ルワンダ製スマホを手に入れたので、続いては現地のSIMカードの調達だ。ルワンダ には「MTN」と「Airtel」という2大携帯キャリアがある。Mara Xを購入したKigali City Mallにはどちらのキャリアショップもあるが、今回は黄色がトレードカラーのMTNでSIMカードを買うことにした。
MTN Service Centreに行き、店員にSIMカードを購入したいことを伝えると、まず登録用書類に必要事項を記入するように求められる。具体的には、パスポート番号やルワンダでの滞在先などだ。
記入を終えた書類をもってサービスカウンターへ行くと、ベテランの風格漂う男性店員が応対してくれた。スマートフォンで使用するSIMカードのサイズを聞かれたので、Mara Xを使うことを伝えると、店員がSIMカードを専用の器具でカットしてくれるのだが、その後にアクシデントが発生。
あろうことか、その店員がmicroSDカードの挿し口に間違えて、nanoSIMカードを挿してしまい、買ったばかりのMara Xは突然「ピーーー」という異音と共にリカバリーモードに突入してしまった。道端にたくさんいるSIMの売り子ならまだしも、キャリアショップでこのような凡ミスをされるのはショックが大きい……(もちろん他の店員はそんなことはないかもしれない)。
しかも、その店員のSIMのカットの仕方が甘かったのか、microSDカードの挿し口に挿し込んだSIMカードが引っかかって一向に抜けない。「ああ、買ったばかりなのにもう文鎮化してしまうのか」と諦めかけたが、店員がSIMピンなどを使い5分近く奮闘して、何とか取り出すことに成功!SIMカードを正しい挿し口に挿し込むと、Mara Xは無事に復活した。そして、店員は何事もなかったかのように、再びSIM登録の手続きを開始したのだった……。
今回は、そのまま店員がSIMの開通手続きをしてくれたのだが、自分で開通する場合には以下の手順となる。(1)SIMカードに金額をチャージできるプリペイド式のトークン「エアタイム」カードを購入して、書いてある番号に発信をする。(2)「*345#」に発信するとメニューが表示されるので、使いたい期間とデータ容量を選ぶ。
私はここで4Gの2週間プランにして欲しいと伝えた。すると、料金はデータ容量2GBで2000ルワンダ フラン(約200円)とのこと、日本と比べると格安だ。ちなみに、ルワンダにはMTNやAirtelのチャージができるスポットはいたるところにあるため、使い切ってしまったらどこでもすぐにチャージできる。
無事にSIMの契約が終わり、これで晴れてルワンダの4Gネットワークが使える!と喜んだものの、スマートフォンの優先ネットワークのタイプを4Gにしても、残念ながら滞在中に4Gのネットワークを掴むことはなく、常にMara Xの画面には「3G」の文字が表示されていた……。料金が異常に安かったが、店舗スタッフは間違いなく4Gに設定していた(写真参照)。では、そもそも同国に4Gエリアがほとんどないのだろうか。
事前情報では、ルワンダは4Gのエリアカバー率がすでに95%以上に達していると聞いていたが、現地の日本人やルワンダ企業の社員など複数人に確認したところ、4Gは料金が高く、ほとんどの消費者は4Gに移行せず、3Gのままサービスを使っているそうだ。また、エリアカバー率が9割超えと政府はアピールしているが、全国で4Gが使える状況になっている実感はないとのことだった。滞在中にその真相を確かめることはできなかったが、同国で思い切り高速通信を楽しめる日が来るのはもう少し先になりそうだ。
以上、前編ではルワンダ製スマホの入手から、現地SIM契約までの模様を紹介した。後編では、ルワンダで使われている配車アプリや、フードデリバリーアプリの体験レポートをお届けする。
(取材協力:神戸市「KOBE STARTUP AFRICA in Rwanda」supported by Tiger Mov)
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