標準的なテスト手順なら、ここで高さを6フィート(約1.8m)に変えてテストを続行するところだ。前面は既に大変なことになっているので、テストはスキップして、高さ約1.8mからの背面テストに進むことにした。
この時もまた筆者の操作ミスによって、背面ガラスを平らに落とすはずが、フレームの右上隅から落ちてしまった。ざっと調べたところ、背面ガラスの上部から細いひびが1本入っていた。
次はもっとうまく落とす自信があったので、続行を宣言してもう一度落とす。
やり直しの落下テスト3(回数的には5投目)も最高の落ち方ではなかったが、合格とした。これ以上このiPhone SEを傷つけるのは忍びないというのが最大の理由だ。
背面の下半分にはひびがかなり広がり、左から右にかけて波紋のようになった。特に大きい2本のひびが、右上隅で交わっている。前面が無事なら、良いケースを使っていれば隠せるだろう。もちろん、このテスト機の前面は無事ではないのだが。
前面ガラスは、ホームボタンの右に大きく穴が開いた。その部分のガラスはごっそり欠け落ちていて、黒いベゼルの下の内部機構が見えている。驚くべきことに、「Retina HD」ディスプレイはまだ機能していて、タッチ操作にも反応する。ただし、危ないのでスワイプは最小限にとどめておくべきだろう。
通常ならば、次は脚立にのぼって9フィート(約2.7m)の高さからテストを続けるのだが、あまり意味がないと判断した。このiPhone SEはもう十分苦しんだ。このデザインのモデルで落下テストを行ったのはiPhone 8が最後だったが、その時の結果も同じくらいドラマチックだった。
筆者のiPhone SEにとっては最悪の日になったわけだが、こうなると、本当に「スマートフォンの中で最も頑丈なガラス」とは言えないことになるのだろうか。筆者にはどちらとも言えない。これは、制御された条件下で実施した科学的なテストではないからだ。筆者と同じことしたらどういうことが起きるか、その可能性を示す実験にすぎない。とはいえ、やはり、Appleは惜しまずにCeramic Shieldを使った方がよかったのではないだろうか。
今回の実験で分かる最も大切なことは、いつもと変わらない。どんなに頑丈なガラスとうたわれていようと、使ったお金を無駄にしたくなければ、スマートフォンはケースに入れようということだ。
これには、Appleも同意しているようだ。コメントを求めたところ、Appleの広報担当者はこう答えてくれた。「iPhone SEは素晴らしい耐久性を備えており、前面と背面はスマートフォンの中で最も頑丈なガラスで保護されている。全モデルとも厳重な実地テストを経たうえでの、耐久設計だ。ただし、全く損壊しないわけではない。美しいケースが色々と出ているので、iPhoneを落として損傷してしまう心配がある方には、それを使って保護することをお勧めする」
この落下テストをはじめ、数々の動画は、米CNETのYouTubeページでご覧いただきたい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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