前々回のエントリにて、UbuntuベースのLinuxディストリビューション「Linux Mint」に向けて提供されているデスクトップインターフェイスの一つ「MATE」を採り上げてみましたが、今回は同オペレーティングシステム等に向けて提供されている更なるデスクトップインターフェイス「Cinnamon」に関して、その概要等を簡単に纏めてみたいと思います。
※マルチプラットフォーム対応のオープンソース仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox(Mac OS X版)」に「Linux Mint 12」をゲストOSとしてインストールし、そこからパッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」を通じてメタパッケージ(Cinnamon)を導入してみましたので、手順等の概要を簡単に纏めてみたいと思います。使用した環境は「Oracle VM VirtualBox 4.1.8」+「Linux Mint 12(Lisa)」となります。
尚、「Cinnamon」では、「Unity 3D」やGNOMEシェルに対する拡張機能「MGSE(Mint GNOME Shell Extensions)」等と同様に、3Dグラフィックスに向けたアクセラレーションが要求される事となり、グラフィックス要件を満たしていないシステムでは、フォールバックモードとして「GNOME 3」標準のインターフェイス(「Linux Mint 12」の場合)が適用される事となります。
デフォルトのGNOMEシェルからは、「Terminal」等を通じたコマンドラインから「Cinnamon」を指定してインストールする事が可能ですが(apt-get install)、今回はAPTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager」を用いて実践してみたいと思います。主な手順は以下の通りとなります(以下は手順の一例となります。尚、UbuntuではVer.11.10より、「Synaptic Package Manager」がバンドルアプリケーションから外れていますが、「Linux Mint 12」では同パッケージマネージャが標準で含まれています)。
- ゲストOSとしてインストールされた「Linux Mint 12」において、「Synaptic Package Manager」を起動(Mintメニュー>「Other」>「Synaptic Package Manager」、要管理者権限)
- 「Cinnamon」で検索し、検索結果のリストから「cinnamon」を選択
- 選択した「cinnamon」からコンテキストメニューを呼び出し(或いはチェックボックスをクリックし)、表示されたメニューから「Mark for Installation」を選択(関連する複数のパッケージを選択)
- 「Apply」をクリック
- 確認ウインドウが表示されるので、内容(インストールされるパッケージ数、消費されるディスク容量、ダウンロードサイズ等)を確認してインストール(パッケージのダウンロードのみを実行する事も可能)
↑「Synaptic Package Manager」を通じて「cinnamon」を選択(クリックで拡大します)
インストール後は、ログイン画面から呼び出し可能なセッションリストに項目が表示される事となります。
↑ログイン画面におけるセッションリストから、最上段の「Cinnamon」を選択してログイン(クリックで拡大します)
↑「Linux Mint 12」における「Cinnamon」インターフェイス。現時点(当エントリ投稿時点)における最新版は、英国時間3月14日付にてリリースされた「Cinnamon 1.4」(クリックで拡大します)
Linuxゲストを対象としたゲストOS拡張機能「Guest Additions(Linux Additions)」は、Linuxカーネルに対してカーネルモジュールとして組み込まれるため、事前にGNOMEサイドに「Guest Additions」がインストールされている環境では、Cinnamonサイドに別途にインストールする必要はありません。「Seamless」モードやダイナミックレゾリューション等、同ツールが提供する各種の機能がそのまま利用可能となります。
※「Cinnamon」は、Linux Mint teamによって開発が進められていますが、「Linux Mint 12」の他に、「Ubuntu 11.10(Oneiric Ocelot)」「Fedora 16(Verne)」「OpenSUSE 12.1」「Arch Linux」「Gentoo」等においても利用可能となっています。また、米国時間11日付にてRC版が公開された「LMDE 201204(Linux Mint Debian Edition 201204)」では、「Cinnamon 1.4」がデフォルトにてインストールされています(デフォルトのデスクトップインターフェイスには「MATE」が採用され、ログインスクリーンから切り替え可能となっています)。