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公職選挙法とネット解禁とTwitterーFirst Penguinとなる勇気を。

2009/06/17 14:54
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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Twitterで国会中継などをして話題になっている民主党の逢坂誠二議員が、総務省に選挙期間中のTwitterへの発信の可否について問い合わせを行ったということで、一部で話題になっていた。まだ電話回答のレベルだが、書き込み自体はともかく、選挙に関連のある書き込みは控えてもらいたいというような見解だったそうだ。(正式な回答は同議員がブログで公表するとしている。詳しくは文末の同議員のTwitterTLへ)これまでの総務省の見解の延長にある回答であり、何ら新鮮味はないが、公職選挙法とネット利用についての基本的な関係をここで自分の知る限り、まとめておきたい。この問題は何年も前から議論されているところだが。
周知のように、選挙期間中にはブログやホームページの更新は基本的に禁じられる。とされている。
「とされている」と書いた理由は、公職選挙法には、言うまでもなく選挙活動にネット使用を禁じる条項はないからである。これは総務省の見解である。

禁止の具体的な根拠とされているのは、次の条文である。

(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)

第 146条 何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第142条(文書図画の頒布)又は第143条(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。

(選挙運動放送の制限)

第151条の5 何人も、この法律に規定する場合を除く外、放送設備(広告放送設備、共同聴取用放送設備その他の有線電気通信設備を含む。)を使用して、選挙運動のために放送をし又は放送をさせることができない

ホームページやブログはこの条項における、図画の頒布もしくは放送にあたるというのが、総務省の解釈である。以前、東京都知事選において、YouTubeの選挙活動が問題になったときには、「特定の候補者の政見放送だけが自由に閲覧できる状況は不公平」というクレームにより、「意見」を表明している。逢坂氏を含めて候補者としては、選挙前に無用な軋轢を総務省と起こしたくない。それは理解できる。従って、運動の仔細について選挙管理委員会を統括する総務省の「指導」を受ける形になる。

しかし、待ってほしい。Webサイトや、ブログが図画もしくは放送にあたるという、公職選挙法の解釈は誰が行ったのか。言うまでもなく、公職選挙法は、これらの新しいメディアの存在を想定していない。どう考えてもこれら図画に、Webはもちろんのこと、Twitterまで含めて考えるのは、総務省の拡大解釈である。候補者も思い切って選挙後に法廷闘争するくらいの勢いで、この壁を越えてしまえばいいのであるが、なかなかそこまで覚悟してこの問題に関わる議員はいない。

法改正に反対する勢力もあるという。主な理由はネットを解禁することで反対陣営への誹謗中傷などがエスカレートするのではないか?との懸念もあるように聞いている。しかし、考えてみれば、それらの行為は爆弾と呼ばれる印刷物の配布や、耳をもふさぎたくなるような大音量の宣伝カーによっては、すでになされている。反論や例証のチャンスのあるネットに比べて著しく許容されるいわれはない。

果たして、総務省の解釈で、WebやTwitter、さらにはSNSやVirtualWorldでの発信にまで、この条文を拡大解釈して制限を加えることが許されるべきだろうか。総務省は、自らで判断できなければ、一刻も早く立法府に法案の整備や改正を提言するべきではないか。

総選挙も近い。候補者諸兄におかれては、将来の法改正は必須であるとしても、現行の公職選挙法の解釈について、今回は、徹底的に総務省の見解を引き出すような努力をしていただきたい。これらは以前の総選挙の時から問題になっていた事項である。言うまでもなく、これらのメディアを使いさえすればなんでも正しいといわけではない。だが、国民の多くがネットによって候補者の政策や人物に直に触れることを望んでいることは、調査をするまでもなく明らかな事実である。いまさら、オバマ大統領の選挙戦がどのようであったかに触れるまでもなく。だ。

ファーストペンギンとなる勇気を。

【参考リンク】

逢坂議員のTwitter
http://twitter.com/seiji_ohsaka

都知事選で選管が映像削除要求---ではYouTubeに公平に投稿したらどうなる(BigBang)
http://ultrabigban.cocolog-nifty.com/ultra/2007/04/youtube_91f4.html

 

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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