最後に門崎熟成肉の専門店「格之進」を首都圏に9店舗展開し、“肉おじさん”として知られる門崎の千葉祐士社長も登場し、米ラスベガスで2019年に開催された「2019 International CES」で「Best of CES」を獲得したことで話題になったプラントベーストフード「Impossible Burger」を使ったハンバーグと、格之進の「黒格ハンバーグ」との食べ比べならぬ“食べ並べ”が行われた。
Impossible Burgerはパッケージから取り出して練って成形しただけのもので、味付けなども全く行っていないという。
「Impossible Burgerは『代替肉』と表現されるが、お肉に代替するものというより、新しい分野の、『お肉に近いフィールドの食材』だと感じた」(千葉氏)
筆者もImpossible Burgerと黒格ハンバーグを食べ並べする機会を得た。焼くとふっくらと盛り上がってジューシーさが際立つ黒格ハンバーグとは違い、焼いても盛り上がらず、焼き目の付き方も異なるのが分かった。食べてみると、黒毛和牛だけを使った黒格ハンバーグとはおいしさもジューシーさも段違いではあるが、Impossible Burgerをそのまま使って何の工夫もしていないものだと考えると、その可能性の大きさにはうならされるものがあった。
「格之進ハンバーグは月間10万個以上売れており、トップクラスだと自負しているが、Impossible Burgerをベースに改良していけば、ちょっと勝てるかどうか自信がない。(こうした食品の登場によって)消費者のマインドが変わる。支持されるのはテロワール(生産地の地理、地勢、気候などの特色)や文化に従ったものや、サステナブルな環境。地域や文化に根ざした、理由のあるものづくりが支持される社会になっていくのではないかと感じた」(千葉氏)
最後に外村氏は次のように語った。
「食べ物にテクノロジーが入ることで逆に視野が広がった。『おいしいものを食べる』ことだけでなく、『より健康に』『より地球環境に優しく』といったように、よりよくしていく方向にフードテックがこれからどんどん入っていく。最初にBites!の話をした時に、『同業他社が一緒にやれるのか』と聞かれた。しかしプロジェクトチームの皆さんが議論してカルチャーが変わってきていて、シリコンバレーカルチャーに近いものになってきている感じがする。われわれは1500社のスタートアップのアーリーステージを見ており、世界中から選りすぐったスタートアップを連れてきて、新しいものを作っていくだけでなく、世界のメンターがサポートする。こうした三位一体の組み合わせはこれまでなかったと自負している。幸せな人を作り、より環境を守る形で発展させていきたい」
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