Mac OS Xに関するインサイダ情報の一つとして、以前からOpenSolaris Projectによる128bitファイルシステム「ZFS(Zettabyte File System)」採用の可能性が示唆されてきましたが……、ここにきて、先週開発者向けに配布された「Mac OS X 10.5 Leopard Buid 9A321」における同ファイルシステムのサポート状況が幾つかのサイトより発せられているようですので、その中から米国時間18日付のMac Rumorsの記事の内容の一部を採り上げてみたいと思います。まずは以下に内容の一部を意訳してみます。
(ここから意訳)幾つかのサイトが、先週シードされた「Mac OS X 10.5 Leopard Buid 9A321」において組み込まれているとされる、「ZFS」のサポート状況に関して報告しています。
Sun MicrosystemsのZFSチームは、Mac OS Xに対するZFSの移植に関して、4月にApple(Filesystem Development Manager, Chris Emura氏)よりコンタクトを受けました。Ars Technicaは以前、ファイルシステムとしてのZFSの利点を以下のように論じています。
- 僅かな容量のファイルの効率的な処理、及び保管
- ストレージプールによる論理的なボリューム管理
- 全データにチェックサムを使用する事による、改善されたデータ保全性
- スナップショット
追記(Mac Rumorsによる追記です)ZFSのサポートは「Mac OS X 10.5 Leopard Buid 9A321」においては準備的であるように見えます。現時点でZFSを使用してディスクイメージのフォーマットを試みたとしても、そのフォーマット作業が完了する事はないでしょう。(ここまで)
※未だ準備段階にあるとの状況を示唆する内容となっているようです。尚、記事中には、スクリーンショット(Mac OS X 10.5 Leopard Buid 9A321の「Disk Utility」に現れたとされるZFSフォーマット時のオプション)も掲載されています。
上記の記事では、ZFSの特徴がシンプルに纏められているようですので、幾つか補足してみますと、
- タスクの自動化によるファイルシステム管理の簡素化や、ファイルシステム間におけるリソース共有等が齎す稼働率の向上(ファイルシステムのダウンタイムを短縮)
- 全データに64bitのチェックサムを付加する事によって保存データの不整合を未然に防止すると共に、エラー発生時におけるデータの自動復旧等もサポート
- 複数のディスク装置から構成される「Storage Pool(ストレージプール)」と称される仮想化の概念を持つ事により、ドライブを追加するだけで容易にファイルシステムを拡張する事が可能
- 目的データへのアクセスの高速化
- 「SPARC」やx86用のSolaris等における採用実績
等、可用性や保守性等に関するアドバンテージが挙げられます。そして主要な特徴の一つとしては128bitアドレッシングによる実質無限大ともいえるディスクリソースの管理が挙げられ、「Core 2 Duo」によって復活した64bitプロセッシングとZFSによる128bitアドレッシングの組み合わせは、パーソナルテクロジの分野に飛躍的な可能性を齎してくれるのではないかと思われます。個人的な見解ではありますが、1998年にリリースされた「Mac OS 8.1」より採用され続けている32bitファイルシステム「HFS Plus」の置換えとして、ZFSの準備的なサポートを開始するには良いタイミングではないかと考えていますし、「Time Machine」とZFSの特性に幾つか合致する点が見受けられるのも興味深いところ。「WWDC 2006(Worldwide Developers Conference 2006)」における「Time Machine」のプレビューはZFS上で行われていたのでは?等と勝手に想像を膨らませたりしていますが……、ZFSの準備的なサポートが「Mac OS X 10.5 Leopard」におけるトップシークレットの一つだとしたら、非常に大きなインパクトを感じる次第です。