再生可能エネルギーのLooopが2位に浮上--2020年11月の資金調達・時価総額ランキング

 フォースタートアップスは12月17日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2020年1月から11月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達額ランキング」を発表した。

キャプション

 それによると、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービスを提供するLooopが36億4000万円の調達を実施。調達金額は、123.5億円で2位に浮上した。同社は6月に、ENEOS、NECキャピタルソリューション、双日、日本グリーン電力開発など全6社から28億3000万円を調達しており、ENEOSとは資本業務提携も締結している。

 同件では、資金調達や引受先との協業により、発電やエネルギーマネジメントに関する同社の専門性に各企業の新たな知見を結集した新サービスを開発し、同時に全国規模において営業基盤の強化を図るとしていた。

 スペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組んでいるスタートアップのアストロスケールホールディングスは、シリーズEで総額55億円の資金調達を実施し、4位にランクアップ。同社は、シンガポールを本社拠点、日本をR&D拠点として事業を展開している。

 また、登記簿情報より3月におけるVPP Japanの10億円の調達を新たに確認し、同社の累計調達額は110億円に更新された。VPP Japanは3月に、みずほ銀行をエージェントとしたシンジケートローンによる総額100億円の資金調達を実施。また、アイ・グリッド・ソリューションズ、伊藤忠商事を引受先とした第三者割当増資による資本業務提携を実施している。

 今回ランクインした企業のうち累計資金調達金額が100億円を突破している企業は、11月リリースの国内スタートアップ資金調達ランキング(2020年1〜10月)から変化はなく、Mobility Technologies、VPP Japan、ヘイ、Looop、アストロスケールホールディングス、Paidy、ティアフォー、五常・アンド・カンパニー、FiNC Technologies、Spiberの10社となっている。

キャプション

 ランクイン企業20社のうち、設立5年以内の企業は全体の約半数の9社。2020年12月時点でティアフォーが設立から5年以上経過したため、統計上、先月より1社減少している。中でも、VPP Japan、アストロスケールホールディングスは設立5年以内で累計資金調達金額が100億円を超えていることがわかる。

スマートロックのビットキーが想定時価総額15位に

 同社では、12月10日時点での「国内スタートアップ想定時価総額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業は除外されている。

 それによると、11月のランキングでは17位であった、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドと20位の資産運用ロボアドバイザー「WealthNavi」を展開するウェルスナビが、ともに東証マザーズへの新規上場承認が発表されたことから、ランキング非掲載となった。

キャプション

 かわりに、ブロックチェーン技術を基盤としたスマートロック「bitlock」を提供するビットキーが15位に、大型リチウムイオン電池および、蓄電システムの開発を行うエリーパワーが20位に新規ランクインしている。

 ビットキーは、独自のキーテクノロジー「次世代ID/Keyビットキー」を提供するスタートアップ。あらゆるシーンで欠かせない鍵を再発明すべくキーテクノロジー事業を展開している。

 2019年4月には月額500円から利用できるスマートロック「bitlock LITE」、2019年7月には集団玄関のオートロックドア向けスマートロック「bitlock GATE」を発売。2020年10月には、働く空間において人と仕事の間のあらゆるものをつなげ、働き方に即した体験を提供することができるコネクトプラットフォーム「workhub」の提供を開始している。

 エリーパワーは、釘を刺しても押し潰しても過充電しても発煙・発火しない、世界トップレベルの安全と性能をもつ大型リチウムイオン電池を開発・製造。2011年には、ドイツの国際的な第三者認証機関テュフラインランドが定める過酷な試験条件が盛り込まれた安全規格を通過。大型リチウムイオン電池として、世界で初めて安全基準認証「TUV-Sマーク」を取得している。

 なお、2006年以来コンスタントに10億円を超える大型調達を実施しており、エリーパワーの累計調達額は、Spiber、Mobility Technology、Paidyに次いで4位となっている。出資の引き受け先は、ゴールドマン・サックス、ジャフコグループ、ニッセイ・キャピタル 、SBIインベストメントなどが名を連ねている。

 さらに、今回時価総額ランキング3位に浮上したプラスチックや紙の代替となる世界初の新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売するスタートアップのTBMも、11月にアデランス、島精機製作所、日本テレビ放送網、電通グループ、QUANTUMなどから20億6000万円の資金調達を実施。

 調達した資金は、「LIMEX」や「CirculeX」などの環境配慮素材の用途拡大や、資源循環を実現するサプライチェーンの強化に充当。今後もサステナビリティ領域におけるイノベーションを推進していくという。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]