Meta（旧Facebook）はメタバースで何を目指すのか--担当VPに聞く（3） - (page 2)

——VRヘッドセットは複数のログイン形式に移行するとのことですが、Facebook以外のアカウントでログインできるようになるのですか。Metaは、こうしたハードウェアがFacebookやInstagram以外の空間に広がっていくことを許容することにしたのでしょうか。

　この件に関しては、まだ詰めなければならないことがたくさんあります。今日申し上げたように、細部が決まり次第、随時発表していく予定です。ただ、これまでにいただいたフィードバックから、ユーザーはハードウェアをFacebookアプリのアカウントに紐付けることを必ずしも望んでいないことが分かりました。具体的な対応方法については、今後の発表お待ちください。

——Metaが壮大な未来のビジョンを持っていることは分かりました。では、今後1年間の展開として、注目すべきものは何でしょうか。

　1年間という短いスパンでは、引き続き既存のものに注力し、改善していくことになるでしょう。アバターやHorizon Worldなどです。Horizon Workroomsには、まもなくカスタマイズ機能が追加され、1つのワークルームに参加できる人の数が増える見通しです。

　短期的には、未来の大きな可能性をうかがわせる体験が出てくると思います。こうした体験が今後どう進化していくか、他のスクリーンやデバイスにどのように統合されていくかについては、具体的な製品の発表に合わせてお話できればと考えています。

——（今年の）Connectからは不思議な感覚を受けました。この1週間は濃密でした。もっとも、（Metaの）トーンはとても楽観的で、非常に未来志向でした。イベント中にもたくさんの分科会があり、「未来を考えよう」というムードであふれていましたね。その一方で、御社は現在、さまざまな懸念にも直面しています。こうした懸念をMetaは十分に真剣に受け止めていない、問題に正面から向き合おうとせず、ただ未来に突っ走ろうとしているという声も聞こえてきます。

　もちろん、過去から逃げたりはしていません。そのつもりなら、今回のような発表をするでしょうか。私たちの活動への注目度が下がるどころか、高まるだけなのですから。第2に、新しいロゴとブランディングもこれまで積み上げてきたものを継承しています。おなじみのFacebookブルーですし、フォントも変わっていません。私たちは今日の課題から逃げることなく、こうした課題に深く取り組み、積極的に会話に参加しています。

　しかし、今週の決算発表でも強調したように、当社はこの分野に多額の投資をしています。その額は2021年だけで推定100億ドルに上る見込みです。タイミングの観点から言うと、現在の投資規模とその理由、そして長期的な展望をお伝えできたこと自体は、従業員、社会、投資家の皆様とのコミュニケーションという意味では重要でした。

　一方、タイミングはというと、もちろんずっと前から予定されていたもので、Connectもかなり前から計画されていたとはいえ、残念な着地になりました。しかし、私は現在の製品において私たちしている仕事をとても誇りに思っていますし、未来に向けた取組みを続けられることを心から誇りに思っています。未来とは、本質的に人間に属するものです。私たちは会社として、常に人々の側に立ってきました。そしてこれからも人々の側に立ち続けるつもりです。