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脱原発世界会議報告(2)

2012/02/06 16:30
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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ちょっと間があいちゃいましたが前回「脱原発世界会議報告(1)」の続き
2日目の様子を中心に。


会場にいると「本当に多くの人たちが『なんとかしなくちゃ』と考えているんだ」と思うけど、それでも「仲間内」だけの議論で終わってしまわないようにしなければとも思う。

なお1日目の来場者6000人。報道関係400人だそうです。  


●脱原発ポスター展



●こういうこと


インパクト強かった

●OurPlanetTVスタジオ  子どもプレス

● 子供達による自由な取材 子どもプレス打ち合わせ現場で


● 原発体制を問うキリスト者ネットワーク 


● 切り紙ワークショップ 白い紙で切った家が福島へ


● 今日もブースは大にぎわい 


 ● 最近話題のモンベルさんのブースがあった。


●南相馬と子供達セッション


●南相馬と子供達セッション 会場の様子



■セッション 「原発は止められる」


ミランダ・シュラーズ(ドイツ政府環境諮問委員会) 

(ミランダさんは実に流暢な日本語。助かります)




ドイツでは地球温暖化が騒がれ厳しい基準が作られた。原子力発電所契約延長政策に対しては激しい抗議があり。福島の事故の後は大きなデモ。ベルリンには15万人が集まった。

倫理委員会が作られ、福島の事故を見てドイツがどうしたらいいかを討議した結果、他のどんなエネルギーよりも原子力は危険という結論に達した。理由としては地球的インパクトが大きい。次の世代への影響も残す。倫理的な問題など。それに、他のの選択肢=エネルギーもある。

ドイツでは代替エネルギーは経済ののチャンスを広げると受け止められた。倫理委員会は一般を巻き込んでオープンな議論とされ、その討議はテレビで中継された。

8基の原発を直ちに停止した。残りは2022年までに停止する。順番としては旧東ドイツにあるものから先に止めていった。これは経済的なチャンスだと受け止められた。再生可能エネルギーの被雇用はいま30万人。各地の地域イノベーターの力が大きい。

国土の25%の面積が2015年までに代替エネルギーに置き換えられる予定。ドイツは今のところ原子力電力を輸入している事実はほとんどない。

ドイツも一国だけではなく、ヨーロッパのプロジェクトとしてやるべきだと考えている。日本も中国や韓国の力も得てリージョンでやるべきではないか。



ミヒャエル・ザイラー(元ドイツ原子力委員会委員長)

ドイツ議会は福島以後、2011年7月に9機を2015年から2022年にかけて段階的に廃止することを決めた。8機は即時停止。ドイツ国民は福島を見て信頼性の高い原発でも重大な事故が起きる事を知った。

安全を主張してきた専門家や関係者は信頼を失い、社会全体のメンバーで構成された倫理委員会に参加する事も拒まれた。倫理委員会は2011年5月に報告書。ストレステストでは耐震性に危険があると判断された。

ドイツの電力供給は問題ないし、輸出入もバランスがとれているが、全てが停止した場合のために再生可能エネルギーを今後10年考えていく必要がある。昨年の原子力発電は23%これをゼロにしていく。ガスプラントもつくっていくことになる。

再生可能エネルギーは従来の電気会社にもチャンスがある。さまざまな新しい法律が施行されている。もちろん多くの課題はある。ドイツは変わっているといわれるが、イタリアは国民投票で新設計画中止。

スイスは保守的な国だが2機の新設計画を中止。2018年までに3機 2032年までに2機を廃炉にすることを決定した。ベルギーは7基を段階的廃止決定。フランスも議論へ。ポーランドやチェコはスルーしている。

フランス社会党はゆっくりとした脱原発 サルコジは推進論。大統領選の争点になろうとしている。

ドイツに見るように、先進工業国でも脱原発は可能。ただし再生可能エネルギーへの切り替えが必要。可能にする経済的条件と政治的決断が必要。中国も再生可能エネルギーの開発に力を入れている。この分野も中国がリードするのではないか。

脱原発のメリットとして、エネルギーの海外依存から脱す事ができるということもある。



金子勝(経済学者 慶応大学教授)


日本国内の言説を検討したい。原発は実質上不良債券になっている。原発がないと成長できないというのは逆。金融危機発生前の債務構造は1990年日本は386% 財政や金融を急速に赤字にしても新しい成長を生むのは不可能

この経済危機を乗り切るには大きなイノベーションが必要。コンドラチェフ循環。再生可能エネルギーへの転換が内需不足を克服。原発は一部のグローバル企業のためだけにメリット。日本全体の食べるシナリオのために転換が必要。

シミュレーション単価は5-6円だったが最低8.9円。揚水発電を入れると12.23円。火力9,9円 水力7.26円。(有価証券報告書による) 料金負担ベースのコスト情報を電力会社は開示しない。(おそらく20円台)

再生可能エネルギーのほうが安いかもしれないという根拠はたくさんあるが隠されている。コスト等検証委員会の電力コスト試算でももっとも安いエネルギーとはいえなくなっている。

