北海道清水町とAirbnb Japan--町長も町職員もホストになる「まちまるごとホテル」計画

 北海道清水町とAirbnb Japanは6月29日、観光促進と経済発展を目的とした包括連携協定の締結を発表した。町内での宿泊施設や不動産等を民泊に活用する地域経済の活性化「まちまるごとホテル」の実現を目指す。

北海道清水町とAirbnbによる包括連携協定締結
北海道清水町とAirbnbによる包括連携協定締結

 北海道清水町は、北海道のほぼ中央に位置し、十勝平野に農村風景が広がる町。農業、牛乳生産を基幹産業とし、それらを使った食品製造業も盛んだ。空港から近く、高速道路のインターチェンジ、2本の国道、特急停車駅を有するなど、交通の利便性も高い。

 今回、旅行コミュニティプラットフォーム「Airbnb」を運営するAirbnb Japanと、まちの中に点在している空き家や遊休資産を活用し、まち全体をまるごと一つのホテルのように見立て、つながりとひとの流れがある持続可能なまちづくりを目指す。

 町長自らが民泊ホストとして自宅を観光客に解放し、町外の旅行者と交流するほか、清水町職員も副業として、Airbnbを通じて自宅を観光客に貸し出し、民泊を活用した新たな観光のあり方を創出していくという。

 なお、自治体職員が副業としてAirbnbを活用するのは、日本国内では初めての試み。さらに、行政が所有する「移住体験住宅」をAirbnbに掲載することで、Airbnbの強みである若年層を中心としたゲストをターゲットに、子育て世代や若い世代向けの移住促進に力を入れていくとしている。

 清水町とAirbnb Japanは、2026年3月31日までの提携期間に3カ年計画を実施。1年目に、清水町の魅力を世界中の人々が知るための取り組みを進める。行政が所有する移住体験住宅、ホームステイ型民泊、貸別荘、ファームステイなどの宿泊施設と、北海道十勝の大自然とそこで営まれる暮らしを学ぶ体験コンテンツを相互に連携、開発し、発信することで、国内外のユーザーと清水町をつなぐ。

 2年目は、宿泊体験をとおして、国内外の人々が清水町に集い、清水町を第二のふるさとと考えるファン(関係人口)を増やす。町民とのふれあいの中から新たな文化交流やまちづくりが生まれることを期待し、人口減少社会における持続可能な地域づくりのロールモデルを作る。

 3年目は、清水町ファンたちが、より清水の暮らしを体感できるよう、遊休不動産や商店街の空き店舗を宿泊施設へとリノベーションし、商店街を中心とした「まちまるごとホテル」構想の実現を目指す。宿泊、二拠点居住している人たちが町を回遊し、地域経済に活力をもたらす仕組みを作るのが狙いだ。

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