ソフトバンク、5Gサービスを3月27日に開始--2年間は4Gプランと同価格

 ソフトバンクは3月5日、次世代モバイルネットワークである5Gの商用サービス「SoftBank 5G」を3月27日に開始すると発表した。NTTドコモ、KDDI、楽天に先駆けて5Gのサービス詳細を披露することになる。

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4Gプランに+1000円で5G対応に(2年無料)

 3月27日以降、契約している対象プランに、「5G基本料」(月額使用料1000円)を加えることで、SoftBank 5Gのネットワークが利用可能。また、5G基本料が2年間無料になる「5G無料キャンペーン」を8月31日まで実施。4G料金と同じ価格で5Gが利用できるという。ソフトバンク代表取締役副社長兼COOの榛葉淳氏は、「料金プランは、全国のみなさんが享受できるべきであり、5Gは段階的にエリアが広がる。そのため、5G基本料金は2年間無料にする」と述べた。

 5G基本料が適用できるのは、「基本プラン(音声)」「基本プラン(データ)」に加え、「データプランメリハリ」「データプランミニフィット」「データプラン1GB(スマホ)」「データプラン1GB(ケータイ)」「データシェアプラス」。

 特に、データプランメリハリを組み合わせた「メリハリプラン」は、ウルトラギガモンスターの後継プランに位置づけられるもの。YouTube、Twitter、Facebook、LINE、Amazon Prime Videoなど主要な動画サービス、SNSのデータ通信量がカウントフリーになるほか、50GBまで利用できる。5Gを利用する場合の月額利用料は、基本プランが月額980円、データプランメリハリが月額6500円、5G基本料金が月額1000円(2年間無料)かかるが、「おうち割 光セット」「半年おトク割」「みんな家族割+(4人)」を組み合わせると、半年間、月額3480円で利用可能となる。

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3月12日から提供開始する「メリハリプラン」

 今回は、4Gから5Gへの移行期間であることから、既存プランをベースとした料金体系となったが、無制限プランについても社内では検討しているという。質疑応答で榛葉氏は、「お客様の声、マーケット、5Gインフラの整備状況を見ながらしかるべきときに発表したい」と述べた。

5Gを生かしたエンタメコンテンツ「5G LAB」

 詳細は別記事で紹介するが、「5Gでなにをするか」に応えるべく、エンタメコンテンツ「5G LAB」を発表。4Gでも利用可能だが、5Gで最大のパフォーマンスを体験できるという。「AR SQUARE」「VR SQUARE」「FR SQUARE」「GAME SQUARE」の4サービスで構成される。AR SQUAREでは、アイドルやキャラクターなどを、拡大・縮小・回転して自由に鑑賞したり、スマホのカメラを通して、好きなアイドルやキャラクターを出現させ、現実の背景や人物と一緒に写真や動画を撮影できる。

 VR SQUAREでは、音楽ライブやスポーツ観戦などをVRで視聴できるほか、FR SQUAREでは、複数の視点をリアルタイムに切り替えてスポーツ観戦が可能。福岡ソフトバンクホークス本拠地のPayPayドームには、5Gアンテナと60のカメラを設置。決定的な瞬間を自由な視点から視聴できる。月額500円のサービスだが、先述のメリハリプランでは、5G LABの料金も無料となる。さらに、GAME SQUAREでは、クラウドゲーミングサービス「Geforce NOW」と連携。400のタイトルが月額1800円で利用可能だ。

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5Gあますことなくエンタメに活用するコンテンツサービス「5G LAB」も発表

5Gスマートフォンは4機種ラインナップ

 5G回線を利用するには、別途対応スマートフォンを購入する必要がある。同社では、5G対応端末として、デュアルディスプレイに対応したLG製「LG V60 ThinQ 5G」、8K撮影ができるハイエンドモデルのシャープ製「AQUOS R5G」、ミドルレンジに相当するZTE製「ZTE Axon 10 Pro 5G」、エントリークラスのOPPO製「OPPO Reno3 5G」をあわせて発表。

 AQUOS R5Gと、Axon 10 Proについては価格が発表されており、前者が12万9600円、後者が8万9280円(どちらも税込)。V60 ThinQ 5GとReno3 5Gの価格は発表されていないものの、V60はハイエンドモデルとなり、R5Gと同じ価格帯になるという。また、OPPOについて榛葉氏は「驚くような低価格で5Gを楽しめる」と期待感をもたせた。なお、5G対応モデルを購入したユーザー先着4万人に、VRゴーグルをプレゼント。先述のVR SQUAREがより楽しめるという。

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5Gスマートフォンは4機種をラインナップ

5Gは2021年中に人口カバー率90%を目指す

 5G対応エリアは、東京都、千葉県、大阪府、石川県、愛知県、広島県、福岡県の一部となっており、東京都、大阪府及び広島県広島市の対象エリアと、千葉県と愛知県の一部の対象エリアにおいては、3月31日に対応。まだまだごく一部のエリアでしか利用できないが、計画を2年前倒しで2021年中には人口カバー率90%を目指すとする。オリンピック開催のタイミングでは、全国エリアとしては非常に狭いものの、会場周辺には優先的に5Gアンテナを設置しているという。

 会見冒頭に登壇した榛葉氏は、基地局のカバレッジについて「4000、8000、数万レベルではなく、全国に23万の基地局がある。これがプライオリティに5G基地局になる」と、楽天モバイルの基地局数(2020年3月末で4400以上を予定)を彷彿とさせる数字を引き合いに、自社カバレッジをアピール。さらに、5Gの特徴である高速・低遅延・多接続を実現する、「Massive MIMO」技術についても、「世界に先駆けて3年半前から導入。(輻輳エリアを中心に)実践でブラッシュアップしてきた」としたほか、「誇るネットワークインフラがあるからこそ5G時代が実現する。これに満足することなく、もっと増強していく」と強調した。

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ソフトバンク代表取締役副社長兼COOの榛葉淳氏

 Massive MIMOアンテナについては、現時点では4G専用で、そのまま5Gに転用できるわけではないものの、複雑な運用ノウハウの知見をためており、それを生かすことで、輻輳エリアでの高速化に寄与するとしている。

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「Massive MIMO」にも先駆けて導入したとする
【3月5日13時00分追記】

プラン詳細や質疑応答時のコメントを追記しました。また、タイトルを修正しました。

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