シリーズ最大規模の出演キャスト数に楽曲数というだけでなく、過去のさまざまなステージ衣装もふんだんに用意され、10年で積み重ねた歴史を詰め込んだ集大成となる圧巻のライブと言えるものとなっていた。そしてステージを彩ったのはキャストだけではなく、さまざまな場面でアイドルたちが登場して踊る場面もあり、190人のアイドルが作り上げたライブといえるもの。また、これだけの規模であっても、個人的な思いとしてあれが見たかった、これが聴きたかったというような感想を持つのも、10年の歴史と広がった世界があることの証左とも感じている。
振り返ればアイドルマスターという看板はありつつも、もともとはフィーチャーフォンに映し出されるカードイラストとして描かれたアイドルたちで、ボイスもついてなかったところから始まったこと、また当時のソーシャルゲームを取り巻くイメージや、一気に増えたアイドルたちのことを思うと、ここまで世界が大きく広がって、このようなライブが実現するような未来をそのときに想像するのは難しかったのも正直なところ。
一方で、その世界やアイドルたちに魅力を見出した熱心なプロデューサーさんがいたのも事実。今でも、初期にCDを発売すると発表されたときの反響の大きさや、2013年に行われた「お願い! シンデレラ」のCD発売記念イベントで大勢のプロデューサーさんが集まったこと、1stライブで爆発的とも言える歓声を感じたことや、想いが強く込められたことが伝わるステージだったことはよく覚えており、熱量の高さが広がり、いろんな展開を実現してここまでに至ったのではないか、と思えるところがある。
そんなかつての思い出にも浸れるようなライブでもあったが、ここで一区切りではないのは明白。シンデレラガールズ単独として10年経過しても新たな可能性を持っているのは間違いがないところで、まだまだ広がっていくであろう世界が見られることを楽しみにしたい。
また余談ではあるが、これだけのステージであるがゆえ、プロデューサーさんひとりひとりにそれぞれ印象に残った場面があると思われるなか、筆者としても個人的に印象に残った場面はいろいろとあった。
まず触れておきたいのは、「Stage Bye Stage」が歌われたことと、それにあわせてnew generationsの3人が踊る映像が流れたことだ。もともとこの曲は、2018年に施設型CGキャラクターイベント「CG STAR LIVE」における「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS new generations★Brilliant Party!」の新曲として制作されたもので、流れていた映像もそのときのもの。ゲネプロ公演の取材をしたこともさることながら、公演が行われたVR体験施設「VR ZONE SHINJUKU」には、VR関連の取材で何度も足を運んだこともあり、思い入れのある場所だった。期間限定の施設だったためすでに閉館しているのだが、以降のライブで歌われるたびに、その施設のことを思い出す楽曲でもあった。
あの場での取り組みから生まれた楽曲が、「My Best Cinderella Songs」を通じて支持されている楽曲であることや当時の映像に再会できたこと、大勢のプロデューサーさんの前で披露されたことは感慨深いところがあった。
そして、筆者のお気に入りのアイドルが龍崎薫であることを踏まえると、TVアニメのブロックでいろんな楽曲が披露されていくなかで、薫の存在が世に出てから4年以上が経過するなかで、TVアニメ17話で突如として薫が喋ってボイスが付いたことに驚いたことが鮮明に思い出されるとか、「私色ギフト」の場面では5thライブ石川公演で春瀬さんが歌っていたことを思い出すとか、「ドリームLIVEフェスティバル」のブロックを見ていると、「ぷちっとナイン」(※龍崎薫、市原仁奈、横山千佳の9歳メンバーによるトリオユニット)のステージが見たいと思ったとか、「Hungry Bambi」では10周年ツアー福岡公演でも見せた、薫として歌うときとはギャップのある怖さを感じるセリフや表情は健在だったとか、そもそもベルーナドームは、薫の初めてのセンター曲である「なつっこ音頭」を6thライブで披露した場所だった……などいろいろとあるのだが、主に触れておきたいのは3つある。
まず目を引いていたのはファイナル公演における春瀬さんの髪型で、2日間とも二つ結びの髪型で登場したこと。「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」をテーマにした漫画「第3芸能課だよ」の第14話などにおいて、薫が二つ結びをしている姿をほうふつとさせるもので、とにかく“かわいい”方面でのインパクトが大きいもの。この公演で初めて春瀬さんが姿を見せたのがDAY1の「無重力シャトル」で、この曲には後ろを向く振り付けもあるため、より髪型が目を引くものとなっていた。
そして、DAY2の「ドレミファクトリー!」も触れておきたいところ。「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」から生まれたこの曲は、作中で子どもばかりの「第3芸能課」のアイドルたちをテーマとしたもの。それぞれが個人衣装で登場し、楽しそうに歌っている姿は遠目で見れば子どものように感じ、よく見るとそれぞれが個性を表すような卓越したダンスをしながら、元気いっぱいな歌声を響かせていた。
