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東電・原子力安全・保安院の共同会見からフリージャーナリスト締め出しでUST中継も危機。

2011/04/24 13:30
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殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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 これまで別々に行われてきた東電と原子力安全・保安院の会見が25日から統一して福島原子力発電所事故対策統合本部の共同会見として毎日午後5時から開かれることになった。これ自体は結構なことだと思うが、従来Ustreamなどで精力的に会見を伝えてきた、岩上安身氏(@iwakamiyasumi)のIWJほか、一部のフリージャーナリスト達が閉め出される可能性が高くなり、批判の声が高まっている。これによって場合によっては会見のUST中継も行われなくなるかもしれない。

原子力安全・保安院の出した

福島原子力発電所事故対策統合本部の共同記者会見の実施についてによれば

なお、本記者会見には、下記の方々のご参加が可能です。

1 日本新聞協会会員
2 日本専門新聞協会会員
3 日本地方新聞協会会員
4 日本民間放送連盟会員
5 日本雑誌協会会員
6 日本インターネット報道協会会員
7 日本外国特派員協会(FCCJ)会員及び外国記者登録証保持者
8 発行する媒体の目的、内容、実績等に照らし、1から7のいずれかに準ずると認め得る者
9 上記メディアが発行する媒体に定期的に記事等を提供する者(いわゆるフリーランス)

メディアの方々は、別紙に記載された所定の手続きを行い、事前に登録してください。(原子力安全・保安院の HP にも掲載されております。)なお、参加する方は、報道倫理を厳守するとともに、入館手続きや施設内での移動・取材などに当たり、職員の指示に従ってください。職員の指示に従わない場合等には、退出していただくこともあります

とされており、今のところ岩上氏のIWJ(フリージャーナリストとしての岩上氏個人は出席できる見込み)のほか、「田中龍作ジャーナル」の田中龍作氏(@tanakaryusaku)、ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)こと日隅一雄氏(@yamebun)、フリージャーナリストの木野龍逸氏(@kinoryuichi)、上杉隆氏(@uesugitakashi)らが中心となっている自由報道協会などはこのリストから漏れる可能性がある。いずれもこれまで精力的に原発問題に関して報道、発言してきたジャーナリスト達である。

このうち、24日本日現在、田中氏には、はっきりと「出席却下」の連絡が来ており、IWJに関しては岩上氏の抗議に対して保安院は「どういう会社か、実績があるのか、判断する。会社の概要、ページビューなどを提出してください。多くの人に情報伝しているかどうかが、判断基準」と回答されたという。(岩上氏ツイートより)

IWJは3月の1ヶ月間だけで、ページビュー261万9182、総合視聴回数377万1199、番組時間648時間。のべ377万人のユースト視聴者を持っており(岩上氏)、既に原発関連のニュースを知るための重要なメディアとなっている。保安院の「判断基準」が彼らの言う通りであれば十分に資格を満たしているはずだ。これが今後失われるなら、国民の知る権利が大幅に失われる可能性があるのみならず、「気に入らないメディアは出席させない」という発表側にとって都合のいい慣行が成立する可能性もある。

これに対しては既存大手メディアからも批判の声が上がっている。時事通信は

東電によると会見にはフリージャーナリストも参加可能だが、参加の可否は保安院が審査するといい、批判の声が出そうだ。(記者会見、25日から一本化=東電、保安院など-福島第1原発事故 時事ドットコム

と報じ、またNHKアカウントの一角でありながら自由なツイートで知られる@NHK_kabunは

「東電のリリースを読むと http://bit.ly/hUqw0R 雑誌、ネット、海外メディア、フリーに門戸を開くことは明記されています。報道規制という反発を慮ったのでしょう。明記したからには厳守する義務があり、運用を監視する必要があります。」

とこれも警告を発するツイートを連投している。

希望者全員に記者会見を公開するということは確かに物理的に難しいかもしれないが、メディアの取捨選別を、発表からわずか1日半程度の時間で発表者側である保安院が行うというのは、よほどその基準が公正でなければ批判されてもしょうがない。

保安院の西山審議官が会見で口にした「会見に参加するのにふさわしいかどうか、見させていただく」という発言から判断するなら保安院は基本から間違えている。会見はメディアが頭を下げて審査していただき、出席させていただくようなものではない。国民に対して可能な限り最大限の情報の公開に務めることは、保安院側の権利ではなく義務なのだ。都合のいいメディアを選別する権力を国民は彼らに与えていない。

保安院には方針を再考し誰にも明確な公正な基準の公開を行うことを強く求めたい。


【追記3】25日 01:09
岩上氏より次のツイートがなされた。とりあえずは良かった。

先ほど、上杉暫定代表と電話で話。現時点で、自由報道協会のメンバーは、フリーもネットも、全員、統合本部の会見に入れることに。我々IWJも、私以外のスタッフを含めて、会見参加が認められた。間違いなく、多くの方々が声を上げてくださったからだと思います。この場を借りて、御礼申し上げます。
http://twitter.com/#!/iwakamiyasumi/status/62121520134234113


【追記2】24日 15:09
内閣審議官 下村健一氏のツイート
東電やら保安院やらが別個に(しかも度々同時刻に)会見すると、人手の少ない市民メディアにはカバーしきれない。同席なら「今の東電の説明について、保安院さんの見解は?」といった即座の突っ込みもできる。全体として情報提供にプラス、と思っての統合なのに、排除強化なんて意図と逆!
http://twitter.com/#!/ken1shimomura/status/62015826479419392

【追記1】24日 13:31 
田中龍作氏のツイートによれば河野太郎議員からの情報で「細野豪志首相補佐官と話をしました。記者会見はフリーのジャーナリストにも開放されます。ただし、これまで全く報道の実績もない人はべつです。上杉さんも自由報道協会もOKで」という話がある。注目。
http://twitter.com/#!/tanakaryusaku/status/62007301569122304




【参考】
※日本インターネット報道協会の会員は現在次の5社のみである。(株式会社ジェイ・キャスト/日本ビデオニュース株式会社/日本インターネット新聞株式会社(Japan Internet News Co.,Ltd.)/株式会社ドワンゴ(DWANGO Co.,Ltd.)/株式会社ライブドア(livedoor Co.,Ltd.))

東京電力、保安院、それぞれの「個別の会見」についてはこれまで通り毎日定時に、これまで通りオープンに開催されるという。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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