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PBC(Performance Based Contracting)というモデル(1)

2010/05/31 07:00
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甲斐真樹

一人一人のコミュニケーションの間にあるモノ、その先にあるキッカケをどのよ うにして価値あるものにするか、おもてなしを科学するブログ。
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少し前に、デザイン会社IDEO社のソリューションの事例が話題になっていました。地下鉄の自販機の売上をアップさせるという目的のために、IDEO社は自販機をどのように「デザイン」したか?

地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法- Feel Like A Fallinstar
http://www.fallinstar.org/2010/04/ideo.html

それは「自販機の上に時計を置く」というただそれだけでした。
利用者の行動を観察した結論から、こんなソリューションを導き出したわけですが、これはほんとに素晴らしい、いかにも「発想する会社」IDEOらしいソリューションだと思いました。

私達も業態としては「Webソリューション」と呼ばれるような業態であり、ネットやIT周りの課題や問題を解決する=ソリューションを提供することを目的としてます。IDEOとは比較するのもおこがましいですが、同じソリューション会社として、このようなキレる「ソリューション」というのは純粋に羨ましいです。

ただ、一方で、私はこの事例を知ったときに、こういった発想を業務として提供できるようになるためには、私達が今やってるようなお金の取り方、ビジネスの仕方では難しいのだろうなと思ったのです。

仮にこの要望に対して発注者がいたとしてます。IDEOもデザイン会社として、デザイン費用とかデザインの制作費用でお金をとるようなビジネスの仕方をしてたら、この「時計を置く」という解決策では、ほとんどお金をとることができなかったのではないでしょうか。
(もちろん、IDEO社は、「解決策」の実行のところだけでお金をとってるわけではなく、その前段階での調査やプランニングでもビジネスにしているでしょうから問題はないとは思うのですが)

同じようなケースは、「Webソリューション」という業務でもあります。「ソリューション」と語るからには、お客さんに提供するのは「解決」なはずです。しかし、ほんとどの場合、お金をもらうところは、解決しようとしてる課題や目的のほうではなくて、そのための「手段」の方になっていることが多いのではないでしょうか。

Webサイトをリニューアルするのは、売上を伸ばしたり、アクセス数を伸ばしたりという「目的」のためかもしれないですが、お金をとるところは、Webサイトを作るのにかかる費用だったりします。

何ページ作っていくら、というところもあれば、その作る作業にどんな役割の人間がどのて程度の時間関与しなければならないかという想定をベースとした人日や人月単価と呼ばれる見積もりにせよ、これらは、「作る」もの、「作る」業務に対してお金を貰うモデルです。

しかし、先のIDEO社の事例ではないですが、ある目的を達成しようとするときに、その解決策はもしかすると、ボタン1個変えるだけ、コピー1文を変えるだけということだって十分かもしれません。

しかしながら、大部分のWebソリューション会社は、それだけではビジネスにはなりません。アタマを使って、作る部分を減らして、効果を高めようとすればするほど、自分たちの首を締めることになりかねないのです。

Webソリューションというビジネスを始めてから、最近とくに問題だと考えるようになったところはこういうところです。Webサイトを作って欲しい、大規模なシステムを構築したい、というように、「作る」こと自体がニーズとして大きい時代は、その能力を提供できることが価値だったので、こんなことは考えなかったわけですが、最近は、このようなジレンマに直面するケースが出てくるようになったのです。

アタマを使って、手を入れなければいけない範囲や量を減らしたり、少ない作業量で大きいリターンを得られるように工夫したりすればするほど、「作る」ということで得られていたお金は頂けなくなるのです。

じゃぁ、そのアタマを使ってる部分や、工夫できちんとお金を貰えばいいじゃないかとなるでしょうが、これもそう簡単なことではありません。

元々コンサルティングやプランニングといったところを主軸として事業を行っているならば、それに最適化された人員構成や組織構造になっているから可能かもしれないですが、「受託開発」=「作る」ことでお金を頂くことを軸としていた会社で、そういったアタマの領域でお金を得て、それだけで組織をまわしていけるだけのお金を稼げるかというと、これは簡単なことではありません。「作る」ために必要な人員や、「作る」工程を管理するための人員などのコストを、「アタマ」領域だけでカバーすることは難しいのです。

こういった受託ビジネスにおける課題に一石を投じるのが、PBC(Performance Based Contracting)というモデルなのではないかと考えています。PBCとは言わば、何かしらの成果などに基づいて価格を決める仕組みです。

PBCについてのお話は次回へ。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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