そのなかで春瀬さんが「[元気のみなもと]龍崎薫+」をモチーフとしたステージ衣装でパフォーマンスをしていたのもさることながら、特に響いた場面としては、小市さんが晴の言葉として「オレたち、第3芸能課でーーーす!」と高らかに言ったところ。集貝さんも、梨沙として第3芸能課から目を離さいようにアピールする場面もあったが、U149の曲を歌うというだけではなく“第3芸能課のステージ”であるところがグッとくるところ。それはステージに立ったのが、曲中スクリーンに登場して一緒に踊った市原仁奈、福山舞、橘ありす、古賀小春、横山千佳、櫻井桃華も含めた13人だからこそと思えるものだった。作中ではまだまだ奮戦する姿が描かれているが、大規模会場でコンサートライトが一面に広がる光景のなかで歌っている姿は、アイドルたちの未来の姿なのではと感じられたところ。また後述するが、後に同作のアニメ化プロジェクトも発表され、第3芸能課がさらに活躍する姿を楽しみにしたいと思えるものだった。
最後にDAY1で歌った「ハイファイ☆デイズ」にも触れておきたい。ユニット「L.M.B.G」(リトルマーチングバンドガールズ)のなかの5人が歌った曲で、薫にとって初めてのボーカル曲。そして披露されたブロックの4thライブ神戸ワールド記念ホール公演は、春瀬さんが龍崎薫のキャストとしてて初めてシンデレラガールズのライブに参加したステージでもある。その公演時の全体衣装である「アクロス・ザ・スターズ」で、当時も一緒に披露した今井さんとこの曲を歌う姿は感慨深いところ。4thライブで見た春瀬さんの“薫がいる、薫が歌って踊っている”感がすごく高く、“薫そのもの”と思えるステージは、ライブ展開が始まってから一個人として待ち望んでいた光景が見られたことに感激したことを、今でもよく覚えているのだが、今回ショートバージョンでの披露となったものの、そのときのことを思い起こさせるものとなっていた。
楽曲もライブにおける盛り上げには欠かせないというぐらいにさまざまな場面で歌われ、10周年ツアー福岡公演では12人という大人数で歌うといった光景も見られた。もちろん、未だ実現していないオリジナルメンバー5人でのライブ披露を夢見る気持ちもあるのだが、薫の友だちが増えていくかのように、より多くのメンバーでの披露される光景も見てみたいと思えるようなことを、ステージを見ていて感じた次第だ。
なお本公演については、ASOBISTAGEでのアーカイブ配信を期間限定で実施。配信チケットを購入することで視聴することができる。アーカイブ視聴期間はDAY1とDAY2ともに、4月11日23時59分(チケットの販売期間は4月11日12時までを予定。価格は各6500円(税込)。
今後の展開についても告知された。大きな発表となったのは「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」のTVアニメ化プロジェクトの始動。会場では「TVアニメ化プロジェクト特報PV」を公開した。
かねてから告知している10周年を記念したアニメについて、「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES」と題して、2022年夏に全編公開を予定。告知PVを公開した。
デレステにて、新たな形式のシンデレラガール総選挙「Stage for Cinderella」が、2022年夏開催予定。詳細は特設サイトにて記載されている。またMobage版シンデレラガールズにて「第2回ドリームユニット決定戦」を4月下旬開催予定としている。
Mobage版「アイドルマスター シンデレラガールズ」については、ゲーム内イベント「アイドルLIVEロワイヤル」を近日開催予定。イベント限定アイドルとしてSレア上条春菜が登場する。
デレステについて、「10th ANNIVERSARY TOUR FINAL記念スペシャルガシャセット」が販売中。特別なスカウトチケットを始めとしたセットとなっている。期間限定の新SSレアアイドルについても告知している。また、ゲーム内イベント「シンデレラキャラバン」を近日開催予定となっている。
10周年ツアーを振り返るBlu-ray Boxの発売を告知。MerryMaerchen Land(福岡公演)と、Celebration Land(千葉公演)を収録したBlu-ray BOXは7月6日に発売。詳細は日本コロムビア内アイドルマスター公式サイトならびに、アソビストアにて掲載されている。
シンデレラガールズの10年間の歴史を記録した「シンデレラライブラリー」を近日公開予定としている。
2022年5月から、BS日テレにてTVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」を再放送。あわせて、シンデレラガールズ10周年記念アイテムを紹介してくれる通販番組「ショッピングワンダーランド」を放送する。
2021年に渋谷で開催された10周年記念衣装展の第2弾の開催が決定。詳細は後日発表する。
コラボ展開については、SEIKOとコラボレーションした10周年記念腕時計の受注を開始。また「TOWER RECORDS」とのコラボ展開も告知している。
ツアーファイナル公式グッズの販売や、ツアーファイナル開催記念グッズを発売。また10周年記念フィギュアとして、島村卯月の「シンデレラ・コレクション」着用姿のフィギュア化が進行中となっている。
THE IDOLM@STERTM&(C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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