ライカ×シャープ、スマホカメラを共同開発--1インチセンサー搭載5Gスマホ「AQUOS R6」

 シャープは5月17日、ライカカメラ監修のもと、スマートフォンとして最大級の1インチセンサーを搭載した5G対応スマートフォン「AQUOS R6」“co-engineered with Leica”を発表した。発売は6月中旬以降で、NTTドコモおよびソフトバンクから2021年夏モデルとして発売予定だ。価格は「前の機種(AQUOS R5G)前後という想定」としている。

約6.6インチのWUXGA+(1260×2730ドット)「Pro IGZO OLED」を搭載した「AQUOS R6」
約6.6インチのWUXGA+(1260×2730ドット)「Pro IGZO OLED」を搭載した「AQUOS R6」

 シャープとライカは、2020年3月よりスマートフォンカメラの開発・設計で協業を開始。第一弾として、センサー・レンズの設計、画質の調整まで含めたカメラシステムを開発したものがAQUOS R6だ。サイズは約162mm×74mm×9.5mm、重さは約207g

AQUOS R6の主な特徴
AQUOS R6の主な特徴

 スマートフォンとして最大級の1インチセンサーと、ライカのレンズ「ズミクロン」の称号を得たF値1.9/焦点距離19mmの7枚構成レンズの採用により、圧倒的な集光量で暗い場所でも高感度、かつ広角から望遠までひずみを抑えた撮影を可能にしている。

 さらに、スマートフォンが得意とするコンピュテーショナルフォトグラフィー(デジタル画像処理技術)を融合。デジタルズーム時にも細部の輪郭まで緻密に再現できるほか、夜景撮影時にはノイズを抑えたダイナミックレンジの広い描写が可能になる。

F値1.9/焦点距離19mmの7枚構成レンズを採用
F値1.9/焦点距離19mmの7枚構成レンズを採用

スマホカメラとデジタルカメラを融合させた「AQUOS R6」

 AQUOS R6では、カメラそのもののあり方を見直すところから始めたという。昨今のスマートフォンは高性能デジカメに近いクオリティの写真撮影ができるようになっている。

スマホカメラとデジタルカメラを融合と説明する、シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏
スマホカメラとデジタルカメラを融合させたと説明する、シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏

 これについて、「スマホのカメラは、高度な演算処理、いわば“知力勝負”で物理的なハンデを補ってきた。ただ、そろそろこの工学的な制約を超えるのが難しくなっており、技術の限界に達しつつあると感じている。一方のデジタルカメラは比較的余裕のある本体サイズに大きなセンサーやレンズを搭載し、一般的にたくさん入ってくる光をあまり加工せずに記録する、いわば“体力勝負”で画質を向上してきた」(シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏)という。

 そうした背景から、スマホカメラとデジタルカメラを融合させたのがAQUOS R6の考え方だ。「高性能デジタルカメラのような優れたセンサーとレンズに、スマートフォンの優れた演算能力・アルゴリズムを組み合わせたことで、体力・知力の両方を兼ね備えたカメラが誕生した」(小林氏)と説明した。

演算処理ではないボケ味が得られるという
演算処理ではないボケ味が得られるという

 なお、1インチ以上のセンサーを搭載する可能性について、「1インチより大きくしようとするとレンズの屈折率に限界が来る。レンズの部分でイノベーションが必要。着脱式などをやらないと、マイクロフォーサーズのようなものは現時点では難しいのではないか。ただ絶対にないとは言い切れない」(小林氏)とコメントしている。

超広角の19mmから標準24mm、望遠6倍152mmまで撮影できる
超広角の19mmから標準24mm、望遠6倍152mmまで撮影できる

省エネ性能とクリアな表示を両立、OLEDディスプレイ「Pro IGZO OLED」

 ディスプレイには、世界初の1Hz-240Hzで駆動する約6.6インチのWUXGA+(1260×2730ドット)「Pro IGZO OLED」を搭載した。表示コンテンツに応じて、駆動速度を自動で切り替え、高い省エネ性能と、滑らかで残像を抑えたクリアな表示を両立。

省エネで美しい「Pro IGZO OLED」を搭載
省エネで美しい「Pro IGZO OLED」を搭載

 10億色の色彩階調と2000万対1の高コントラスト、2000nit(cd/m2)の高いピーク輝度により、HDRコンテンツを明るく臨場感のある立体的な映像で表示する。

高い処理性能を持つ最新のCPU「Qualcomm R Snapdragon 888 5G Mobile Platform」搭載
高い処理性能を持つ最新のCPU「Qualcomm R Snapdragon 888 5G Mobile Platform」搭載

 加えて、高い処理性能を持つ最新のCPU「Qualcomm R Snapdragon TM 888 5G Mobile Platform」と、高速かつ高精度な指紋認証を実現する「Qualcomm R 3D Sonic Max」、5000mAhの大容量バッテリーを採用している。

 また、昨今のマスクが手放せない状況化を踏まえ、顔認証と指紋認証の両方に対応し、シーンによって使い分けられる。「利便性を持たせるのは市場のニーズと捉えている。指紋認証にも力を入れた」(小林氏)と説明した。

大容量バッテリを搭載
大容量バッテリを搭載
3D超音波式の指紋センサーを搭載
3D超音波式の指紋センサーを搭載

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