仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」に関する三回目となる今回は、米VMwareによる「OVF」ソリューションの一つ「VMware vCenter Converter(旧VMware Converter)」におけるエクスポートプロセス等を簡単に纏めてみたいと思います。
※当エントリにて採り上げています「OVF」は、標準化団体DMTFより策定、標準化等が行われている仮想マシンフォーマットにおける標準規格に相当し、3月下旬にVer.1.0の仕様公開がアナウンスされています。「Sun VirtualBox」「VMware OVF Tool」におけるエクスポートプロセス、及び「OVF」の概要等を以下のエントリに纏めておりますので宜しければ御参照下さい。
「VMware vCenter Converter」における「OVF」サポートは、5月下旬にリリースされた「Standalone 4.0.1 Build 161434」の段階においてインポート、エクスポート共にウィザードを通じたGUIによる制御に対応しており、何れのプロセスも「File」メニュー、或いはツールバーアイコンから呼び出して利用する形となります。以降では、VMware仮想マシンにゲストOSとしてインストールされたオープンソースオペレーティングシステム「ReactOS 0.3.10」を用いて、「OVF」へのエクスポートプロセスを実践してみたいと思います。主な手順は以下の通りとなります(「VMware vCenter Converter」は「Standalone 4.0.1 Build 161434(Windows版)」を使用しております)。
- 「File」>「New」>「Convert Machine...」を実行し、ウィザードを起動(ウィザードはツールバーアイコンからも呼び出し可能)
- 「Specify Source」ステップにてソースマシン(エクスポート対象となる仮想マシン)のタイプ、及びソースマシンのロケーションを指定(この場合にはVMware仮想マシンに含まれる構成ファイル(.vmx)を指定)
- デスティネーション仮想マシン(デスティネーションターゲット)のタイプ、フォーマット、及び書き出し先等を指定(「OVF」アプライアンスとしてエクスポートする際には「Virtual appliance」を選択)
- 設定内容の詳細等を確認してエクスポート
↑「Specify Source」ステップにてソースマシンのタイプ、及びロケーションを指定(クリックで拡大します)
↑デスティネーション仮想マシンのタイプ、フォーマット、及び書き出し先等を指定(クリックで拡大します)
↑ライセンス情報等も包含可能(クリックで拡大します)
※「OVF」は「vmdk(Virtual Machine Disk Format)」「vhd(Virtual Hard Disk)」等、対応する仮想ディスクに構成情報等の各種関連リソースを加えてパッケージングしたフォーマットとして既定されており、仮想ディスクのフォーマットではありません。また、「VMware vCenter Converter」は、各種リソースがtar形式にてアーカイブされた単一の「OVA(Open Virtual Appliance/Open Virtual Application)」ファイル(.ova)のエクスポート等にも対応しています。
「Sun VirtualBox」「VMware OVF Tool」「VMware vCenter Converter」の他にも、「OVF」に対応したコンバート、オーサリングツールとしてVMwareより「VMware Studio」、米Citrix Systemsより「XenConvert Tool」「Kensho OVF Tool」等が提供されていますので、これらのツールも機会がありましたら随時採り上げさせて頂きたいと考えております。