今日はGoogleのAdWordsやOvertureのスポンサードサーチなどのいわゆるスポンサーリスティングについて考えてみようと思う。
一番最初のエントリーでお話した通り、検索とはコミュニケーションのきっかけを作るものだ。最終的にユーザーはどこかのページへ飛んでいき、そのサイトにメールしたり、電話したり、直接あったり、何かものを買ったりする。(もちろん単に読み物を読んでおしまいということもある。)
スポンサーリスティングの本質はコミュニティーだと思うが、それは私はサーチエンジンを「ユーザーと広告主が出会う場」ととらえているからだ。
もちろん先鞭をつけたのはOvertureであるが、その仕組みを真のコミュニティーにまで発展させたのはGoogleである。GoogleのAdWordsはクレジットカードさえあれば誰でも簡単に広告が出せる。インターネット上でのコミュニティーの特徴とは、仕組みさえ用意すれば勝手に利用者が増える、コンテンツが増えるということである。
この場合、コンテンツとは大量のAdWords広告である。AdWords以前はインターネットに広告を出すにはどこかの代理店に接触するか、広告出稿したいメディアに直接コンタクトするしかなかった。それがウェブからクレジットカード一枚でポンと広告が出せるようになった。
当然、全く関係ないキーワードにターゲットして広告を出すようなことはGoogleでもOvertureでも出来ないので、ここでも関連性(Relevancy)がキーとなる。関連性の高い広告はユーザーにとっても貴重な情報元となりうる。ランダムに出るようなバナーとは大違いの価値を持っている。
スポンサーリスティングはオークション
私の感覚ではスポンサーリスティングに一番近い仕組みはeBayやYahoo! Auctionなどのオークションの仕組みである。オークションは非常にニッチな興味対象の集まりで成り立っている。例えばある人には全く興味のないようなおもちゃの「ミニカー」が別の人達の間で高値で売買される。そんなものがゴマンと詰まっているのがオークションである。
スポンサーリスティングも一緒だ。ある人には全く興味のないキーワードに関連するものを売っている人がいる。キーワードはそれこそ十人十色であるといった通り、色々なキーワードで検索するユーザーがいる一方で色々なキーワードを買う広告主がいるのである。
試しに適当に思いついた言葉でスポンサーリスティングが出るかどうか試してみると面白いゲームになる。
そこで私が思うに、eBayやYahoo! Auctionでオークションの検索やカテゴリの中でスポンサーリスティングのような広告を売れば同じように売れるだろう。広告は本来のビジネス(手数料収入)とは違うため、オークション企業にとってはなかなか踏み込みづらい部分ではある。しかし、ターゲットされたユーザーが集まる場所としてはスポンサーリスティングとの相性は抜群に良い。
もちろんウェブサーチというニーズはなくならないので全てのパイ(広告主)がオークションサイトに流れるというわけではないが、オークションには本業の仲介業以外にもスポンサーリスティングのポテンシャルを感じる。
Googleがオークションをやることもあるかも?
オークションとはインターネットの特徴をフルに活かしたキラーアプリケーションであるので、もしかしたらその全く逆が起こるかもしれない。つまりGoogleがオークションをやるという可能性も少しはあるのかも知れない。
最近のGoogleの動きを見ていると検索以外にも様々なベータバージョンのアプリケーションを発表している。GMail, Froogle, Google News, Orkutなど色々ある。一つの試みとして検索の切り口から捉えたオークションのあり方のような試みをしていてもおかしくないだろう。
もちろん、オークションは検索と違って非常にstickyなサービスなのですぐにeBayのライバルになるというようなことは想像できないが。。。Googleのエンジニアに与えられた25%の自由時間を使って誰かが作っていてもおかしくないだろう。
-inoue