が可能な時代になっています。ライブ・キャスティングへの対応は?

アレイア 既にブライトコーブでもライブ中継はできます。ソニーはコンサートのライブ中継にブライトコーブを使っています。トランスコーディングも問題ありません。ユーストリームは、CGM用のプラットフォームだけど、ブライトコーブはプレミアムコンテンツ用のビジネスなので、ターゲットが違います。 

■ HTML5配信機能に広告分析ツールを付加すると、Flashが提供する機能と重なりあう部分が出てきます。このことは、映像配信市場のエコシステムを壊すことにはなりませんか?

アレイア いや、そんなことはありません。オンライン映像のファイル規格は、Flashがデファクトスタンダードです。これは、この先数年変わらないでしょう。ブライトコーブは、Flashで制作された映像を多様な端末で再生できる技術開発に注力しています。HTML5もそのひとつです。

■ 誰もが映像配信をする時代、企業が広告宣伝をする代わりに自ら映像配信メディアを立ち上げる動きが広がると思います。ところが、自社PRだけで終わってしまうケースも多々ありますが、この辺は日米でなにか違いを感じますか?

アレイア 広告はむしろ積極的に配信していきたいと思っています。ブライトコーブは、マーケティングデータを顧客に提供できるので、映像配信の効果についてきちんと説明できると考えています。こうしたノウハウは、顧客に無償で提供しています。

■ AT&Tが、データプランの利用上限制を打ち出しました。モバイルの映像消費にどんな影響を与えますか?また、アメリカのユーザーは、Wi−Fiをよく利用するんでしょうか?

アレイア アメリカのユーザーも、3G利用がメインだと思います。Wi-Fiをたくさん使うってことはないです。ニューヨークやサンフランシスコでは3Gがつながりにくいけど。でもAT&Tはネットワークを改善すると言っていますね。それに、来年からLTEも始まります。

■ LTEとWiMax、どちらが優勢になりますか?

アレイア それはLTEでしょう。

■ アメリカの大手メディアもモバイル配信には興味を持っているんでしょうか?

アレイア  とても大きな期待を寄せています。CBSとか。

■ モバイル放送とかメディアフローとかはどんな状況ですか?

アレイア  人気があるとは思えません。インターネットで映像を見始めてから10年経って、視聴者の映像消費行動は以前と変わってしまったと思います。視聴者は、アンコントール(Uncontrol)、オンデマンド(On Demand)なサービスでないと受け入れられないと思います。スポーツ中継だけは、放送の仕組みが生きるでしょうが、それ以外のコンテンツはインターネット的な要素が必要です。

■ 今日はモバイル対応の新製品の話でしたが、テレビ向けのオンライン映像配信ビジネスもビッグ・チャンスだと思います。

アレイア その通りです。グーグルTVは、とてもいいアイデアだと思います。まだ普及には2−3年時間がかかると思いますが、ブライトコーブにとっては、モバイル配信の次の大きなチャンスですね。

■ 最後に、先週シリコンアレー・インサイダーに書かれていたRuntime Warsについて解説を。(記事はコチラ

アレイア Run Timeは、技術用語でなにかアプリケーションを動かすときに必要なソフトのことです。現在、パソコンやテレビ、ケータイは、アンドロイドやiPhone、ウィンドウズなどのOSが並立しています。どのOSもRunTimeが必要です。OSの上で動くアプリケーションは、どのOSが使いやすいかどうか吟味することになります。つまり、どのRuntimeがいいのか、家電製品などでOSの競争が始まるでしょう。

参考:ブライトコーブ、ジェフ・ワトコット氏(SVP、マーケティング)のインタビューはコチラ

 


 

今後テレビのインターネット接続が普通になると、こうしたオンライン配信プラットフォーム企業がますます活躍するでしょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー