※2012年最初のエントリです。今年も宜しくお願い致します。
新たなデスクトップインターフェイスの取り組みとして、Gnomeシェルのフォーク「Cinnamon」の開発を進める等、今後に向けて更なる展開を見せているLinuxディストリビューション「Linux Mint」ですが、当エントリでは昨年11月下旬にGAリリースを迎えたVer.12(Lisa)を、米VMwareによるType 2 ハイパーバイザ「VMware Fusion」にゲストOSとしてインストールしてみましたので、その概要等を簡単に纏めてみたいと思います。
「Ubuntu 11.10(Oneiric Ocelot)」をベースとする「Linux Mint 12」は、インストールプロセスもOneiricとほぼ同様の流れとなり、タイムゾーン指定やキーボードレイアウトの選択、及びアカウント設定等は、インストール時におけるファイルコピーの過程において行う事となります。
↑インストール時におけるタイムゾーン指定画面(クリックで拡大します)
「VMware Fusion」では、昨年11月下旬にリリースされた「4.1.1 Build 536016(現行GA版)」の段階において「Linux Mint 12(ベースとなる「Ubuntu 11.10」)」がゲストOSとして正式にサポートされていませんが、同梱されているゲストOS拡張機能「VMware Tools」をカーネルモジュールとして組み込む事が可能です(Linuxゲストに対して「VMware Tools」を手動でインストールする場合には、マウントされたイメージファイルに含まれているtarボール(VMwareTools-xx-xx.tar.gz)を展開した後に、コマンドラインを通じてインストールスクリプト(vmware-tools-distrib/vmware-install.pl)を実行する必要があります)。
↑未サポートながらも「VMware Tools」をインストール可能(クリックで拡大します)
※「VMware Tools」のインストール後には、「Unity」モード、タイムシンクロナイズ等の諸機能が利用可能となりますが、現時点では適切に動作しない機能も確認されていますので、本格的に利用される場合等には正式対応を待たれた方が良いかと思われます(この場合の「Unity」はUbuntuのシェルではなく、VMwareによる「Unity」モードを指します)。
尚、「Linux Mint 12」では、GNOMEシェルに対する拡張機能として「MGSE(Mint GNOME Shell Extensions)」が提供されていますが、「VMware Fusion 4.1.1」ではLinuxゲストにおいて3Dグラフィックスがサポートされていないため、仮想マシン上のゲストOSで「MGSE」を利用する事ができません。この場合にはフォールバックモードとして、同拡張機能の全てのコンポーネントが無効化された「GNOME 3」標準のインターフェイスが適用される事となります。
↑「Linux Mint 12」における「GNOME 3」標準のインターフェイス。VMware仮想マシンでは、このインターフェイスがデフォルトとなります(クリックで拡大します)
また、インターフェイス関連では、「GNOME 2」のフォークとして「MATE」も提供されており、DVDエディションには同インターフェイスが標準で含まれている他、CDエディションでは、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」からメタパッケージ「mint-meta-mate」をインストールする事によって導入可能となっています(UbuntuではVer.11.10より、APTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager」がバンドルアプリケーションから外れていますが、「Linux Mint 12」では同パッケージマネージャが標準で含まれています)。
↑こちらは「GNOME 2」のフォークで「MATE」インターフェイス。DVDエディションには標準で含まれています。何れも「VMware Fusion 4.1.1」+「Linux Mint 12」(クリックで拡大します)