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MRヘッドセット「Magic Leap」が描く“解放”された世界--アボビッツCEO初来日インタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部) 安蔵靖志2020年02月07日 11時08分
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コンシューマー向けに幅広いエンタメを提供

——現在はどのようなコンテンツが作られていて、実際に活用されているのでしょうか。また、今後どのようなシーンで活用できるようになりますか。

 現在、Magicverseに登録するデベロッパーは10万人を超えており、数千人がパブリッシャーとしてコンテンツ開発を進めています。

 まず、ユースケースとしてはエンタープライズ向けとコンシューマー向けの2つに分けて考えています。コンシューマーについては、ごく一部のアーリーアダプターがMagic Leap 1で実験をしていますが、多くのコンシューマーが利用するようになるのはMagic Leap 2もしくは3くらいだと考えています。

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 しかし、日本においては、Magic Leap 1のアーリーアダプターは欧米よりも多くなり、Magic Leap 2で拡大するのではないかと見ています。Magic Leapのコンテンツは、スポーツメディアや映画、写真、ニュース、ビデオゲーム、教育などのさまざまなカテゴリでコンシューマー向けに作られていくでしょう。

——もう少し詳しく教えてください。例えばどのようなコンテンツが考えられますか。

 NBA(米国の人気バスケットボールリーグ。2018年にMagic Leapと提携を発表)を例に挙げてみましょう。Magic Leapの世界の中に数多くのテレビを作り上げてNBAのゲームを見ることができます。また、バスケットボールコートを部屋の中やテーブルの上に作り上げ、別の場所で行われている試合の様子をリアルタイムで再現するといったことが可能になります。

 例えばシャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ、マイアミ・ヒートなどで活躍した元NBA選手)のような有名選手を、フルサイズで自分のオフィスに投影することもできます。

 ほかにも、2次元の映像を空間内に投影するのではなく、映画の世界観を現実に投影する「シネマティック・リアリティ」なども可能です。例えば宮崎駿監督の「もののけ姫」の森を再現し、その中に入り込んでいく。その中に現れる等身大の映画のキャラクターと出会えるというものです。

 Magicverseを使えば、公園全体や街全体を作り出すことが可能です。そして何百、何千人もの人が同時に体験できる世界を作り出すことができます。これは我々にとってもっともエキサイティングなことです。

 我々は同時にスケール(縮尺)においてもいろいろな実験を行っています。現在「Dr. Grordbort's Invaders」というロボットを撃つゲームを提供していますが、2021年に発表を予定しているMagic Leap 2ではロボットのスケールが全く違う大きさで出てくるようになります。部屋の中で見たり、窓の外に巨大なロボットが見えたり、そういった違うスケールで遊ぶことでよりダイナミックな経験をお届けしようとしています。

エンタープライズでは「4つの領域」でMRを推進

——エンタープライズ向けにはどのように展開していくのでしょうか。

 エンタープライズ向けでは、4つのカテゴリを想定しています。最も重要なのは「Intelligence Amplification」、つまり“知能拡張”です。映画「マトリックス」の主人公・ネオのように「I know Karate」と言うだけで、トレーニングを積むことをせずに突然空手ができるようになる……そんなイメージです。

 例えばトヨタ自動車の工場をイメージしてください。ほんの一握りの技術者しか持てない最新の知識や技術を、そのままより多くの人と共有できるのです。AIが人間を置き換えるのではなく、人間を拡張するというアイデアは、我々が企業にもたらす最も重要なアイデアの1つだと考えていますし、その効果は世代を経るごとにより強力になっていきます。

 2つめは「Visualizational Understanding(視角化による理解)」です。医療画像や複雑な空間データ、航空管制データ、都市計画やインフラデータなどに対し、2次元ではなく複雑な3次元データとして体験できる本当に素晴らしい方法です。

 3つめは企業にとって非常に重要なもので、我々は「Co-Presence Communication(共存コミュニケーション)」と呼んでいます。例えばフロリダにいるチームメンバーと、東京にいながら同じ場所でコミュニケーションを行うようなことが可能になります。我々は今後数カ月以内にこれを実験しようと考えています。

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 我々が話す企業の多くの方は、共存コミュニケーションに非常に興味を持たれています。特に通信事業者である(Magic Leapと資本・業務提携している)NTTドコモにとっては、国内外の人々をつなぐ新しいコミュニケーションツールになると考えています。

 4つめが「Location Based Experience(ロケーションベース体験)」です。多くの人が同じ場所でスポーツのようなものやディズニーパークのような体験をできるというものです。これは初期段階においては重要なユースケースになると思います。

 ロケーションベースはエンタテインメントだけでなく、教育にも使えます。日本の学校を想像してみてください。体育館いっぱいに広がる海中の世界と、その中に泳ぐ鯨やサメ、魚たちを子供たちに見せることができます。

 次の週にはアフリカのサバンナ、その次の週は南アメリカの動物たちを見せるといったこともできます。ビジュアルに基づいたロケーションベース体験は、子供や学生たちにより興味を引かれるものになるでしょう。

 米国ではこの1年間で数百校の学校とスペーシャルコンピューティングの体験についての契約を結び、学校を通じてこういう体験を実際に提供しています。

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