MicrosoftのActivision Blizzard買収計画が、大きな問題に直面している。英国の規制当局は現地時間4月26日、ゲーマーに対する価格の上昇と選択肢の縮小につながるとして、687億ドル(約9兆2000億円)のこの買収計画を阻止した。
英競争・市場庁(CMA)は、高い人気を誇るActivisionのゲーム「Call of Duty」を任天堂に提供することを約束するなどのMicrosoftの動きは、この買収がクラウドゲームにおける競争を阻害するという懸念の実質的な解消につながらないと述べた。
MicrosoftとActivisionは2022年1月に、687億ドルのこの買収計画を発表した。これは、Microsoftにとっても、ビデオゲーム業界においても、過去最大規模の買収計画だ。「Xbox」を提供する同社はこの買収が実現すれば、「Call of Duty」「オーバーウォッチ」「World of Warcraft」などの人気ゲームフランチャイズを含む、世界最大規模のビデオゲーム会社の1つを傘下に収めることになる。
Microsoftは、米連邦取引委員会(FTC)などの世界中の規制当局に対し、同社による買収はビデオゲーム業界の競争を阻害しないと説得しようとしている。同社はこの買収を、これまでの「Fallout」や「Doom」シリーズの開発元であるBethesda Softworksなどの買収とともに、同社のサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」とクラウドゲーム事業を強化するコンテンツを構築するための中心的な取り組みとして位置付けていた。
Activision Blizzardの最高経営責任者(CEO)Bobby Kotick氏は米国時間4月26日、従業員らに対し、CMAの決断は「この取り引きの最終決定からは程遠い」と述べた。MicrosoftとActivionは、この決定に不服を申し立てる計画だが、苦しい戦いに直面している。
CMAの決定を覆すのは難しいと報じられている。The Wall Street Journalによると、控訴裁判所が確認するのは、CMAの決定が「合法的かつ合理的で、正規の手続きに則って行われたかどうか」だけだという。
MicrosoftのプレジデントであるBrad Smith氏は、Twitterに投稿した声明の中で、同社はこの買収に引き続き「全面的にコミットする」として、「Activision Blizzardの人気の高いゲームをさらに1億5000万台のデバイスで利用可能にする契約に既に署名した」と述べた。
We remain fully committed to our acquisition with @ATVI_AB and will appeal today's determination by the CMA. Here's our statement. pic.twitter.com/ylvDP5RUqQ
— Brad Smith (@BradSmi) April 26, 2023
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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