ドローンが戦争のルールを変える--ウクライナで明らかになった実力 - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年04月15日 07時30分

AeroVironmentの軍用ドローンがウクライナへ

 ドローンは、人間が操縦する航空機とミサイルとの中間に位置すると言える。AeroVironmentの「Switchblade 300」および「Switchblade 600」モデルは、「徘徊型ミサイル」で、ブレードが付いた翼をポケットナイフのように開いて広げ、ターゲットシステムから目的地の指示を受けるまで滞空し続けることができる。

 Switchblade 300は重量5.5ポンド(約2.5kg)で、バックパックに収まり、コンパクトな筒から発射される。15分の飛行が可能で、6マイル(約10km)以上の航続距離を飛んだのち、ターゲットに激突する。50ポンド(約23kg)のSwitchblade 600は、装甲車両などの、より本格的なターゲットを狙う。航続距離は最大25マイル(約40km)で、40分間の徘徊が可能だ。

 AeroVironmentは、偵察用ドローンとしてPumaシリーズも販売している。こちらは、最長6.5時間も滞空することができる。手動で、あるいはカタパルトやトラックを使って離陸させると、ターゲットを検知し、攻撃を受け持つSwitchbladeにその座標を無線で送信できる。

 「1機のSwitchbladeを使う2人編成のチームは、お互いが数マイル離れた状態でも、乗員5人、5000万ドル(約62億円)相当の武装設備を壊滅させることができる」。米国の業界団体AUVSI(Association for Unmanned Vehicle Systems International)で政府業務を率いるMichael Robbins氏は、こう話している。

 米軍は、8億ドル(約1004億円)の軍事支援パッケージの一環として、3月終わりに100機のSwitchbladeをウクライナに送り始め、さらに現地時間4月1日には追加で3億ドル(約376億円)の支援パッケージを発表。これにもPumaとSwitchbladeが含まれている。具体的なモデルについて、米国防総省からコメントは得られなかったが、Bloombergによると、後者のパッケージにはSwitchblade 600が含まれるという。

 トルコ製のBayraktar TB2は翼幅40フィート(約12m)、GPSなしで飛行し、レーザー誘導の爆弾やロケット弾を搭載できる。費用は1機あたりおよそ100万ドル(約1億2500万円)だとRobbins氏は話している。

 「Bayraktar TB2は、地上部隊に対してかなり破壊的な成果をあげており、ウクライナでは、士気を鼓舞する代名詞のようになっている」(Robbins氏)

 ロシア軍を悩ませることに大きく成功していることから、Bayraktar TB2を称賛するミュージックビデオまで登場した。

 「ロシアの無法者もBayraktarでおだぶつよ」。この曲の訳詞の一節だ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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