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インターネットを遮断したミャンマー軍事政権とブロガーの戦い

2007/09/30 21:13
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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ミャンマーの軍事政権は、ついに僧侶や一般市民の抵抗デモに対して発砲を行い、武力制圧に乗り出したが、現代における非常に象徴的な弾圧の形として、インターネット回線を遮断し、国内の状況を国際社会から遮断しようという、暴挙といってもいい振る舞いに出ている。ミャンマーにおける抵抗運動と情報システムの関連から、いくつかの整理を行ってみる。

デモなどの映像が海外に即時に発信され、国際社会のミャンマー非難を強める効果をもたらしている。軍政当局はこれに対し、邦人カメラマン、長井健司さんらが死亡した27日ごろから、ヤンゴン市内のインターネットカフェを強制閉鎖するなどし始めた。同国でのインターネットネット接続は厳しく統制され、通常でも不安定だが、さらに締め付けを厳しくしているもようだ。あるヤンゴン市民によると、28日にはインターネットが使用できない状態が続いた。
 電信を担当している政府関係者はフランス通信(AFP)に対し、海底ケーブルの故障によるものだなどと説明した。
このほかにも軍政のプロパガンダ掲載を拒否した新聞数紙が発行を阻止されたり、反軍政デモによる厳重な警戒態勢のため路上での販売ができなくなるなどの影響が出ている。9紙が発行を停止したほか、「Pyi Myanmar」紙が発行停止を検討している。一方で「Myanmar Times」は発刊続行を表明している。(
ミャンマーが情報統制を強化、ネットカフェ閉鎖
)

インターネットの遮断は、数少ないプロバイダーへの圧力のみならず、海底ケーブルを切断して、真に「遮断している」という情報もあり、まさかと思ったが、

邦人取材ジャーナリストが銃撃で死亡するなど、僧侶や市民らの抗議活動で混乱を極めているミャンマーのヤンゴンで、海底ケーブルの損傷のため主要なインターネット接続が切断された。米AP通信がヤンゴン発で報じたところによると、ミャンマーと外部を接続する公共インターネット回線が28日、切断された状態となっている。(ロイター:ミャンマー軍政、インターネットへのアクセスを遮断したもよう

遮断したのは、インターネット回線だけではなく、通信網全体にもおよび、携帯電話や通常電話も通じなくなっているらしい。元来、ミャンマーにおける抵抗運動の中で、当然ながらインターネットを使った活動、それもブログなどが非常に大きな役割を果たしてきたわけであるが、そこに対して軍部が今回非常に神経質になっているのがわかる。

このあたりの状況に関して、Global Voices(http://advocacy.globalvoicesonline.org/)に掲載されたMyanmar: Internet Blockedという記事が詳しかったので翻訳してみた。急ぎの稚拙な翻訳であるので、できれば原文にあたってほしいが、抵抗運動を行うブロガーと軍部との間で、現在も熾烈な水面下の戦いが繰り広げられていることがわかる。

抵抗活動は従来、ミャンマーのブロガー達によって支えられている部分が大きかった。その結果、ミャンマーのブロゴスフェアは多くのニュースや写真で埋め尽くされていた。そのために、ミャンマーの軍事政権は怖気づき、政治的なブログのみならず全ブロガーの活動を制限するようになった。 ブロガーの中にはproxyを通じて発信したり電子メールを代用することで活動を続けている人もいる。

事態を一層悪化させたのは、ミャンマーの主要なISPであるBaganNet(Myanmar Teleport)が「メンテナンス上の理由」と称してサービスを停止させられたほか、ほとんどの通信サービスにおける、主要なISPが打ち切られるか弾圧を受けている。

海外との情報の流れは厳しく監視され、アマチュアカメラマンは当局の監視体制に対して極めて警戒をしなければならない状態になっている。

ブログのポスト数は最近極端に減ってきた。にもかかわらず、海外に何とかコンタクトをとろうとして、ミャンマーの国内で何が起きているか、最新のニュースを世界に伝えるためにベストを尽くしている、自由を愛するブロガーがまだいることは我々にとっての大きな希望である。その中でも、Niknaymanは、Cbox(ブログコメントボックス)の機能を使って生のミャンマーのニュースを伝えることで傑出した働きをしている。

そのサイト
http://niknayman.cbox.ws/

は、何千というアクセスを集め、海外にとってのミャンマー国内の主要なニュースソースの一つになっている。彼のCboxの有用性と人気は急速に高まり、いくつかはグローバル版として英語版のクローンとなって

http://burmanews.cbox.ws/

を生み出している。
その中での今日の記事から。Ancient Ghostが、yangonの情報遮断についてレポートしている。

「インターネットカフェは閉鎖されている。ミャンマーのMPT ISPと、Teleport ISPは、今朝からYangon、Mandalayでインターネットへのアクセスを遮断した。軍事政権は、ビデオや写真、そして彼らの暴力的な行為に関する情報も阻止しようとしている。私が友人から聞いたところでは、昨夜軍がTraders and SakuraタワーのオフィスでPCの捜査を行った。というのも、ダウンタウンで起きた出来事の多くが、高層オフィスの屋上から撮影されたりしているからだ。GSMの携帯電話回線と通常電話回線も切断され、国内の連絡も非常に困難な状況になっている。GSMのショートメッセージサービスも動いていない。まさにビルマは暗黒の状況だ!!」

Dr.Lunのブログは、最新の写真に関するもう一つの大きな重要な情報源であるが、最近タイーミャンマー国境の付近の宗教団体が組織した祈りの活動の写真をブログに流した。

ブロガーのYan Aungはメディアキャンペーンを提案している。彼の狙いは、1年以内にビルマを解放することである。彼の計画によれば

・ミャンマーのブロガーがblogspot.comの制限を克服するのを助ける
・将来のブログ活動のためのWordPressのプラットホームを機能させること
・YouTubeなどを通して、世界にミャンマーで流れている血について知らせること。
・NewYork Timesや朝日新聞、ワシントンポストのような主要な出版エージェントに対して、報道写真を提供すること

彼はまた、抵抗活動のためのファンドを組織しようとしていて、多国語の翻訳者に対して翻訳を要請し、国際的なメディアに対して有効な情報活動ができるよう試みている。

Global Voices:Myanmar: Internet Blocked 翻訳:BigBang)

その他、ネットにおけるドネーションの仕組みを使って、抵抗運動をサポートしようという組織も急速に立ち上がりつつあるという。ある意味で今回の事件は、強硬な武力政権によって、市民の命や自由が脅かされた時、そして海外へのネットワークを軒並み断ち切るという振る舞いに出てきたときに、我々ブロガーに一体何ができるのかという、重要な事例を提供しているとも考えられる。

言うまでもなく、良心も試されているのだが。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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