クアルコムは日本時間10月23日未明、自動車向けSoC「Snapdragon Cockpit Elite」「Snapdragon Ride Elite」を発表した。メルセデス・ベンツとLi Autoが将来発売する自動車への搭載を表明した。
これらSoCは、クアルコムの最新CPUである「Oryon」を搭載。同社の前世代の自動車向けチップ比べてCPU性能は3倍、AI性能は12倍に向上しているという。
こうした性能向上で実現するわかりやすいメリットの1つが、車内のエンターテイメントだ。最大16個のディスプレイ、最大4K解像度のディスプレイに対応。運転席の大画面と、座席ごとのディスプレイも1つのチップで駆動できる。
スマートフォンレベルのCPU・GPUを搭載しているため、ゲームの高度なレンダリングも可能。サウンドも「自分には聞こえるが、隣の席には聞こえない」といった高度な制御に対応する。
加えて、特徴的なのはAI処理能力だ。車内エンターテイメント、メッセージ、ナビゲーションなどの情報を横断的に処理可能。さらに、車内のセンサーを使って、誰がどの座席に座っているかをAIで認識し、「この人だけにメッセージを表示する」といったことが可能になる。
あわせて、Googleとの戦略的提携を発表。クアルコムのハードウェアと、両社の生成AIやソフトウェア技術などを活用し、自動車のコックピット体験の向上をめざすという。
運転支援も同チップでカバーする。クアルコムがスマートフォンで培った画像処理プロセッサ(ISP)の技術を活用し、最大20の高解像度カメラを含む、40のマルチモーダルセンサーをサポートする。加えて、AI性能に寄与するNPUがカメラやセンサーから取り込んだ情報をリアルタイムで統合する。
自動車業界ではソフトウェアの強化が潮流だが、クアルコムはスマートフォンから派生した強力なプロセッサでこの流れを後押しする。
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