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「就職する」ということ

2011/02/04 12:00
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プロフィール

大家正巳

そりゃまあ色々ありますが、どうせ愚痴るくらいなら、いっそ書いて公表してしまおう!ということです。
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 有効求人倍率0.57。大卒内定率68.8%


 厳しい時代です。
 「学生が大企業ばかり希望するからミスマッチが起きている」などとも言われますが、ここ数年の急速な雇用状況の悪化は間違いのないところで、新卒だけでなく、全ての求職者にとって厳しい状況であることは確かでしょう。


 しかし、この状況、単に「景気低迷による雇用制限」だけが原因なのでしょうか?「景気が回復すれば元に戻る」ものなのでしょうか?


 私には、どうも何か大きな時代の変化が動いていて、この「異常なまでの就職氷河期」も「変化に伴う歪み」の一つにすぎないように思えます。


 というか、そもそも。
 「最終学歴終了後、ブランクなく『期間の定めのない雇用契約(正社員契約)』を企業と締結しなければならない」という、いわゆる「新卒至上主義」が、なぜ今までこれほど神格視されてきたのか、よく考えるとその方がよほど不思議に思えてくるのです。


 かつてこの国は「もっとも成功した社会主義国家」と揶揄されました。


 一括新卒採用で終身雇用、全体主義で家族的な「会社」組織、「護送船団方式」に代表される横並び大企業群とそれを守る国の制度などなど、「日本型」独特の風習がたくさんありました。


 今は、その「日本型構造」が、経年劣化とビジネスの国際規模化で瓦解し、大急ぎで「『新しい日本型』の基本設計」を模索している時代です。昨今の、あまりにも大きな「求人と雇用のミスマッチ」もその現象の一つなのでは、と。


 ここで忘れてならないことがあります。「新しい日本型」を作り上げるのは決して政府などの「お上」ではなく、社会構成員全員、つまり「すべての人々、我々全員」であるこということです。
 「新しい時代」は、誰かが作ってくれるのを待つものではありません。自分たちで作り出すものです。変化期では「これまでの尺度」にとらわれず、「新しい尺度作り」に大いに参加すべきです。


 「仕事に就く」という分野においては、「新卒で大企業に入社するのが一番望ましい」とか、「とにかく正社員になれば安心」という考え方にとらわれるのは、もうそろそろやめても良いのではないでしょうか?就活中の若者だけでなく、すべての立場の人々が、です。


 「そんなこと言っても、こんな時代に安定を望むのは当然だろう」という意見もわかります。しかし見るべきは過去ではなく未来です。今までは確かに「大企業の方が安定している」とか、「給料が高い」ということは言えたかもしれません。しかし時代の変化スピードを考慮すると、「10年後も同じ」という保証はまったくどこにもありません。(というか、前例踏襲とリスク回避にばかり注力する昨今の日本の「大企業」の実情を考えると…(以下略))


 また、企業の価値とか社会での役割とか、仕事の充実とか自分の立ち位置とか、若いころにはわからないことも多いものです。20代前半で「生涯の仕事」を決めてしまうのではなく、いくつかの職業を経験しながら、時には失業期間を乗り越えつつ、「ゆるやかに職業人化する」というプロセスの方が、ごく自然な人生だと思うのです。


 


 「夢を持て」という言葉が、あまり好きではありません。


 子供向けTVアニメの世界とか流行歌の歌詞の中で、なんかもう強迫みたいに繰り返されますが、「子供のころから『大きな夢』を持ち、必死に追い求めるべき」だなんて、誰が最初に言い出したんでしょう。


 最初から群を抜いた才能を発揮したスポーツ選手や音楽家ならともかく、多くの人はそんなに明確な「夢」など持ち合わせていないのが普通です。あるとしたら、「○才までには結婚したい」とか、「少しは金持ちになりたい」とか、「いつかはお店を持ちたい」とか、「夢」というより漠然とした「望み」みたいなものでしょう。私だってそうでした。


 それで良い、と私は思います。
 そしてそれは、「仕事に就く」ということとは全く別次元のことなのだ、と。


 漠然とした「望み」があるならそれで十分。使い古しのハンカチと一緒にそれを右のポッケに突っ込んで、口笛吹きつつ気楽に街に出ればいい。たとえ行き先が、その場しのぎのアルバイトやハローワークだったとしても。ようやく手にした就職先が、希望の職種と全然違う、しかも無名の「中小零細企業」だとしても。


 まじめに前向き、かつ気楽に歩いていれば、いつか、ひょんなことが起こるかもしれません。今いる場所に生涯をかけるべき価値を見出すかもしれません。


 Take It Easy.
 私が好きな言葉です。


 近い将来、「就職」を取り巻く社会構造が様変わりした時、機嫌良く暮らしているのは、きっと雑草育ちの新しい世代と、これから伸びる新しい会社(現在まだ小さくて無名)なのではないでしょうか。
 たとえばこんな会社とか(笑)。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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