既に次世代版に相当するVer.11.10(Oneiric Ocelot)の動向等も伝えられ始めているLinuxディストリビューション 「Ubuntu」ですが、当エントリでは英国時間4月28日付にて正式リリースを迎えた「Ubuntu 11.04(Natty Narwhal)」をMac OS Xベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」にゲストOSとしてインストールしてみましたので、その概要等を簡単に纏めてみたいと思います。
Ubuntuは昨年10月にリリースされたVer.10.10(Maverick Meerkat)より、インストーラのインターフェイス、及びインストールステップ等が改善されており、タイムゾーン指定やキーボードレイアウトの選択、及びアカウント設定はインストール時におけるファイルコピーと並行して行う事となります。
↑Ver.10.10のインストール時におけるキーボードレイアウト設定画面(クリックで拡大します)
「VMware Fusion」では、昨年12月上旬にリリースされた「3.1.2 Build 332101(現行GA版)」の段階において「Ubuntu 11.04」がゲストOSとして正式にサポートされていませんが、同梱されているゲストOS拡張機能「VMware Tools」をカーネルモジュールとして組み込む事が可能です(Linuxゲストに対して「VMware Tools」を手動でインストールする際には、マウントされたイメージファイルに包含されるtarボール(VMwareTools-xx-xx.tar.gz)を展開した後に、コマンドラインを通じてインストールスクリプト(~/vmware-tools-distrib/vmware-install.pl)を実行する必要があります)。
↑未サポートながらも「VMware Tools」をインストール可能(クリックで拡大します)
※「VMware Tools」のインストール後には「Unity」モード、ダイナミックレゾリューション等の諸機能が利用可能となりますが、現時点では適切に動作しない機能も確認されていますので、本格的に利用される場合等は正式対応を待たれた方が良いかと思われます。
尚、「Ubuntu 11.04」では、デフォルトのデスクトップインターフェイスとして「Unity」が採用されていますが、「VMware Fusion 3.1.2 Build 332101」ではLinuxゲストにおいて3Dグラフィックスがサポートされていないため、仮想マシン上のゲストOSで「Unity 3D」を利用する事ができません。この場合にはVer.10.10までのデフォルトインターフェイス「Ubuntu Classic」が適用される事となりますが、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」等を通じてインストール可能な「Unity 2D」を導入する事により、2D環境にて「Unity」を体験する事が可能となります(「Unity 2D」は「Terminal」等を通じたコマンドライン(apt-get install)からの他、APTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager」等を通じてインストールする事が可能です)。
↑「Synaptic Package Manager」を通じて「Unity 2D」をインストール(クリックで拡大します)
インストール後は、ログイン画面下部から呼び出し可能なセッションリストを通じて「Unity 2D」「Ubuntu Classic」を任意に選択してログインする事が可能となります(セッション項目はアカウント名の選択後に、言語、キーボード項目等と共に表示されます)。
↑「Ubuntu 11.04」における「Unity 2D」。メニュー関連のインターフェイスには、Mac OS Xライクなグローバルメニューが導入されています。「Mac OS X 10.6.7」+「VMware Fusion 3.1.2 Build 332101」+「Ubuntu 11.04」(クリックで拡大します)
Linuxゲストを対象とした「VMware Tools」は、Linuxカーネルに対してカーネルモジュールとして組み込まれるため、事前に「Ubuntu Classic」サイドに「VMware Tools」がインストールされている環境では、「Unity 2D」サイドに別途にインストールする必要はありません。「Unity」モードやダイナミックレゾリューション等、同ツールが提供する各種の機能がそのまま利用可能となります(この場合の「Unity」は、VMwareによる「Unity」を指します)。
尚、Oracleによるマルチプラットフォーム対応のオープンソース仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」では、4月下旬にリリースされたVer.4.0.6において「X.Org Server 1.10」が正式にサポートされています。