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Googleのバナー広告

2004/05/19 15:30
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プロフィール

inoue

1998年からポータル会社のエンジニアリングのトップとして業界を見続けてきた井上俊一さんが、サーチエンジンの本質について考え、業界を取り巻く状況について独自のコメントを行います(このブログの更新は2004年5月31日で終了しました)。
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先週Googleがバナー広告を手がけることが報道された。なぜ今さら、と思った人も多いではないだろうか。

グーグル、バナー広告の配信を計画, CNET Japan, 2004/5/13


グーグルのブランド広告進出--料金体系に同業他社から不満
, CNET Japan, 2004/5/18

Google Adds Banners To AdSense and AdWords, MediaPost, 2004/5/14

一番詳しいMediaPostの記事に沿って中身を見ていこう。

まず背景としてAdSenseの利益の占める割合が思ったより高いことが上げられる。全体の21%にもなるのだ。AdSenseへのバナー広告掲載はなるべく早くコンテンツ・ターゲティング広告の分野で強固な足がかりを作りたいとの動きだと見て良い。

Contextual placement on participating publisher sites accounted for 21 percent of Google's net revenue in the first quarter, a 12 percent increase over the same period last year. The new move suggests that the Mountain View, Calif.-based company is serious about establishing an early toehold in the rapidly evolving contextual marketing sector.

バナー広告配信の仕組みは次の通りだ。

According to Kamangar, Google's AdWords ranking program will determine whether image or text ads will perform better based on an analysis of previous ad performance. An automated AdSense program will then determine keyword relevance, and the best match will be served. Kamangar says that each display ad will be the equivalent of four text ads. Google will decide whether four text ads perform better than a single display ad. "We'll only show image ads where they will deliver more clicks than text," Kamangar says.

つまりバナーまたはテキストのどちらを出すかはGoogleがパフォーマンスに基づいて自動的に行うというのだ。Googleはクライアントの要望に応じてバナーを開始するとしているが、従来のAdSense, AdWordsのクライアントからの意見であるなら本来のバナー市場とは少し離れているような気がする。

どちらかと言えばAdWords, AdSenseは代理店経由よりもオンラインでのクライアントが多いのではないかと思う。またクレジットカードさえあればいつでも始められるという所もまさにインターネットらしい所だし、数ある小規模ECサイトやリアル店舗の格好の広告媒体となっている。

しかし同じ手法でブランディング広告市場からお金を稼ごうと思っているならちょっと違うんじゃないかという気がする。次の文章に問題点がよく表現されている。

While the addition of display ads offers advertisers the ability to have a kind of Google marketing mix, advertisers will have no control over when, where, or if their graphical image ads will be shown. Lack of advertiser control has been a source of frustration in the past for Google's AdWords customers.

Googleはシステムによる自動化ゆえに、クライアントの細かい要望に応じることは出来ない。
まさにそれがインターネットらしさ、Googleらしさたるゆえんなのだが、それゆえに取れない広告主もいるということを忘れてはいけない。

パフォーマンスよりブランディングを意識するクライアントから見ると例えば次のような問題がある。

  • テキスト広告で一番上に出したいのだが順番が勝手に変わる。
  • 予算はあるのだがクリックされないと消化されないので、使い切ることが出来ない。
  • AdSenseはどこに出るのか分からないので、例えコンテンツ・ターゲティングという技術を使っていても気持ち悪い。
  • 逆に出したいメディアを指定して出すことも出来ない。

とにかくクライアントからはコントロール不能になるのがAdWords, AdSenseの特徴だ。それをよしとするクライアントが買っているのが現状だろう。

GoogleはAdSenseを通じて大規模なメディアバイイングをする広告配信会社になったが、それはコンテンツ・ターゲティングという技術が軸にあり、オンラインクライントが見込めたからこその戦略である。

もし、Googleが狙っているマーケットがブランディング広告だとしたら、現在の延長線上ではそのようなクライアントは取れないだろう。IPOのプレッシャーもあり競合分野で抜きん出たい気持ちは分かるが、バナー広告配信は「軸がぶれた」というのが私の率直な感想だ。

クライアント層は同一で単に広告の表示オプションを増やしたと理解するしかないだろう。

-inoue

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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