先週のDefcon、そしてLinuxWorldと、海の向こうではこのところ恒例のイベントが続いています。またIntel待望のx64チップ搭載サーバは、日本が一足早い発表となりました。
まず、日本時間では今夜から始まるLinuxWorld関連では、IBMが CloudscapeというJavaデータベースのオープンソース化を事前発表しています。管理はあのApache Foundationに委ねるとのこと。ただし「何でもオープンソースにすればメジャーになれるとは限らない」と少々手厳しいコメント付きです。
続いて、かなり前から予定されていたSuSE Linux Enterprise Serverのバージョン9も今回発表になります。カーネル2.6採用としては初の大型リリースということで、IntelのNoconaチップ搭載サーバのリリースと合わせ、64ビットチップ+対応Linux OSの時代の本格的幕開けといってもいいかもしれません。
一方、先頃x64ビットチップ対応のWindowsのリリースが遅れると発表していたMicrosoftも、ただ指をくわえて一連のイベントを見過ごすつもりはないらしく、さっそくWindows Server 2003で「いま32ビット版(と64ビットのハード)を買った人には、来年無料で64ビット版ライセンスを差し上げましょう」という(Mac用Officeではお馴染みの)プログラムを発表しました。
次に、Linux陣営に属するOpen Source Risk Management(OSRM)という団体が依頼して実施させた調査の結果で、同OSのなかには283件の特許侵害の可能性がある、との記事もありました。このうち27件はMicrosoftに所有権があるものということです。ちょっと不思議なのは「侵害したと知らなければ罪には問われない」という米国の法律で、記事中ではお伝えできませんでしたが、Linux Torbaldsもこうした論法を採用しているようです。また、具体的にどんな侵害箇所があるかもOSRMでは発表しないとのこと。
さて、この春にMicrosoftと「手打ち」をし、その直後に大きな人事の入れ替えを行ってから、Sunはいろいろとこれまでになかった奇策を打ち出しています(数の割に、株価はそれほど反応していないようでもありますが)。そのSunが今度は、「Novellを買収してSuSE Linuxを手に入れたら、IBMはどうなるか」などと言い出しました。若いCOO自身のブログでのコメントということで、本気なのか、ブラフなのか、いささか図りかねる部分が大ですが、いずれにしても、やっと業績が上向いたことに加えて、Microsoftから20億ドル近い和解金が流れ込んだことから来る余裕でしょうか、と穿った声も聞こえてきます。
最後に。このところiPodの絶好調で会社の業績以上に株を上げているSteve Jobsですが、ガンの摘出手術を行ったとのことで少々びっくりさせられました。Bill Gatesらと共に、この人の名声はエジソンやライト兄弟のように不滅になるかもしれないと、個人的にはそう思ったりもしますけれども、やはり人の子、生身の身体は不死身とはいかないようです。
今日の海外ニュースはざっとこんなところです。
明日はいったいどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。
それでは、また明日に。
(翻訳記事デスク)