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「Front Row」において新たに実装された「Bonjour」について

2006/04/19 01:39
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岸 大輔

「Mac OS X Trend Informations」では、Apple、Mac OS X、及び関連アプリケーション、テクノロジ(主に仮想化)等を中心とした各種の情報等をエントリしております。どうぞ宜しくお願い致します。
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先月開催されたAppleのプレスイベントにおける「Mac mini(Intel)」の発表の際に、Mac OS X環境のメディアランチャ「Front Row」における「Bonjour(旧Rendezvous)」の実装が話題の一つとして挙げられていましたが、そもそも「Bonjour」というのは一体どのような機能なのか?或いは「Bonjour」が「Front Row」と連携する事によって、エンドユーザにどのようなメリットが齎される事になるのか?なかなかイメージしづらい面もあったのではないかと思われます。そのような事からも、今回は「Bonjour」という機能の概要について簡単に紹介してみたいと思います。

この機能の出発点は「Mac OS X 10.2 Jaguar」における新機能の一つとして実装されたのが始まりで、当初は「Rendezvous(ランデブー)」という名称で呼ばれており(商標上の問題にて「Mac OS X 10.4 Tiger」より名称変更を余儀なくされる)、基本的にはネットワーク上におけるプロトコルの一つとして存在し、UDPポートの5353上にてネットワークパケットを送受信しています(ファイアウォールを有効にしている場合には、「Bonjour」を正常に動作させるために、UDPポート5353を開けておく必要がある)。ベースとなっているのはWeb標準やOSPFの策定にも関与しているIETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されている「ZeroConf」と呼ばれる技術で、「Bonjour」はLAN内(基本的には同一サブネット内だが、DHCP、Dynamic DNS、グローバルIP等を備えた環境であればルータ越えも可能)におけるネットワーク接続や周辺機器接続を設定不要にて使用可能とするといった特徴を有しています。言い換えればTCP/IPをベースとしたネットワーク上でAppleTalkのような手軽さを提供する事により、小規模ネットワーク上における設定、管理の煩わしさからユーザを解放するといった事を可能としています(IPアドレスの割り当てや各種サービス提供元の検索自動化を実現。このような「Bonjour」が持ち得る最大のメリットが、逆にその存在をユーザの視点から包み隠している要因ともなっている)。例えばMac OSを中心とした環境(家庭内や単一オフィス内等)で小規模LANを構築しようとした場合、「Bonjour」の普及以前だと

AppleTalk

設定に関する特別な知識や管理は不要であるが、通信の際にネットワーク上の不特定多数のノードにパケットを送信しようとする(ブロードキャスト)事があるため、ネットワーク上における負荷を高めてしまう傾向にある。規格自体も非常に古く(EtherTalkが普及する以前は、LocalTaik上でも使われていた)、クライアントにおける様々なレスポンスに影響を及ぼす事がある。

TCP/IP

通信自体はIPアドレスを元に一意の相手と送受信を行う事ができる(ユニキャスト)ため、効率的な通信が可能だが、設定に際しIPアドレスやサブネットマスクの設定等、一定の知識を要する事となる。DHCPを導入すればアドレス割り当ては不要となるが、それとて一般家庭のエンドユーザには決して敷居の低いものではない。複数の人数が参加するネットワークにおいては管理者が必要となる。

等といった特徴がありましたが、両者のメリットを抽出し、パーソナルユーザにおける手軽なIPネットワークのメリットの享受を実現した技術が「Bonjour」であり、「iChat AV」や「iTunes」における音楽共有、或いは先日アップグレードを果たしたMac OS X環境におけるデスクトップ管理ソリューション「Apple Remote Desktop」等は、この「Bonjour」を利用して実現されている機能の代表例として挙げられます。尚、「Bonjour」ではIPアドレスと共にネットワーク上における一意な名称も自動で割り振られる事となりますが、これには基本的に(例外もありますが)「コンピュータ名.local」という名称が与えられ「システム環境設定」>「共有」において確認可能となっています。

そして今回、Macintoshにおけるマルチメディア環境のポータルともいうべき「Front Row」がBonjourをサポートし、一部のiLifeアプリケーションがこれに同調した事によって、家庭内での複数Macにおける様々なメディアリソースの管理がより手軽に(一元的に)なったといえるでしょう。今回の「Front Row」での採用が、大きな期待を持って迎えられながら今ひとつ普及にまで至らない「Bonjour」の、一つの起爆剤にでも成り得る事を期待しています。

※ここで紹介した内容はMac OSを中心に構成されている環境を前提としています。Windows等、他のプラットフォームが中心となっている環境には当てはまらない部分もあります事を御了承下さい。

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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