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最後のそして最大の賭け。マイクロソフトがヤフーに4兆7000億円の買収提案。

2008/02/02 01:37
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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今夜、目を剥くような大ニュースが飛び込んできた。マイクロソフトが、446億ドル(4兆7000億円)という巨額の買収提案を、ヤフーに持ちかけたというのだ。

通常企業買収は、確定するまでは極秘裏に進行する場合がほとんどである。特に今回のような巨額買収の場合、買収のニュースが流れるだけで株価に著しい変動があり、買収先の企業の総資産価値をあげてしまい、買収そのものが困難になることがあるからだが、今回のニュースは、メディアのスクープやリークではなく、買収元のマイクロソフト自身が公表したところに、確からしさがある。

マイクロソフトの正式な声明はここで読むことが出来る。

“We have great respect for Yahoo!, and together we can offer an increasingly exciting set of solutions for consumers, publishers and advertisers while becoming better positioned to compete in the online services market,” said Steve Ballmer, chief executive officer of Microsoft. “We believe our combination will deliver superior value to our respective shareholders and better choice and innovation to our customers and industry partners.”

「我々はヤフーに対して多大なる尊敬の念を抱いている。そして我々は手を携えて、オンライン検索市場の競争で優位な立場を獲得することにより、消費者のために、出版者のために、広告主のために、遥かに魅力的なソリューションを提案することができるのである。」とスティーブバルマーは述べている。
「我々の統合が、我々の株主にとっても優れた価値をもたらし、そして顧客やパートナーにとってもよりよい選択と改善の機会を与えることを確信している。」とも。(訳:筆者)

また

 Microsoftは株価低迷に悩まされてきたYahooの株主たちに、1月31日の終値19.18ドルに62%のプレミアムを加えた、1株あたり31ドルを提案している。(CNET Japan

 

ヤフーの株主達にとって、62%という破格のプレミアムの提示は相当に魅力的であるはずで、この発表によってむしろ買収交渉に追い風になるとみたのか、という判断が働いたのかもしれない。

インターネット調査会社の米Hitwiseが2008年の1月8日に発表したところによれば、2007年12月中の4週間のデータで米国での検索市場におけるグーグルの市場シェアは66.0%に達しており、同期間のヤフーのシェアは20.9%、MSNが7.0%、Ask.comが4.1%であり、米国の検索市場はこの4社の寡占状況であるという。

また、世界市場では、comScoreが2007年12月の検索件数をベースに「世界検索エンジンTOP10」を発表しているが、首位のグーグルのシェアは62%。また第2位ヤフーは13%で首位に大きく水をあけられている。ランキング第3位はマイクロソフトではなく、中国の百度(5%)であり、4位にやっとマイクロソフト(3%)が入る。(→参考

日本のヤフーへの影響も気にかかるところであるが、日本の「ヤフー」はソフトバンクが約41%の株を保有する筆頭株主。米ヤフーは約33%の株を保有する第2位の株主である。思惑買いは、日本ヤフーはもちろん、ソフトバンクの株価にも影響を与えると思われるが、すでに日本ヤフーの好決算を背景にして買い込まれている、同社が第2位の株主であるGMOなどにも影響は波及することだろう。

またこうした見方も。

確かに、MicrosoftとYahooが合併することで得られる資産の組み合わせは、多少なりともショッキングではある。MSN、Yahoo、 Flickr、Zimbra、そして、他にもある多くの資産が一つ屋根の下に存在することになる。だが、大きな質問もある。Microsoftは、それらすべてを管理できるのか?(CNET Japan

マイクロソフトは「(グーグルとの)戦いはスケールの問題」と述べているとも伝えられており、検索市場とそれに連なる巨大なネット広告市場において、ここでグーグルに対抗するには、ヤフーの買収は唯一残った、そして最大の切り札であることは間違いないだろう。しかしながら、2つの企業の事業分野には重なる領域も多く、それらをどのように統合していけるのか、合併のメリットを最大限に生かすことが出来るのか。すでに合併を前提とした議論が出始めているが、果たしてどのような顛末を迎えることだろうか。

結果がどうであれ、久しぶりに訪れた、IT業界の大ドラマであることは間違いないだろう。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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