昨秋の正式版リリース以来、仮想SMPやVNCサーバ等、「VMware Fusion 3」における主な特徴の幾つかをエントリさせて頂いておりますが、今回はディスクバッファリングに関して採り上げてみたいと思います。
Mac OS Xベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」は、Ver.1.0の段階よりパフォーマンスのプライオリティをホストOS、ゲストOSの何れかに対して任意に割り振り可能なハードディスクバッファリングに対応していますが、昨年10月下旬にリリースされたアップグレード相当のVer.3.0より設定方法、及び設定対象等が変更されていますので、その概要等を簡単に纏めてみたいと思います。
「VMware Fusion」におけるハードディスクバッファリングは、Ver.2.0以前においてはパフォーマンスプリファレンス(「VMware Fusion」>「Preferences...」>「General」>「Performance」)を通じてバッファモード(デフォルト値)に相当する「Optimize for virtual machine disk performance」、アンバッファモードに相当する「Optimize for Mac OS application performance」の何れかを任意に選択する事が可能となっており、ここでの設定は当該環境におけるライブラリに登録されている全ての仮想マシンに対して等しく適用される事となっていました。
↑「VMware Fusion 2.0」におけるハードディスクバッファリングの設定。パフォーマンスプリファレンスを通じてバッファモード、アンバッファモードの何れかを任意に選択する事が可能となっています(クリックで拡大します)
しかしながら、昨年10月下旬にリリースされたアップグレード相当のVer.3.0より設定方法、及び設定対象等が変更されており、同バージョンではセッティングエディタ(「Advanced」>「Other」>「Hard disk buffering」)を通じて個々の仮想マシンを対象とした(仮想マシン毎の)より柔軟な制御が可能となっています。
↑「VMware Fusion 3.0」におけるハードディスクバッファリングの設定。セッティングエディタを通じて個々の仮想マシンを対象とした制御が可能となっています(クリックで拡大します)
バッファモードが選択されている際には、仮想ディスクのパフォーマンスを向上させるために若干のRAM容量が消費される事となりますが、Ver.3.0ではバッファリングの有効化、或いは無効化を利用環境に応じて自動選択可能な「Automatic」設定がデフォルト値として追加されていますので、通常利用時には同設定での運用で差し支えないかと思われます。