朝食を食べた後は次の島へ移動。やってきたのは映画「護られなかった者たちへ」のロケ地でもある桂島だ。
桂島では、島に住んでいる内海さんにペットボトルホルダー作りを教えてもらった。各々好きな色の紐を取り、編んでいくことでホルダーにしていく。先生をすぐ呼ぶ人、独自に突き進んで間違う人など性格が出る作業となった。こういった交流はお互いを良く知るきっかけにもなっており、良いレクリエーションだった。
この日は、ほかにも野々島でシーカヤックの体験も予定されていたが海が荒れていたため、陸での体験に変更となった。こんな写真をわいわいと撮れるほどワーケーションのバケーション部分を満喫して、塩竈本土へ。
ここからは自由行動。筆者が向かったのは地元でも有名なお茶屋さん「矢部園」。いろいろなお茶を試飲させてくれるお店で、急須とお土産用の茶葉を購入した。
今回の副業型ワーケーションでは、塩竈でいくら使ったかも指標のひとつとなっている。参加者の中には給料としてもらった3万円のほとんど使って帰る人もいた。地元の人と関わったことで、普段の旅行よりその土地にお金を落として帰ろう、という気持ちが高まったのではないかと思う。
そして、塩竈といえばやはりお寿司。3日目の夜は地元の方に愛されるお店でお寿司を満喫。さらに、最終日となる4日目の朝は、塩釜水産物仲卸市場で好きな具材を選んで海鮮丼を楽しみ、最後の体験へ。
最後の体験は、参加者とディスカッションもした「シーフーズあかま」の赤間さんに船に乗せてもらい、わかめ養殖の様子を見せてもらうという内容。まだ種付けされたばかりのわかめを見せてもらい、収穫までの流れを聞いた。
「“友だちがつくったニンジンです”、ってやりとりは都会の人でも身近にあるかもしれないけれど、“友だちが作ったわかめです”はなかなかないと思う。ワーケーションを通してこうやって関係性が築けると、わかめに対して興味も持ってもらえるし、友だちが作ったわかめのような感覚で食べてもらえる。わかめの養殖や収穫は初めての人でも簡単に体験できるので、こういう機会を増やしていけたら」(赤間氏)
わかめ養殖の体験で4日間の工程がすべて終了。名残惜しさも感じつつ、すっかり第2の故郷のように感じられるようになった塩竈を後にした。
以上、塩竈市で開催された副業型ワーケーションのレポートをお届けした。今回のワーケーションはテストマーケティングという位置付けではあるが、自治体などが誘致するワーケーションとしてひとつの成功事例ではないかと思う。
とはいえ、長期的な副業となるようなマッチングを実現できるのか、交通費宿泊費をどう捻出するかなどの課題はある。だが、その課題について、参加者を巻き込みながら話し合っている様子を見ていると、解決するのは時間の問題かもしれない。
地方創生において、地域の人々と継続的に多様に関わる「関係人口」が話題になることが多い。副業をマッチングするワーケーションはまさに関係人口を創出しており、今後この形が増えてくるのではないかと予感させる体験だった。
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