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脱原発世界会議報告(1)

2012/01/25 16:30
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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2012年1月14-15日にパシフィコ横浜で開催された脱原発世界会議に取材出席してきたのでその報告をします。


取材受付終了。 


今日だけでこれだけセッションがある。 





開場直前の行列

受付風景



開会式。
オープニングに被災、原発事故の映像。


野中ともよさんの挨拶。ボランティアの運営であるということと、予想以上に多くの当日券希望者が出たことから開会が遅れていることへのお詫び。まだ外に400人並んでいるためと。。まず全員で黙祷。


前福島県知事 佐藤栄佐久氏。福島は森、川、海が自慢だったのに、今はその森、川、海と立ち向かっていると。


欧州議会議員 緑の党 レベッカハルム氏。力強い振り絞るような講演。同時通訳を拒絶するように一語一語区切って話す。

福島が欧州を変えた。ドイツの世論は大きな影響を受けた。脱原発を決めても電気料は上がっていない。なのに日本はどうなのか。世界の政治家は、もしも脱原発を拒めば政権を失うことを知るべきであると。



怒りで声が震えている。福島の理解し難い避難状況(前日の13日に海外ゲストは福島を視察している)。福島の人たちが苦しんでいる。子供達が差別されている。自分は日本から明日帰るがこのままでは立ち去り難い。



「独立系の専門家を集めて共に学ぶ体制を作ってください。福島の市民を助けるため。未来を築くため。」 

心に響く。 血を吐くホトトギスを思い出した。言葉は礫になると言語を超えるのだ。万雷の拍手。


インターミッションでは、パフォーマンス集団「風音」の獅子舞パフォーマンスも。


オーストラリア非核連合共同代表 ピーターワッツ氏のスピーチ。「ウランを掘るな」


英国がピーター氏らアボリジニーの土地で核実験。放射能が降り注いだ。日本に強いシンパシーを感じている。オーストラリアには世界のウランの1/3が埋蔵と。

 オーストラリアのアボリジニーの土地から掘られたウランが東電に売られあの事故を起こした。愕然とした。本当に申し訳ない気持ちを伝えに来た。
連帯すれば乗り越えられる。福島の人、一緒に頑張ろうというメッセージ。 

悪くない。悪くないよ。あなたたちは。。。。

ピーターワッツ氏自身も英国の核実験のために被曝していると言う。遠くアボリジニーと福島原発、ウランとの関係など考えたこともなかった。ショックを受けた。

※ピーターワッツ氏によれば採掘されたウランによってアボリジニーは殆ど経済的代償は受け取っていないというう。



広島被曝医師 肥田舜太郎氏  「広島から福島へ」 


被曝体験とその後の治療活動の悲惨な経験を伝える。

広島以後、占領軍は被爆者にも医師にも硬く機密を守れと強制した。これによって放射能被害が知られぬことに繋がった。広島のウランと長崎のプルトニウムを混ぜたものが福島の被害。医師として大変なことが起きると思うと言い切った。

脱原発世界会議には数々の名スピーチが生まれたが、この肥田氏の絶叫のようなスピーチもその一つ。原爆体験世代からの直接のメッセージ。会場が静まりかえっていた。


日本が原発を輸出しようとしているヨルダン国会議員 モオタシム氏。ヨルダン国民は日本との原発プロジェクトに反対している。多くのデモが行われている。そのことを伝えに来た。ヨルダンには冷却用の水がない。資金もない。電力は安くなるかもしれないが人(の命)は安くないのだと。


続いて福島県郡山市から来た子供たちと母親のプレゼンテーション。


福島から来た小学4年生、富塚悠吏君の訴え。

 「国の偉い人達に言いたいです。大切なのは、僕たちの命ですか、

 それともお金ですか。僕は病気になりたくはありません。僕には

 将来の夢があります。科学者などの専門家になって環境にやさしい

 エネルギーの開発や何か人の役に立つ仕事をしたいです。

 その夢を叶えるため、僕は健康に暮らしたい。絶対死にたくありません。

 皆さん、子どもたちも原発は要らないと思います」


これだめだ。。。来てしまう。

母親参加者のスピーチの間も、唇を噛みしめていた富塚君。




次のセッションは「福島原発事故で何が起きたのか」

場内満席。原子力資料情報室共同代表 伴英幸氏、ドイツ 原子力安全委員会元委員長 ミヒャエルザイラー氏、「米国から見た福島」 憂慮する科学者同盟 エドウィンライマン氏 。





