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人月常駐型ビジネスから脱却する難しさ・・・

2007/12/04 11:35
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プロフィール

長島 淳治

年商30億円未満の元気の無いソフトハウスの経営者、経営幹部、リーダーそして現場で頑張っている全ての関係者が 今の下請け稼業から新たなステージに飛び立とうと考えた時に読んで欲しいブログです。 主にマーケティングとセールスを中心に発信していきます。中でも今の時代に求められているセミナーを活用した有効な販売戦術:セミナーマーケティング活用法の詳細な解説も展開していきます。
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 システム開発をしている全国約16,000社の内、その80%以上は人月単価基準の常駐派遣型のモデルを持っています。企業規模によってその売上構成比率は変化しますが、年商30億円まではその人出しの割合が多いというのが実態だと思います。当然ながら、社内で内製化を進め、常に社員が自社で仕事を行う風景を経営者は実現したいと考えています。また、SI企業や同業他社経由ではなく、直接のお客様との取引を多くしていきたいとも考えています。ところが、中々上手くいきません。これは派遣型ビジネスの罠に嵌まり込んでしまった結果です。

 なぜ派遣型ビジネスを選択するのでしょうか?ITサービス業の経営者の多くは技術者です。彼らは個人の能力を武器に起業しています。つまり自分が商品です。最初の取引先も過去の人脈です。これは自分をよく知っているという理由を縦に営業をしています。当然その際には【人月単価】が基本となります。その後、経営者の活躍により仕事の領域が増えてきました。取引先からも社員を増やすことを提言されます。そこで採用します。しかし営業の習慣は人月単価となっています。増えた技術者の能力に応じて取引先と価格を調整し、相手の適価だけを考えて販売します。そして、この構造は社員が今後増えていこうが変化することが出来ません。これしかやり方を知らないからです。

 また、人月単価ビジネスは毎月精算なので、資金繰りが安定します。内部留保は出来ませんが、目の前の資金繰りは回ります。一度このループにはまると抜けられなくなります。また、そういった会社の多くは労働分配率65%を超えています。倒産危険推移ですが、営業利益が1〜3%程度出ています。これは人件費以外のコストが掛らない、業界特性を示しています。

 こういった会社の経営者の思想はどうなるでしょうか?投資と言う概念が生まれません。粗利の大半を人件費で消化してしまうので、その他経費をなるべく使わない財務状況を作る必要があります。社員が社内にいないので、それ程広い事務所はいりません。PCも外注先ですので、必要最低限しかいりません。教育にも採用にもコストは掛けません。最初から予算編成として含まれていないことが多いのではないでしょうか。販売促進にも採用にも教育にも、基本的にお金が必要です。最初から予算組みをしておくのは当たり前のことなのです。ところが、コストを絞って利益を生み出しているので、内部留保が生み出せる状態にありません。この様な脆弱な財務状況にありながら、新たな投資分野に踏み出すと決めている会社が多いのです。

 また、直接のユーザーから仕事を請け、なおかつ社内開発を実現させる為には、資金力が必要になります。例えば3ヶ月のプロジェクトに対して、納品・研修後翌月末現金と言う条件だと、4ヶ月は収入がありません。その間は、何とかなるという状態を作る必要があるのです。つまり派遣型は短期収益回転型、プロジェクトは長期収益積み立て型となるのです。積みあがった資金余力が、プロジェクト開発における安心感となります。

 それでは、こういった意識の会社に対して何をするのか。非常に簡単なことです。今の取引先の中でも平均人月単価の高いチャネルや分野を見つけ出します。そして短期的に収益力が向上する商流に営業も含めて集中します。すると、面白いように粗利ポイントが上昇していきます。そうして収益力を付けながら、徐々に資金力を高めていきます。そして投資分野を予算組みして、テストをしながら新しい流れを作っていきます。大切なことは流動資産をしっかりと確保できているかという点です。私は少なくとも3ヶ月から半年程度の資金余力は必要だとアドバイスしています。新しい流れに対する投資と内部に留保していく流れとを作る事を意識出来なければ、派遣モデルを変える事は容易ではありません。まずは今の流れの中で、確実に儲けの出るビジネスを発見すること。そこに集中して、今の流れで資金を回転させながら新たな投資に目を向けること。これをバランスを意識して実行すること。この2つを意識できずに、どちらかに偏るから脱却に失敗します。硬直したモデルに変化をもたらすのは簡単ではありません。しかし、ここを乗り切らなければ明日は見えてこないのです。

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