前回のエントリに引き続き、UbuntuベースのLinuxディストリビューション「Linux Mint」に関して。今回は同オペレーティングシステムに向けて提供されているデスクトップインターフェイスの一つ「MATE」の概要、及び利用方法等を簡単に纏めてみたいと思います(読み方は「メイト」ではなく「マテ」です。マテ茶の「マテ」です)。
※前回と同様に、米VMwareによるType 2 ハイパーバイザ「VMware Fusion」を用いて実践しています。使用した環境は「Mac OS X 10.6.8」+「VMware Fusion 4.1.1」+「Linux Mint 12(Lisa)」となります。
昨年11月下旬にリリースされた「Linux Mint 12」では、GNOMEシェルに対する拡張機能として「MGSE(Mint GNOME Shell Extensions)」が提供されていますが、グラフィックス要件を満たしていないシステムでは「MGSE」を利用する事ができません(現時点(当エントリ投稿時点)では、VMware仮想マシンもこれに該当します)。この場合にはフォールバックモードとして、同拡張機能の全てのコンポーネントが無効化された「GNOME 3」標準のインターフェイスが適用される事となりますが、Lisaには上記の他にも、「GNOME 2」のフォークとして「MATE」も提供されており、DVDエディションには同インターフェイスが標準で含まれている他、CDエディションでは、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」からメタパッケージ「mint-meta-mate」をインストールする事によって導入可能となっています(UbuntuではVer.11.10より、APTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager」がバンドルアプリケーションから外れていますが、「Linux Mint 12」では同パッケージマネージャが標準で含まれています)。
「MATE」がインストールされているシステムでは、ログイン画面から呼び出し可能なセッションリストに項目が表示される事となります。
↑ログイン画面におけるセッションリストから、最下段の「MATE」を選択してログイン(クリックで拡大します)
※最上段の「Cinnamon」は、GNOMEシェルのフォークとして開発が進められています。こちらも、機会がありましたら別途に採り上げてみたいと考えております。
↑「Linux Mint 12」における「MATE」インターフェイス(クリックで拡大します)
「MATE」ではデフォルトの設定でフォントのスムージングが無効化されていますが、「Control Center」における「Personal」カテゴリから「Appearance」>「Font」に進み、「Rendering」セクションにおいて「Subpixel smoothing(LCDs)」を選択する事によって、スムージングを有効化する事が可能です(Ver.11(Katya)に近い外観を得る事ができます)。上のスクリーンショットは、スムージングが有効化された状態です
Linuxゲストを対象としたゲストOS拡張機能「VMware Tools」は、Linuxカーネルに対してカーネルモジュールとして組み込まれるため、事前にGNOMEサイドに「VMware Tools」がインストールされている環境では、MATEサイドに別途にインストールする必要はありません。「Unity」モードやタイムシンクロナイズ等、同ツールが提供する各種の機能がそのまま利用可能となります。