ライマー氏

「世界中の科学者たちの間で、今回の事故は日本の不準備のために起きた特殊なことだという「風評」が広められている。しかしそんなことはない。」

「福島で起きたことはアメリカでも起こりうる。米国は自然災害に対しては日本より準備がない。」

「米国では16km以内で避難計画とヨウ素剤を配るというのがNRCの対策。しかし福島を見れば16kmでは全く足りないということがわかった。現実には80kmの避難を強いられた。(それどころか我が国は!!!)」



会場からの質問は多岐にわたった。 広範な質問ばかりで登壇者にこれを聞くというのはハードなものも。。


「東京まで避難が拡大すら可能性はあるか」

伴氏

「4号機の使用済燃料の状況によりありうる」

ザイラー氏

「細かいことがわからないと言えないが水を入れられなければ4号機の燃料は溶融するだろうが細かいデータが必要」

「ドイツの状況について。(質問に答えて)事故前ドイツ産業界は日本とドイツの技術が最高と考えていた。事故後には主要5つの政党が全て脱原発に賛成票。原子力業界の力は一夜にしてゼロに近くなった。」


ライマー氏

「アメリカの情報公開法により公開された爆発が地震により起こされたとする日本の原子力委員会から米国にうたれた手紙が公開された。」

津波によって破壊されたのかそれとも地震によるものなのかと激しく国内では論争になっているが、原子力委員会はあっさりとアメリカに対しては「地震のせいである」と報告していたことになる。

写真が映し出される。



会場から少し動揺した質問というか思いの発露が次々となされた。

「話を聞いていてとても怖い]

「福島の子供たちを何とかしたい」

「4号機が心配だ。」

「燃料棒は本当に何本あるのだろうか」

「日本政府の対応の問題」

「4号機のコンクリートの寿命問題」


ザイラー氏 (コンクリート回答が詳細専門的でちょっと再現できないが)

現在の段階で原発に近づいて調査もできない状況であり、コンクリートの耐久性について一般的な議論はできない。


「原子力業界と学者などの癒着の問題」

ザイラー氏
「ドイツでも議員や研究者と原子力業界の癒着は問題になった。研究者は原子力推進派。批判的な研究者には予算はやはりなかなか出ない。日本と状況は似ている。しかし研究者も市民やメディアに対しても説明が必要となり、結局は姿勢を変えざるを得なかった。

ライマン氏
「アメリカの報道では売れるデータが求められる。スポンサーの言いなりになりがち。個人記者が契約を破棄されることもあり地道な活動が妨げられることがある」

「日本の政府は放射能汚染に関する十分なMAPを作っていない。蓄積に関する徹底的な調査を公開していないのは問題。そのデータは有力な力になるはずだ。一体何を基準にストレステストなのか?何を基準に市民を守る?が明確ではない」


ザイラー氏
「政府にもっと徹底的な汚染調査をさせるべき。まずγ線。次にα線やβ線。普通は一年立てば下がる。それが正常だが新たな飛散がなくても大雨で放射性物質が町に出てくれば上がることもある。チェルノブイリの後特に強調されたのは生態系の被害についてである。それももっと徹底的に調べる必要がある」

会場から上がった質問は理性的な答を期待しているというよりも悲鳴に近いもの。遠く海外から来ているゲストにそれを聞いても。。というものが多くあったが、それほどの不安が会場を包んでいることがわかる。自国政府にここまで不信感ある我らは外から見たら異様かもしれない。

咳払いもためらわれるほど静まりかえった瞬間が何度もあった。これほどの緊張感のある公開セッションというのは過去の記憶があまりない。

海外ゲストがすごい情報を持っている場合があって耳をそばだてるけど残念ながら同時通訳が今一つ、ついていけてない。専門的で難しいのはわかるんだけれど、ちょっともったいない。



会場外はメインホール整理券をもらうための列でごった返している。



OurPlanetTV 白石さん発見。 



ブース散策中





どこでやってるマップ 



提案の木:




近くのお店で昼食。

何だってこの店はさっきからお客がみんな食事しながら放射能の話ばっかりしてるんだ!!というくらい(苦笑) 各所で、原子力の話。放射能の話。避難の話。

1日目の報道に関する情報が入る、東京新聞は一面トップのほか、28面・31面にインタビュー記事など充実、朝日は時事で。日経は共同横流しのベタ記事。読売・産経は無視と。


※2日目に続く


※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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