イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」--授粉精度はハチより27.8%向上

 植物工場向けの授粉・収穫ロボットを開発するHarvestXは12月21日、新型ロボット「XV3」を開発し、イチゴ自動栽培ソリューション「HarvestX」を2023年夏より順次提供を開始すると発表した。

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 HarvestXは、植物工場でのイチゴの生産過程において、「植物の管理」「授粉」「収穫」の自動化を行い、安定生産を実現するソリューション。ロボットとAIによる授粉・モニタリング自動化で、安定生産と生産コスト削減を実現できるのが特徴。

 これまで自動授粉・収穫ロボットのプロトタイプ(XV1、XV2)の開発を進めてきたが、新たに従来の実証機より作業効率を高めた新型のXV3を開発した。

 ハチより27.8%も授粉精度が高い自動授粉で、奇形果の発生を軽減し、果実の収穫量向上できるという。また、ハチの死骸放置による病害リスクや作業者のハチ刺されなどの労災リスクの防止により、工場内の衛生環境が向上するとしている。

 さらに、ロボットで収集したデータをもとにした苗の状態分析により、正確な収穫日や収穫量を予測できるとしている。

 XV3は、植物工場内を自動で走行する「XV3 Cart」と、データ収集用のセンサーや作業用ロボットアームを搭載した「XV3 Unit」の2つで構成。従来の実証機からさらに自動授粉や収穫の精度向上、さらにはさまざまな環境の植物工場へ導入可能な高い拡張性を担保しているのが特徴となる。

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 従来機では、顧客の植物工場の棚(段数)に合わせて、ロボットを毎回カスタムする必要があった。

 一方、XV3はロボット本体の設計を変更することなく、植物工場の棚(段数)に合わせて1〜5段で自由に高さを選択が可能となり、短期間でさまざまな環境下への導入が可能だという。

 また、自動化したい作業に合わせたUnitを用意しており、作業に応じて入れ替えることで、より効率的に、さまざまな作業のニーズに対応できるとしている。

 同社では、HarvestXのデータ収集・自動授粉・自動収穫機能を2023年中に順次提供する。将来的には、栽培支援機能を追加して、2025年には完全自動化の実現を目指す。

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