世界に先駆け運行開始の「自律走行バス」に乗ってみた--スコットランドで - (page 2)

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年05月24日 07時30分

 このバスは完全自律走行だが、それに気づかない人がいても不思議ではない。前方には通常のハンドルがあり、運転席には、普段どおりにバスを運転しているように見える運転手が座っている。英国の法律では、完全自律走行車であっても、必要に応じて手動で操作できる「オペレーター」が同乗しなければならないと定められているのだ。

運転席の様子
提供:Andrew Lanxon/CNET

 Fusion Processingが地元のさまざまなグループを対象に実施した調査でも、一般の人々は依然として、車両を操作できる実際の人間がいるのを見ることで安心感を得たいと感じていることが明らかになった。CAVForthのバスには、2人目の人間も同乗する。運賃を受け取ったり、荷物を運んだり、一般の乗客がバスで快適に移動できるようにさまざまな手助けをしたりする「バスキャプテン」だ。

 このバスにはLiDARやレーダー、カメラセンサーが搭載されており、あらゆる方向の交通状況や自転車、その他の障害物を「見る」ことができる。Fusion Processingが開発した自動運転システムはそれらのデータを組み合わせることにより、運転に関する判断を下す。信号機との通信機能に加えて、バスのセンサーがより明確に認識できるように、路線にも最新の道路標識が追加された。また、バスを監視するために、追加の監視カメラ(CCTV)も導入された。

車内の様子
提供:Andrew Lanxon/CNET

 バスに乗ると、爽快なほど普通に感じた。このバスでの移動自体がイベントなのではなく、単にプレスイベントの会場に移動しているだけのような錯覚に陥った。バスが自律走行車であることを忘れてしまいそうになったほどだ。安全性を確保するオペレーターが運転席に座っているので、実際にはコンピューターが運転しているという考えに不安を感じる人はほとんどいないのではないかと思う。

 最初の運用がうまくいけば、CAVForthは2024年に路線を拡大し、新しい電気モデルを含む車両がさらに追加される見込みだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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