野村不動産×デジタルガレージが突き動かす不動産のDX化--売買契約関連書類の電子化へ - (page 2)

ミーティングは週1で、エンジニアが業務の最前線を理解

――今回、野村不動産とデジタルガレージの2社で電子化を推進されました。2社の協力から生まれたメリットは。

執行氏 プラットフォーム開発はすでに何件も手掛けていますが、不動産会社の方が実務の中で使うには、どうあるべきかは、私たちでは完全に理解はできません。その部分を実際に手がけている野村不動産の方にMusubellの開発協力をいただいたことで、いいものができたと思っています。

 契約に関する業務フローは不動産会社ごとバラバラで、その内容も異なります。野村不動産の業務フローをもとに、ご意見をいただきながらシステムの構築ができたため、野村不動産の方はもちろん、不動産業界の皆様に使っていただきやすいものになったと感じています。

伊藤氏 社内でも電子化に向けての取り組みについては何度も検討を重ねました。しかし、プラットフォーム事業で実績を持つデジタルガレージの方とご一緒させていただくことで、スピード的な期待もできるだろうと考えました。

 また、すでにクラウドサインを提供する弁護士ドットコムの方とのつながりがあった点も大きいですね。電子署名の部分までお願いできることは、決め手の1つでした。

――実際にどうやって2社でシステムを構築していったのでしょう。

伊藤氏 野村不動産からは4~5人、デジタルガレージの方は6~7人がスタッフとして参加しチームを作りました。私たちからは、不動産契約業務フローや書類種別の共有等の開発協力などをしています。システムのルールを決める初期の段階から、緊急事態宣言時を除いて現在まで、ほぼ毎週ミーティングをして、かなり密に連携をとりました。

執行氏 システムを作る上で特に気をつけたのは、とにかく使いやすくすること。使い方が難しいと面倒になり、業務内で使っていただけませんから、その部分は徹底的にこだわりました。

 実際、契約業務の部分は実務を理解しないと使い勝手の部分で支障がでてしまいますから、開発を担当するエンジニアまで業務を理解するようにしていました。この辺りは野村不動産の方とのコミュニケーションが取れて始めてできる部分です。当初の想定と過程の中でシステムの内容を変えながら作っていきました。

伊藤氏 デジタルガレージの方はみなさん不動産業務にも精通されていますが、不動産会社ごとに手続きのフローは異なりますので、野村不動産の実務を説明しながら、作っていただきました。質疑応答も繰り返しましたし、密な連携はこの辺りに生きていると思います。

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