いま米国各地が記録的な猛暑に襲われている。その原因のひとつが大気を覆い尽くす「ヒートドーム」だ──。
この夏、米国の多くの地域はすでに猛烈な暑さに見舞われている。ニューヨーク州北部に住む筆者も、容赦なく照りつける日差しを避けて、エアコンをフル稼働させながら室内に引きこもりがちだ。しかし、そんな暑さも、いま他の地域を襲っている奇妙で恐ろしい気象現象「ヒートドーム」に比べればまだマシと言えるかもしれない。
ソニーの“着るエアコン”「REON POCKET PRO」(価格をAmazonでチェック)「ヒートドームを簡単に説明するなら、鍋やフライパンに蓋をした状態を想像するとよいでしょう」と米国立気象局のアレックス・レイマーズ氏はNPRの取材に答えている。
ヒートドームとは、高気圧が特定の地域に長期間居座り、その下に熱い空気が閉じ込められてしまう現象のことだ。まさに料理のときに蓋を閉めて熱を逃さず食材を素早く加熱するように、地表に熱気が蓄積され、気温が異常に高い状態が長引くことになる。違うのは、このケースで熱せられているのが私たち自身だということだ。
さらに悪いことに、高気圧は乾燥した気候を伴うため、余計に気温上昇が進み、事態を深刻化させてしまう。
米国統合熱健康情報システム(NIHHIS)の公式サイトが公表しているヒートマップをみると、熱波のリスクは中西部からミシシッピ川下流域を経て東海岸に至る広い地域で非常に高くなっている。特に、ノースカロライナ州東部、バージニア州中央部、ピッツバーグ周辺、ペンシルベニア州南東部、メリーランド州南東部、ニュージャージー州の大半、そしてデラウェア州のほぼ全域が、極端な高温警報の対象となっている。
特に影響が深刻な地域では、気温が摂氏46度に達する恐れがある。それ以外の地域でも摂氏35〜38度前後の猛烈な暑さが続く見込みで、万が一停電などが発生すれば、まさに命を脅かす危険な状況になりかねない。
まさに、そのとおりだ。 今回の記録的な熱波についてタイム誌の取材に応じたアイオワ州立大学の気象学者ビル・ガラス教授は、この疑問について「比較的簡単に答えられる質問だ」と述べた。
ガラス氏の説明によれば、ヒートドームは、気候変動が悪化する中で起こりやすい現象のひとつであり、竜巻やハリケーンの増加といった他の関連気象現象よりも、より可能性が高いとされている。
「気候変動によって何が起きるか、たとえばハリケーンや竜巻の発生数がどうなるかは複雑で、はっきりとは言えません」とガラス氏は語った。「しかし、ヒートドームがより多く発生し、その中の気温が今より高くなる可能性は高いでしょう」
ここまで読んできてお気づきの通り、ヒートドームに立ち向かう方法はひとつしかない。それは「ヒートドームから逃げること」だ。
現実的には、冷房が効いた屋内にこもるか、高気圧の影響を受けていないエリアへ避難することになるだろう。たとえば、西海岸に行くのも手だ。同地に住む同僚たちは天気が本当に快適だと言っている。
あるいは、昔ながらの夏の定番「冷房がキンキンに効いた映画館」に飛び込んでみるのもおすすめだ。最近公開された新作映画はかなり面白そうで、涼しい環境で過ごすにはぴったりかもしれない。
ソニーの“着るエアコン”「REON POCKET PRO」(価格をAmazonでチェック)この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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