Twitterで発達障害の方に役立つ情報を募集したところ、お勧めソフトとの情報をいただいたのが「こども脳機能バランサー」です。専門家の方が監修した、発達障害のお子様が認知力アップできるように作られた学習ソフトです。
▼こども脳機能バランサーhttp://www.ledex.co.jp/products/cb001.html
▼レデックス株式会社(販売元)http://www.ledex.co.jp/
販売元のレデックス株式会社さまに問い合わせをしたところ、
大きく分類すると
●個人向けバージョン(普通のパソコン用とタッチパネルパソコン用)
●特殊支援教育(学校)向けバージョン
の2バージョンがあるそうです。
今回はレデックス株式会社さまのご厚意で個人向けバージョンのパソコン向けソフトをいただいたので、試してみた感想を以下に書きます。
このソフトには全部で13のタスクがあります。
1)はじめのもじ
2)ことば
3)ききことば
4)わたしはだれ?
5)しかくたんさく
6)ブロック
7)くるま
8)もぐらたたき
9)ジャストフィット
10)スピードタッチ
11)フラッシュライト
12)りったいフィット
13)さめがめ
全部がはじめから表示されているわけではなく、得点が一定数に達する度にタスクが増えていきます。
簡単に各タスク(ゲーム)の紹介をします。
(1)はじめのもじ
「●ではじまるものはなあに?」と質問文と音声で教えてくれるので、答えをいくつかの絵の中から選びます。視覚優位な自閉症スペクトラムの方にも文字を読むのが苦手な学習障害の傾向がある方にも遊びやすそうです。
(2)ことば
絵と文字をマウスをドラッグしてつなぐゲームです。例としては「りんご」の絵と「くだもの」という文字をマウスのドラッグ操作をして線でつなぐというものでした。物の分類を覚えるのによさそうです。
(3)ききことば
ある物の名前が文字と音声で読み上げられるので、それにあった絵を選ぶというものです。文字が読みにくいお子様でも音声で読み上げられるので、正しい絵を選べそうに思いました。そうしたら、たとえば「りんご」という文字が音声でも読み あげられるので、文字を覚えるのにもよさそうです。
(4)わたしはだれ?
例としては実際には出題されないですが、「パソコン講師。女性。このブログを書いている人」のような質問が出て、複数の絵の中から絵を選ぶというものです。子供のころに観たNHKのテレビ番組にも昔似たようなものがあったような?(記憶違いかもしれません。)
(5)しかくたんさく
トランプの絵が画面上部に並んでいて、画面下にはランダムにトランプの絵が並んでいます。画面上部のトランプと同じ順番に下の大きなトランプをクリックしていきます。おそらく早く最後まで正しい順番でクリックすると高得点になるのかなと感じました。(写真参照)3問目では、黒1->赤1->黒 2->赤2、と互い違いに選んでいきます。
(6)ブロック
小学校のときに受けた知能テストに似たものがあったのですが、ブロックが複数さまざまな形で乗っかっていて、小さいブロックは全部で何個のっているでしょうか、というゲームのようです。私は空間認知が悲しいほど低い能力なのですが「子供のときにこのゲームで鍛えていたら車をぶつけることが減ったのかも?」と思ったのでした。
(7)くるま
くねくねした道路の上をマウスでドラッグ操作することによって車をゴールまで運ぶというゲームです。子供でなくてもパソコン初心者の大人にぜひ遊んでほしいです。楽しみながらマウス操作がうまくなりそうだと考えました。
(8)もぐらたたき
ゲームセンターにあるモグラたたきと同じルールなのですが、ひっかけのサボテンがランダムに飛び出てくるので注意力がある方でないとサボテンをたたいて痛い目にあいます。私も最初のうちはサボテンに引っ掛かって反射的にクリックしていました。
ただ人間って学習するらしく、反射ですぐに叩くのではなく様子を観てから叩いても得点は変わらないぞと気がつき高得点できるようになりました。ADHDのお子様には注意力を楽しみながら養えるので特に良いかも。ちなみに最後の方はかなり速いスピードでモグラとサボテンが飛び出てくるので大人げなくクリック連打でした。
(9)ジャストフィット
真ん中にやや複雑な形のイラストが表示され、真ん中のイラストと同じ形のものを外側の図形から探すというものです。(写真参照)ネタバレを防ぐため、あえて写真では真ん中の図がまだ見えない状態のものを載せましたが、あわてるとうっかり紛らわしい形のものを選んでしまいます。
学習障害の方は読み書きが苦手でも空間認知の能力が高い方が多いそうですが、うっかりを予防するという意味ではADHDのお子様に特にお勧めなのかもしれません。
自閉症スペクトラムのお子様はパズルが驚異的に得意な方もいるようなので、空間認知のスキルが問われるものはパズル好きにも楽しいのかも。私は空間認知の能力が低いのでこのゲームもやりこんだら車をへこませる確率が減るのかも。
(10) スピードタッチ
画面に黒いボタンが表示されているのですがランダムに色が変わります。もし問題文に「きいろのボタンをおしてね」と表示されていたら場合はボタンが黄色に変化した時だけボタンをクリックします。先ほどのもぐら叩きと同様に反射的にクリックすると「赤なのに押しちゃった!」とあせることになります。
できるだけ速く押して高得点をねらいたいのを、ぐっとがまんして見定めます。抑制力のトレーニングだそうです。ちなみに音楽がついたらの話ですが「関口宏の東京フレンドパーク(TBS系)にも似たアトラクションがあるような?
(11)フラッシュライト
赤、黄色、緑、青の四個のボタンが画面上に配置されていて、光った順番通りに各ボタンをクリックしていくゲームです。こちらのゲームのほうが「関口宏の東京フレンドパーク(TBS系)」のアトラクションに似ているかも?ワーキングメモリのトレーニングとのこと。
(12)りったいフィット
中央にある形のブロックと同じ形のブロックを周りに配置されたブロックの中から探すゲームです。中央と同じ形のブロックは周りに配置されている際は向きが変えられているので、きちんと形を把握できていないと間違ったものを選んでしまいます。私の場合は落ち着いてじっくり見たら間違えないで選べたものの、あせってしまうと間違えてしまいました。
(13)さめがめ
最初にランダムに色のついたボールが積み重なります。同じ色が隣り合っている部分はクリックすると消えます。なるべく多く同じ色を隣どうしにしてクリックすると高得点になります。(写真参照)
消す順番をよく考えて遊ばないと最後に孤立したボールがたくさん残ってゲームオーバー。私は消し方のコツが未だにわからないため五段階で二しかいかないのですが、私にとってはこのゲームが一番ヒットでした。
ルールが単純明快なうえに頭を使うので大人にも面白いと思います。私はゲームやパズルが苦手ですが、さめがめのロジカルシンキングが面白いのか毎日遊ばないと気が済まなくなりました。(笑)
以上で個人向けのゲームはすべて紹介したのですが、なんとこのソフトには英語版もついています。
日本語版と同じ内容ですが英語で音声が読み上げられますので、子供のうちから英語を学びたい場合にはよい学習になりそうです。また遊んだ結果もグラフなどでわかりやすく管理されていました。
単に遊ぶではなくお子様の成長も具体的に数値やグラフの形として残るようなので、お父様やお母様、学校の先生や支援者の方などとも目に見える形で客観的な情報を共有できそうです。
私はICT教育に関わっていますので、このように楽しく遊びながら子供たちの成長をサポートできるソフトが大変興味深かったです。今後もICT教育に役立ちそうなソフトをブログでご紹介できればと思います。