前回のエントリでは、VMware仮想マシンに対する「Windows 8 CP」のインストール関連を採り上げてみましたが、今回はLinuxディストリビューション「Ubuntu 12.04」に関して。2年に1度の長期サポート(Long Term Support)として、4月下旬にGAリリースを迎えている「Ubuntu 12.04 LTS(Precise Pangolin)」ですが、同オペレーティングシステムを米VMwareによるType 2 ハイパーバイザ「VMware Fusion TP(テクノロジプレビュー)」にゲストOSとしてインストールしてみましたので、その概要等を簡単に纏めてみたいと思います(「VMware Fusion TP」のバージョンナンバは、今後の開発過程において正式に決定される事となります)。
Ubuntuは、昨年10月上旬にリリースされたVer.10.10(Maverick Meerkat)より、インストーラのインターフェイス、及びインストールステップ等が改善されており、タイムゾーン指定やキーボードレイアウトの選択、及びアカウント設定等は、インストール時におけるファイルコピーの過程において行う事となります。
↑Ver.10.10のインストール時におけるキーボードレイアウト設定画面。この「VMware Fusion」はVer.3.1.1(クリックで拡大します)
「VMware Fusion TP」では、米国時間20日付にてリリースされた「Technology Preview 2 Build 754644」の段階において「Ubuntu 12.04 LTS」がゲストOSとして正式にサポートされていませんが、同梱されているゲストOS拡張機能「VMware Tools」をカーネルモジュールとして組み込む事が可能です(Linuxゲストに対して「VMware Tools」を手動でインストールする場合には、マウントされたイメージファイルに含まれているtarボール(VMwareTools-xx-xx.tar.gz)を展開した後に、コマンドラインを通じてインストールスクリプト(~/vmware-tools-distrib/vmware-install.pl)を実行する必要があります)。
↑未サポートながらも「VMware Tools」をインストール可能(クリックで拡大します)
※「VMware Tools」のインストール後には、タイムシンクロナイズ、ダイナミックレゾリューション等の諸機能が利用可能となりますが、現時点では動作しない(或いは動作しても適切に機能しない)機能も確認されていますので、本格的に利用される場合等には正式対応を待たれた方が良いかと思われます。
尚、Ubuntuは昨年4月下旬にリリースされたVer.11.04(Natty Narwhal)より、デフォルトのデスクトップインターフェイスとしてCanonicalによる「Unity」シェルが採用されていますが、現行GA版の「VMware Fusion 4.1.3」ではLinuxゲストにおいて3Dグラフィックスがサポートされていないため、仮想マシン上のゲストOSで「Unity 3D」を利用する事ができません。しかしながら、当エントリにて採り上げている「VMware Fusion 2012 TP」では、新機能の一つとしてLinuxゲストにおけるグラフィックスアクセラレーションに対応しているため、VMware仮想マシンにおいて「Unity 3D」が試用可能となっています(グラフィックス要件を満たしていないシステムにおけるフォールバックモードは、2D環境にて「Unity」シェルを利用可能な「Unity 2D(Ubuntu 2D)」が適用される事となります)。
↑「Ubuntu 12.04 LTS」における「Unity 3D」インターフェイス。メニュー関連のインターフェイスには、Mac OS Xライクなグローバルメニューが導入されています。「Mac OS X 10.6.8」+「VMware Fusion TP Build 646683」+「Ubuntu 12.04 LTS」(クリックで拡大します)
尚、Ubuntu Japanese Teamからは、日本語関連の追加パッケージ等を含む「Ubuntu 12.04 LTS Desktop 日本語 Remix CD(x86)」が日本時間5月3日にリリースされています。また、2012年10月リリース予定とされる「Ubuntu 12.10」のコードネームには「Quantal Quetzal」が予定されています。