ITサービス産業のマーケットの前提条件が変わった!
2009年は予想通り、厳しい時代に入ってきました。各企業からのIT投資は抑制され、大手SI企業さへも青息吐息といった状況です。徹底的な内製化率の向上、下請企業に対する理由無き単価ダウン。そして契約打ち切り。残念ながら4月以降に中小ソフトハウスでは、資金繰りが悪化する企業が増える可能性が高まっていると感じています。私はマーケットの前提が変わってきたと言い続けています。それは
・ 複雑
・ 長期間
・ 多人数
です。実はこれらの条件は、結果的に案件規模が大きくなる事を意味しています。つまり、そうした大きな案件がある事を前提としてビジネスモデルがトップライン3000億円クラブであり、従前のビジネスなのです。また、顧客企業も大きな案件に対する保証という側面で、資本力のある大手SI企業を選択するという側面がありました。つまり、大きな案件が前提となっているからSI企業側も大手で無ければいけなかった訳です。
ところが、こうした前提条件が今後は、
・ 単純
・ 短期間
・ 少人数
と変わります。これは結果的に案件規模の小口化に繋がります。つまり、これからは大手SI企業が必要なのではなく、なるべく短期間で効率的に実装が進み、小回りの利く会社が有利になるのです。前回のブログでも、所有から使用への流れについて説明しました。こうした流れを考えると、エンドユーザー側の思考は開発期間を短期化して、なるべく早くに使用し、満足感を得る事に対する優先順位が高まっているのです。
こうした変化したマーケットで確認すべきポイント、それは次の3つです。
? 売り先
? 売り物
? 売り方
マーケットの前提条件が変われば、確実にビジネスモデルも変化を余儀なくされます。ビジネスモデルについては、何が変化するのでしょうか?例えば、案件が小口化する事で確実に仕事の絶対量が減少します。すると、大手SI企業から下請けに依頼される仕事量は減少します。つまり、大手SI企業向けのお願い営業には限界があると分かります。すると、売り先はSI企業向けからエンドユーザー向けに変える必要が出てきます。
エンドユーザー向けに営業を行うという事であれば、当然ながら売り物は同じでしょうか?恐らく技術者の言語マッチング営業というのは、可能性として低いと思いませんか?エンドユーザーは課題を解決したいと考えています。技術者のスキルというのは、その課題を解決する為には必要です。しかし、自分の課題を技術者のスキルレベルに落とし込んだ形で探すということは非現実的です。
つまり、これからは売り先、売り物、売り方を時流に合わせて変えていく事が必要になります。企業が存続する為には、常に時流適応です。時流とは顧客の購買心理の変化のことです。それが変わってしまった今、中小ソフトハウスは生き残りを掛けた変化をしていく必要があるのです。(メールマガジン【ソフトハウスのための幸福経営論】発刊中!)