グーグルとMS、欧州での顔認識技術の一時利用禁止の議論めぐり異なる見解

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2020年01月22日 12時06分

 Googleの最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏は、欧州で提案されている顔認識の一時的な禁止に支持を表明したが、Microsoftの最高法務責任者Brad Smith氏は、外科手術で対応すべき問題に「肉切り包丁」を使用することに対して警告している。

 欧州委員会は、十分なリスク評価とリスク管理の枠組みが開発されるまで、公共の場所での顔認識技術の使用を3~5年間禁止することを検討しているとみられている。Pichai氏とSmith氏は現地時間1月20日、この件について見解を示した。

 Pichai氏は20日、「ディープフェイクから顔認識の不正使用まで、AIの潜在的な悪影響について真の懸念」があると述べ、AIの機会と潜在的な弊害の適切なバランスをとる「合理的な規制」を支持した。

 Pichai氏はブリュッセルで20日に開催されたカンファレンスで講演を行い、政府が顔認識、そしてより広範なAIの規制に関する問題に「すぐにでも」取り組むことが重要だと主張した。さらに禁止措置について、「即座に実施されるかもしれないが、顔認識の使用状況を実際に検討するまで、待機期間が設けられる可能性もある」と述べた。

 欧州連合(EU)は一般データ保護規則(GDPR)などの既存の法律を適応させ、AIや顔認識技術のリスクを管理できるかもしれないとPichai氏は主張する。さらに、規制はGoogleが2019年に示したようなAIの原則を支持するために利用される必要があると述べた。Googleの原則は、人々に害を及ぼす可能性のあるAIを利用しないことを約束するとしていた。

 Pichai氏はカンファレンスを主催したシンクタンクのBruegelに対し、「説明責任は、われわれのAI原則の重要な一部だ。われわれは自社のシステムが責任を持ち、説明可能なものにしたいと考えており、安全性のテストを実施している」と語った。

 Microsoftのバイスプレジデント兼最高法務責任者のBrad Smith氏は20日、欧州委員会の一時的な禁止に対して警告した。同氏は以前、顔認識の使用の規制を求めていた。

 Reutersの報道によると、顔認識は行方不明の子供を探すNGOの役に立っているとSmith氏は述べた。Smith氏は、まず問題を特定し、それからルールを作ってこの技術が大規模な監視に利用されないようにすることが重要だとした。また、テクノロジーを良くしていくには、それを使うべきだと述べたという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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