Astroの初期の人格形成の愛らしい例を見るには、ダンスを頼むといい。すると、音楽を再生し、それに合わせて貨物エリアといえばいいのか、その部分を少し揺らすのだ。音楽といえば、Astroのラウドスピーカーは床で増幅され、低音を問題なく落とせる。おしゃべりなAlexaと異なり、Astro自身には声はなく、人間とのコミュニケーションは、ディスプレイの表示と、「スター・ウォーズ」の「R2-D2」に似たビープ音を介して行う。
Astro体験はいろいろあるが、私が驚いたことを幾つか紹介しよう。
ロボット掃除機のようにホコリを吸い上げる義務がないため、Astroは大きなホイールでフロアを高速で動き回れる。その勢いで、小さな起伏であれば問題なく乗り越えられる。また、障害物にぶつかるまで近づき、戻って向きを変えなければならないロボット掃除機とは異なり、Astroはその広い視野とフロアマップ情報により、ペットのように動き回れる。これにより、「Astro、キッチンに行って」などの命令を迅速に遂行できる。
ディスプレイ付きのAstroは、ネコよりは背が高く、目の高さは小型犬くらいだ。だから、Astroが家の中を走り回りつつ搭載するカメラに映している視界をリモートで見ると楽しい。回転式のディスプレイはユーザーとコミュニケーションしやすいように斜め上を向いてはいるが、「Segway」のようなベースメントにディスプレイを搭載するテレプレゼンスロボットのように、ディスプレイの高さが目と(ディスプレイの)目を合わせられる方がいいことがすぐに判明した。残念ながら、これを実現しようとしたら重心が崩れてしまうだろう。背が高くなれば、Astroはより目につきやすくなっただろう。AmazonはまだAstroをペットとして扱ってはいないが、個性を伸ばす意図は示している。Astroの処理能力とモーション機能のレベルをもってすれば、見た目はそうでもないが、ソニーの「Aibo」よりも豊かなeペット体験を可能にするだろう。
その背の低さにもかかわらず、AmazonはユーザーにAstroの存在に気付いてほしいと考えている。その外側には明るい色が採用されており、ドッキングステーションを含めると家庭で最大の電子機器の1つになる可能性がある。人が近づくとためらわずにディスプレイを明るくする。Echo Showのディスプレイが動くときのモーター音の静かさとは対象的に、Astroが動き回るときには大きな音がする。潜望鏡のようなカメラを伸ばすときにも気づきやすくするには、空港を走り回るゴルフカートに似た車両に付いているような回転灯を追加する必要があるだろう。
私は以前Astroの記事で、脅威としてのロボットに対する根強い文化的感受性について触れた。一般的に優れた設計原則と比較して、Astroの設計にそうした感受性がどの程度影響しているかは不明だ。Astroの初期の購入者は確実に、迷信に近いほどの不安を感じてはいないだろう。だが、機能が向上するにつれて、家庭用ロボットはペットとアシスタントのハイブリッドとして、信頼できる家族の一員になる必要がある。Amazonは家庭用ロボット参入の第一歩で、Astroを家に迎え入れる際の安心感を増すために尽力した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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