再生可能エネルギーは不安定という批判があるがハイブリッドのような発想が過渡期に必要。非変動型再生可能エネルギー(小水力、地熱、バイオマス)も可能性。スマートグリッドによる賢い送配電網の整備で補完できる。

再生可能エネルギーは高いのか? →規模の経済性によって安くなる。(電卓の例) 必要な電力改革(送発分離改革) 固定価格で初期投資保証 技術革新へのインセンティブを高めるなどが必要。(ポストシリコン 太陽追尾型)ギアなし風力発電。

再エネ法の改善点と問題点 固定価格の決定プロセス 経産相、国土相、農水相が加わって買い取り価格を決定することになっている。再生可能エネルギーの種類に応じて別々の価格に決めたのは評価する。

調達価格算定委員会人選に問題 5名中3名が再エネ法に反対した委員。これを監視するにはプレッシャーを国民が与え続ける必要。高い固定価格で短い買い取り期間がいいのではないか→スペインの例と技術革新 一気にやる必要がある。

再エネ法の例外規定は電力が不安定なら買い取り拒否できるという規定。これは問題がある。国民世論を盛り上げながら発送電分離改革をすすめ系統接続義務化が必要。 地方における投資計画は次々とされつつある。(世界金融危機とグリーンニューディール)地域格差の減少とネットワーク化が必要になる。

集中型メインフレームから地域分散型にする必要。裾野を広げる必要。砂山はまわりを掻くと頂上が沈む。裾野を充実させるべき。目指す社会はクリアに見えるはずと思っている。

※ポイントがわかりやすい。素晴らしい講演でした。ここでアナウンス「会場が非常に暑い。これじゃあ脱原発できないと言う人がいるが(笑)暖房はしてない。会場の熱気であります(場内爆笑


※ここでお隣の人と意見エクスチェンジの時間。この会議の特徴のひとつで時々こういう時間が設けられる。最初は戸惑っていた参加者も段々慣れてきている。プレス席も互いに話をした。


河合弘之(弁護士、脱原発弁護団全国連絡会代表) 

(世界の地震分布図を掲げて。)日本の国土は世界の0.3% そこに全是会の地震の10%が集まっている。これほど地震が集まっているのに原発やってるのは世界で日本だけ。日本だけは原発をやってはいけない。ドイツの「やってはいけない率」X100倍である(場内拍手)

世界も日本にプレッシャーをかけてもらいたい。政治家は頭が狂っている。世界中からプレッシャーをどんどんかけてください。(笑)段階的脱原発論は危険。もしも明日大地震が起きたらどうするのか。浜岡がもう一回うごいて東南海きたらどうするのか。直ちに全ての原発を止めるべきである。

原発を止めると火力を使ってもだめになるというが、全原発を停止しても火力の稼働率を20%あげて70%にしただけで即日補える。心配ない。放射能のコストにおびえるよりも多少コストが上がってもいいではないか。

日本の全ての原発に関して再稼働阻止の訴訟をもう一度起こすべき。311以後は裁判官の意識は変わった。もう一回裁判官に問い直すべき。130人の弁護士が賛同。続々と新しい訴訟を提起しつつある。裁判官の顔つきも変わった。

株主代表訴訟について 東電の役員は内幸町で安穏としている。退職金をもらって幸福な生涯。加害者天国被害者地獄である。社内の試算すら握りつぶした。損害債務を負ってもらうべきである。5兆円を役員相手に請求する訴訟を今月末起こす。

役員に個人債務を請求する事で責任感を意識させる。すべての電力会社の役員に警告書を送るつもりである。簡単に再稼働を起こす事はできないことを告知。5兆円は世界最大の請求訴訟。印紙代は通常は50億だが株主代表訴訟は13000円でできる!

それぞれの自治体選挙区の議員、国会議員に再稼働に反対するよう働きかけをしてほしい。選挙になったら公開質問状を出してほしい。我々がほんとに怒っているということを知らせ続ける必要がある。日本の原発は即時停止すべき。

「日本は外圧に弱いから世界の人は圧力をかけてほしい(場内笑 海外メディアのみなさんもよろしくお願いします(拍手


ここで会場からの質問に答えつつ


河合(電源三法による交付金について)

「南相馬のように交付金を拒む姿勢が大事。それぞれの首長や自治体の議員にふるさとの様子を見てもらい語り合う会が必ではないか。」

ミランダ (倫理委員会の人選について)

「ドイツ倫理委員会のメンバーは環境大臣が半分、メルケル首相が他の半分を決めたと思う。社会の考え方をある程度反映する人を決めた。 」

ザイラー (同上)

「ドイツには交付金はない。ローカルで原発企業から税金に80%依存しているという例はある。多額の寄付もくる。それに依存する体質はある。しかし今回の停止はそういったことについては殆どの人は耳を傾けなかった。電力会社の寄付についても拒否する人が多かった。」(ドイツ人立派!!!

金子 (同上)

「単に補助金を切るだけでは地方が窒息する。オルタナティブが必要。原発即時停止は賛成だがこれは不良債権の問題である。それをどうしていくか。その発想も必要。電力会社がつぶれてしまったら再生可能エネルギーもたちゆかない。難しい問題ではある。」


※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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